ページの本文へ

  1. ホーム
  2. コンサート情報
  3. 定期公演
  4. Bプログラム
  5. 第2061回 定期公演 Bプログラム

第2061回 定期公演 Bプログラム

サントリーホール
Googleマップ 座席表

※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。

ABOUT THIS CONCERT特徴

2026年4月Bプログラム 聴きどころ

死の影が忍び寄る中にあっても、軽やかで清々しい調べを歌い上げるモーツァルトの《クラリネット協奏曲》。一方、死を弔う荘重な葬送行進曲から出発し、愛の成就と官能的な歓びへと大胆に変化していくマーラーの《交響曲第5番》。生と死のせめぎあいは、作曲家の生き様の中にとどまったのか。直接、音楽のうちに映し出されたのか。協奏曲と交響曲という王道の2曲を聴きながら、そんなことにも思いを巡らせてみてはいかがだろうか。

(山本まり子)

PROGRAM曲目

モーツァルト/クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622

クラリネットは1700年頃に誕生した比較的新しい楽器である。1771年、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)は、《ディヴェルティメント第1番》(K. 113)で初めてクラリネットを試し、その音色に惹(ひ)かれる。1777年の冬をマンハイムで過ごした折には、カンナビヒらが巧みに用いていたクラリネットに魅せられ、続くパリ滞在中、《交響曲第31番》(K. 297)にこの楽器を取り入れた。これがクラリネットを含む初めての完全な二管編成の交響曲である。
その後モーツァルトは、クラリネット奏者アントン・シュタットラーとの交流を通じ、表情豊かに旋律を歌わせることのできるクラリネットを重要な表現手段として捉えるようになった。シュタットラーの愛用楽器は、より低い音域をカバーできることを意味する「バセット」クラリネットである。《クラリネット協奏曲》は、同じく彼のために書かれた、いわゆる《ケーゲルシュタット・トリオ》(K. 498)や《クラリネット五重奏曲》(K. 581)の延長線上にあり、標準的な音域の楽器では演奏できないフレーズを含むため、出版に際しては一部に改変が施された。
楽曲の成立過程には謎も残されている。1789年頃、モーツァルトはバセットホルンのための協奏曲を書き始めたが、199小節の断片(K. 584b)だけを残した。2年後、レオポルト2世のボヘミア王即位を祝うオペラ《皇帝ティートの慈悲》(K. 621)のプラハ初演を9月6日に見届けたモーツァルトは、あたかも命を刻みつけるかのように、《魔笛》(K. 620)の仕上げに加え、上述の断片の続きをクラリネット用に改めて一心不乱に書き進めた。《魔笛》の初演から2週間後の10月16日、《クラリネット協奏曲》は初演された。それからわずか50日後の12月5日、モーツァルトは35年の生涯を閉じる。
作品全体を通じて、純粋で情感に満ちた旋律が、成熟した音楽的秩序に支えられて展開していく。
第1楽章 アレグロ、イ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。独奏とオーケストラが呼応しながら進行し、展開部では頻繁に転調を繰り返す。
第2楽章 アダージョ、ニ長調、4分の3拍子、3部形式。歌心たっぷりに、静謐(せいひつ)で息の長い旋律が全体を包み込む。
第3楽章 アレグロ、イ長調、8分の6拍子。ロンド形式。軽やかな主題を独奏とオーケストラが歌い交わし、豊かに変化する楽想がそれを結び付けていく。

(山本まり子)

演奏時間:約27分
作曲年代:1791年夏~秋
初演:おそらく1791年10月16日、プラハ、アントン・シュタットラーの独奏で

マーラー/交響曲 第5番 嬰ハ短調

グスタフ・マーラー(1860~1911)の《交響曲第5番》は、彼が20世紀に入って最初に完成させた交響曲である。民謡詩集『こどもの不思議な角笛』による《交響曲第4番》までの、素朴でアイロニーを帯びた要素を残しつつ、ウィーンの世紀末芸術特有の退廃的な美意識も内包している。《第5番》は、これらの諸要素を標題や声楽を使わず、純粋に器楽で表現しようと舵(かじ)を切った転換点となる作品であった。
1897年から1907年までウィーン宮廷歌劇場の音楽監督であったマーラーは、歌劇場の閉まる夏になると作曲に専念した。1901年の夏は《亡き子をしのぶ歌》の3曲、《リュッケルトによる5つの歌》の4曲、『角笛』の詩による《少年鼓手》のほか、《交響曲第5番》の第1楽章から第3楽章が作られ、実りの多い日々となった。
この《第5番》について、その夏を一緒に過ごしたヴィオラ奏者のバウアー・レヒナーにマーラーは、4楽章構成という計画を明かしていた。ところが急転直下、楽章がひとつ増えた。11月にアルマ・シントラーと巡り合ったのがきっかけである。瞬く間に結婚へと向かった彼の熱い思いは音楽と重なり合う。友人の指揮者メンゲルベルクが「アダージェットはマーラーからアルマに宛てた愛のメッセージだった」とスコアに残したメモがそれを裏付けている。最終的には第3楽章を軸として、重苦しい色調の第1、2楽章、愛やユーモアといった肯定的な気分に満たされた第4、5楽章という3つのまとまりとなった。
第1部
第1楽章
 葬送行進曲:規則正しい歩みで厳格に、葬列のように。嬰ハ短調、2分の2拍子。開始を告げるトランペットのファンファーレは、葬列を導くだけでなく、次の展開につなげる起点として音楽を推進する。上述のバウアー・レヒナーとの会話で彼は「一度でも何かを繰り返してはならず、すべてが自発的に発展しなければならない」と語っている。その理念のとおり、行進曲主題は2つのトリオをはさんで変容を続ける。
第2楽章 嵐のように激して、非常に大きな激しさで。イ短調、2分の2拍子。フォルテで突き進む第1主題と葬送の調べを回想する第2主題が、ソナタ形式の枠組みを作る。再現部は拡大され、大きな盛り上がりを見せる。
第2部
第3楽章
 スケルツォ:力強く、速すぎずに。ニ長調、4分の3拍子。「オブリガート・ホルン」が協奏曲のソロのように際立つ。舞曲風の第1トリオと寂寥(せきりょう)感のある第2トリオを経て、大太鼓に導かれた輝かしいコーダで終わる。
第3部
第4楽章
 アダージェット:きわめてゆっくりと。ヘ長調、4分の4拍子。3部形式。ハープと弦楽5部による甘美で陶酔的な旋律が、細波のように寄せては返し溶け合う。
第5楽章 ロンド・フィナーレ:アレグロ、ニ長調、2分の2拍子。アダージェットの余韻からホルンとファゴットのユーモラスな動機が立ち現れ、6回にわたってフーガが展開される。金管の輝かしいコラールが響き渡り、全曲は畳みかけるような力強さをもって終結する。

(山本まり子)

演奏時間:約70分
作曲年代:1901年夏着手。1902年秋に一旦完成するが、1904年の出版後も改訂を継続
初演:1904年10月18日、ケルン、ギュルツェニヒ管弦楽団の演奏、作曲者自身の指揮で

ARTISTS出演者

ファビオ・ルイージさんの画像 指揮ファビオ・ルイージ

イタリア・ジェノヴァ出身。2001年にN響と初めて共演し、2022年9月首席指揮者に就任。就任記念公演でヴェルディ《レクイエム》を、2023年12月のN響第2000回定期公演でマーラー《一千人の交響曲》を指揮した。2024年には台湾公演を率い、翌2025年5月にはアムステルダム・コンセルトヘボウでの「マーラー・フェスティバル」、「プラハの春音楽祭」、「ドレスデン音楽祭」への参加を含むヨーロッパ公演を成功に導いた。なおN響は「マーラー・フェスティバル」に参加したアジア最初のオーケストラとなり、《交響曲第3番》《同第4番》の演奏は評論家から称賛を集めた。2028年9月に桂冠名誉指揮者に就任する。
現在、デンマーク国立交響楽団首席指揮者およびダラス交響楽団音楽監督。またチューリヒ歌劇場音楽総監督、メトロポリタン歌劇場首席指揮者、ウィーン交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団および同歌劇場音楽総監督、MDR(中部ドイツ放送)交響楽団プリンシパル・コンダクターおよびチーフ・コンダクター、スイス・ロマンド管弦楽団芸術監督、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団首席指揮者、グラーツ交響楽団首席指揮者などを歴任。このほか、イタリアのプーリア州マルティナ・フランカで行われるヴァッレ・ディートリア音楽祭音楽監督、トリノを本拠とするRAI国立交響楽団の名誉指揮者も務めている。また、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラなど最高峰のオーケストラ、歌劇場、音楽祭に定期的に客演している。
録音ではデンマーク国立交響楽団との『ニルセン交響曲全集』が2023年にオーストラリアのライムライト賞とイタリアのアッビアーティ賞を受賞し、その第1集は『グラモフォン』誌の年間最優秀録音賞に選ばれた。またメトロポリタン歌劇場とのワーグナー《ジークフリート》《神々のたそがれ》のDVDはグラミー賞を受賞した。NHK交響楽団との初CD『ブルックナー/交響曲第8番(初稿)』は、2025年5月にリリースされた。
彼は優れた作曲家、調香師でもある。

松本健司(N響首席クラリネット奏者)さんの画像 クラリネット松本健司(N響首席クラリネット奏者)

神奈川県出身。パリ国立高等音楽院クラリネット科を首席および「レオン・ルブラン特別賞」を得て卒業。これまでにクラリネットを角田晃、濱中浩一、二宮和子、竹森かほり、ミシェル・アリニョン、ジェローム・ジュリアン・ラフェリエール、アラン・ダミアンに、室内楽をダリア・オヴォラ、ピエール・ロラン・エマール、ジャン・ギアン・ケラスに師事。1996年第4回日本クラリネットコンクール第2位(1位なし)、1997年第22回トゥーロン国際音楽コンクール第3位など受賞歴多数。現在は洗足学園音楽大学教授、東京音楽大学特任教授として後進の育成にも力を入れているほか、室内オーケストラARCUS、トリオ・サンクァンシュのメンバーとしても活動している。
2002年にNHK交響楽団へ入団し、2011年より首席クラリネット奏者を務める。モーツァルト《クラリネット協奏曲》は、人生の節目節目で向き合ってきた、思い出の詰まった作品という。首席指揮者ファビオ・ルイージのもと、緊密な演奏をきかせてくれるだろう。

DOWNLOADダウンロード

TICKETチケット

定期公演
Bプログラム

第2061回 定期公演
Bプログラム

サントリーホール
Googleマップ
座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2026年2月19日(木)10:00am
定期会員について

一般発売日:2026年2月23日(月・祝)10:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席
一般 12,000円 10,000円 8,000円 6,500円 5,500円
ユースチケット 6,000円 5,000円 4,000円 3,250円 2,750円

※価格は税込です。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※この公演のお取り扱いは、WEBチケットN響およびN響ガイドのみです。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。

ユースチケット

29歳以下の方へのお得なチケットです。
(要登録)

定期会員券
発売開始日

年間会員券
2025年7月13日(日)10:00am
[定期会員先行発売日: 2025年7月6日(日)10:00am

お問い合わせ・
お申し込み

主催:NHK / NHK交響楽団

閉じる
公演カレンダーを閉じる