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第2059回 定期公演 Bプログラム

サントリーホール
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※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。

ABOUT THIS CONCERT特徴

2026年2月Bプログラム 聴きどころ

ドヴォルザークとブラームス。ともに、いわゆる「クラシック音楽」を代表する作曲家であり、両者の間には人間的にも音楽的にも深い交流があった。ただし本日の演奏会で取り上げられる曲目は、数多の演奏会で繰り返し取り上げられる超有名曲をいくつも書いた2人にしては、上演機会に恵まれているとはいいがたい。そうした作品の魅力が、チェコにもオーストリアにも縁のあるフルシャのタクトの下、どのように引き出されるだろう?

(小宮正安)

PROGRAM曲目

ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53

ボヘミア出身のアントニーン・ドヴォルザーク(1841〜1904)が、オーストリアの都ウィーンを本拠地としていたヨハネス・ブラームスの知遇を得たのは1870年代半ばのこと。当時ドヴォルザークは、オーストリアの政府奨学金を得ていたのだが、奨学金の審査委員をしていたブラームスの目に留まったことがきっかけとなった(なお当時、ボヘミアを含む現在のチェコ一帯は、オーストリアをお膝元とする名門貴族ハプスブルク家の巨大帝国の一部だった)。
やがてドヴォルザークはブラームスの紹介で、ブラームスの盟友だったヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムとも知り合う。そうした中から、ドヴォルザークはヨアヒムによる演奏を念頭にヴァイオリン協奏曲を作曲し、彼の助言を求めた。結果、ヨアヒムからの助言を基に改訂をおこない、再びヨアヒムに楽譜を見せたりさらなる改訂作業に勤しんだりしたものの、それを経てようやく2年後に来たヨアヒムからの最終的な返信は、まだ演奏に不充分であるとの内容だった。
ところがドヴォルザークは、その返信を受け容れた上に再び改訂作業をおこない、当作品をヨアヒムに献呈する。だが結局ヨアヒムはこの協奏曲に興味を示さず、初演の独奏は、ドヴォルザークの友人だったフランティシェク・オンドルジチェクがおこなった。
なおこの協奏曲は、伝統的な3つの楽章で構成されている。ただし第1楽章と第2楽章が切れ目なく演奏されるようになっており、これだけでかなり珍しい(通常はそれぞれの楽章をバラバラに、あるいは第2楽章と第3楽章を続けて演奏するようになっている)。これは当時大流行していた、マックス・ブルッフの《ヴァイオリン協奏曲第1番》と同じ構成であり、ドヴォルザークもその顰(ひそみ)にならったと考えられる。
第1楽章において、オーケストラが主題を提示したあとに独奏ヴァイオリンがやおら登場するのではなく、曲が開始されてから早々に独奏ヴァイオリンがオーケストラに絡むのも、ブルッフのそれに似ている。また、その第1楽章自体の構成も、変わっている。ソナタ形式ではあるものの、第2主題にあたるものがあまり目立たず、再現部に至ってはまったく登場しないのが特徴だ。
第2楽章は、ドヴォルザークならではの郷愁と憧憬に満ちた歌心いっぱいの美しい緩徐楽章。
第3楽章は、ボヘミアの民族舞曲「フリアント」のリズムに基づき、躍動感に溢(あふ)れた内容となっている。

(小宮正安)

演奏時間:約32分
作曲年代:1879年作曲、1880~1882年改訂
初演:1883年10月14日、プラハの国民劇場、オンドルジチェクのヴァイオリン独奏、モジツ・アンゲルの指揮

ブラームス/セレナード 第1番 ニ長調 作品11

ヨハネス・ブラームス(1833〜1897)が手掛けた管弦楽のためのセレナードは、2曲存在する。ともに20歳代という若い時に書かれた作品となっており、管弦楽を用いた作品としては《ピアノ協奏曲第1番》に並んで古いものとなっている。またこうした経緯から、ブラームスが40歳代半ば以降に次々と完成させてゆく交響曲の先駆的存在と見て取ることも可能かもしれない。
そもそも「セレナード」とは、屋外で演奏される曲のこと。男性が意中の女性を口説くために窓の下でギターやマンドリンをつま弾きながら歌ったり、夜の宴を彩るべく器楽によって演奏されたりするためのものだった。またこうしたセレナードの伝統を受け、当作品は当初、4つの弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)、フルート、クラリネット2、ファゴット、ホルンという、さまざまな場所で演奏可能な室内楽編成だった。ちなみに《セレナード第1番》を作った当時のブラームスは、現在のドイツ北西部に位置するデトモルトの侯爵に仕えていた。そのような「宮仕え」の境遇が、18世紀頃に貴族階級を中心に好まれた「セレナード」という、古風なジャンルを手掛けるきっかけをもたらした一因となったのだろう。
楽章の構成についても、最初に書かれたのは、現在の第1・3・6楽章にあたる3つの楽章のみという小ぶりなもの。ほどなくしてそれに2つのスケルツォ楽章(第2・5楽章)とメヌエット楽章(第4楽章)が追加され、6楽章構成となった。そしてこのバージョンが、デトモルト侯爵の邸宅や友人の家で、私的に初演されていった。
やがてブラームスはデトモルトを離れて故郷ハンブルクへと移るが、そうした中でヨアヒムのアドバイスを受けながらこの曲を管弦楽用に編曲する(それゆえ、管弦楽用の版が初演された際には、ヨアヒムが指揮を担った)。なお管弦楽編成版の完成後に、自己批判の強かったブラームスの気質もあって、若書きの室内楽編成版は破棄されてしまう。また管弦楽編成版の総譜出版と並んで、四手ピアノ用編曲版もお目見えしている。
こうした経緯ゆえ、第1・2・3・6楽章はそれなりに長く、第3楽章に至っては15分近くもかかる場合がある。またそうした意味でも、これらの4つの楽章を抜粋すれば、後年続々と登場するブラームスの交響曲の先駆的作品といえるだろう。
提示部の締めくくりに堂々とした曲想が現れ、それが楽章の要所要所で現れる第1楽章。「スケルツォ」と題されているにもかかわらず、切なさや翳(かげ)りに彩られた第2楽章。幻想的な雰囲気を湛(たた)えた第3楽章を聴くと、まさに彼の後年の交響曲が想起される。
いっぽうで、「セレナード」と銘打たれているだけのことはあり、交響曲に比べてリラックスした雰囲気が随処に散りばめられている。3分弱であっけなく終わる第5楽章はもとより、ブラームス自身が崇拝していたハイドンやモーツァルトの曲想を思わせ、曲の途中ではフルートの細かな芸が耳を奪う第6楽章はその典型。また(これも第5楽章に次いで短い)第4楽章は、それこそハイドンやモーツァルトの作品によく登場するメヌエットの形式で書かれており、メヌエットはもともと18世紀に王侯貴族から大人気を博した宮廷の踊りだった。
つまりこのセレナードは、王侯貴族に変わって市民階級が力を得る中、野外ではなくコンサートホールで取り上げられるべきレパートリーとして「セレナード」が変容を遂げてゆく新たな時代の潮流を映し出した作品に他ならない。若きブラームスの野心が漲(みなぎ)る、隠れた大作である。

(小宮正安)

演奏時間:約45分
作曲年代:[室内楽編成版]1857〜1858年 [管弦楽編成版]1859年
初演:[室内楽編成版]1859年3月28日、ハンブルクのヴェルマーザール、ヨアヒムの指揮 [管弦楽編成版]1860年3月3日、ハノーファーの宮廷劇場、ヨアヒムの指揮

ARTISTS出演者

ヤクブ・フルシャさんの画像 指揮ヤクブ・フルシャ

ドイツのバンベルク交響楽団の首席指揮者(2016年から)とイギリスのコヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督(2025年から)を兼任、あわせてチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者も務めている。
2028年にはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者兼音楽監督への就任が決定している、現代チェコを代表する指揮者である。
1981年、建築家のペトル・フルシャを父としてチェコのブルノに生まれ、プラハ芸術アカデミーでイルジー・ビェロフラーヴェクやラドミル・エリシュカなどに指揮を学んだ。デビュー後はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など、世界の超一流交響楽団とも共演を重ねている。
N響とは2019年4月の定期公演で初共演、リヒャルト・シュトラウスの《交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」》などを指揮して好評を得た。
今回は2023年2月に続く3回目の登場となる。お国物のドヴォルザークの《ヴァイオリン協奏曲》ではヨゼフ・シュパチェクと息のあったアンサンブルを聴かせてくれるだろう。ブラームスの《セレナード第1番》では、柔和でしなやかな指揮による、若き作曲家のみずみずしい感性の響きを期待したい。

[山崎浩太郎/音楽評論家]

ヨゼフ・シュパチェクさんの画像 ヴァイオリンヨゼフ・シュパチェク

1986年、チェコのトシェビーチ生まれ。父親はチェコ・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者であった。17歳で渡米し、カーティス音楽院、ジュリアード音楽院で学び、アイダ・カヴァフィアン、ハイメ・ラレード、イツァーク・パールマンらに師事した。2008年、カール・ニルセン国際音楽コンクールで第3位に入賞。2011年に楽団史上最年少でチェコ・フィルのコンサートマスターに就任し、2015年まで務める(その後、同団のアソシエート・アーティストとなった)。これまでに、チェコ・フィル、フィラデルフィア管弦楽団、バンベルク交響楽団、東京都交響楽団などと共演。代表的なディスクには、イルジー・ビェロフラーヴェク&チェコ・フィルとのドヴォルザークとヤナーチェクのヴァイオリン協奏曲集、ヤナーチェクとプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ集などがある。
NHK交響楽団とは初共演。今回指揮を執るヤクブ・フルシャとは、故郷が近く、親交があり、何度も共演を重ねている。彼らの祖国の大作曲家ドヴォルザークの《ヴァイオリン協奏曲》で息の合った演奏を聴かせてくれるであろう。使用楽器は1732年製のグァルネリ・デル・ジェス“Le Brun; Bouthillard”。

[山田治生/音楽評論家]

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1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2025年10月22日(水)10:00am
定期会員について

一般発売日:2025年10月26日(日)10:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席
一般 12,000円 10,000円 8,000円 6,500円 5,500円
ユースチケット 6,000円 5,000円 4,000円 3,250円 2,750円

※価格は税込です。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※この公演のお取り扱いは、WEBチケットN響およびN響ガイドのみです。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。

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29歳以下の方へのお得なチケットです。
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定期会員券
発売開始日

年間会員券
2025年7月13日(日)10:00am
[定期会員先行発売日: 2025年7月6日(日)10:00am

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主催:NHK / NHK交響楽団

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