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定期公演 2022-2023シリーズBプログラム
第1979回 定期公演 Bプログラム

サントリーホール
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※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

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ABOUT THIS CONCERT特徴

チェコを代表するのみならず、同世代の中でも最前線をひた走る指揮者として活躍するヤクブ・フルシャ。今回N響との共演に選ぶ3曲は、3人の作曲家が自国の歴史や文化、音楽的な遺産と向き合う、「アイデンティティ証明」の作品である。ポーランド出身のピョートル・アンデルシェフスキも、その趣旨に共感しての共演となろう。世界各地で民族や文化の多様性を抑圧する動きが顕著な昨今、私たちに問いを投げかけるプログラムだ。(矢澤孝樹)

PROGRAM曲目

ドヴォルザーク/序曲「フス教徒」作品67

アントニーン・ドヴォルザーク(1841~1904)の時代のチェコはオーストリア=ハンガリー帝国の支配下にあったが、一方でスラヴ民族の統一的連帯を目指す「汎スラヴ主義」も勃興していた。ドヴォルザークもこの政治的潮流に強く影響され、本作はその代表的なひとつである。表題の「フス教徒」は、15世紀初頭に宗教改革を行い火刑に処せられたヤン・フス(1369頃~1415)の支持者であり、1420~1434年の間、チェコに独立政権を打ち立てた。いわばフス教徒はその後のチェコの人々にとって自主独立の象徴である。
本作は、チェコ国民劇場の総裁シュペルトが企画したフス派を主題とする演劇三部作の劇音楽としてドヴォルザークに依頼された。劇自体は未完に終わったが、ドヴォルザークの序曲は完成し、1883年11月13日にアンゲル指揮のプラハ国民劇場管弦楽団により初演されている。
序曲はドヴォルザーク自身の手によるコラール風の旋律で始まるが、その後すぐ不安な様相となり、2つの伝統的な旋律が引用される。まずフス教徒のターボル派(過激派)の軍歌に起源をもつ《コラール「汝(なんじ)ら神の戦士たち」》がファンファーレ的に響く。ちなみにこのコラールは先輩スメタナの《連作交響詩「わが祖国」》の第5、6曲でも使用されている。もうひとつは慰撫(いぶ)するように現れる、チェコの守護聖人ヴァーツラフを讃(たた)える12~13世紀のコラール(ドヴォルザークの弟子スークも《聖ヴァーツラフのコラールによる瞑想曲》で使用)。2つのコラールを扱いつつ、中盤でフス戦争を暗示する闘争的な展開が続き、最後は輝かしく冒頭コラールが回帰し、民族の不羈(ふき)独立を確信して終結する。

(矢澤孝樹)

作曲年代:1883年
初演:1883年11月13日、アンゲル指揮プラハ国民劇場管弦楽団

シマノフスキ/交響曲 第4番 作品60「協奏交響曲」*

カロル・シマノフスキ(1882~1937)の祖国ポーランドも、大国に支配される時代が長く続いた。ヤギエヴォ朝の時代、特に16世紀は文化的にも欧州の一流国だったが、やがて各国の干渉と侵攻を許し、最終的には1795年、オーストリア、プロイセン、ロシアに国土を3分割される。19世紀には民族運動が頻繁に起こるも鎮圧され、ショパンも故国を去った。
シマノフスキは、抑圧の時代と、第1次世界大戦が終結し、ポーランド第二共和国が誕生した1918年以降を生きた。民族主義の高揚が率直に音楽に反映されて不思議はないが、むしろその音楽は複雑な変転の軌跡を描く。それは、西洋の音楽語法が激変した時代であると共に、彼がかつてポーランド領でありながら当時はロシア領だったウクライナに生まれたこととも無縁ではないのかもしれない。まるで自分探しのように、後期ロマン派的世界から印象主義的書法と東洋・古代思想とが混じり合う時期を経て、ポーランド独立後にようやく彼は自国の民俗音楽に向かい合う。
《交響曲第4番》はこの時代、1932年に作曲された。シマノフスキは1927年にワルシャワ音楽院の院長に就任し、積極的に改革と教育に邁進(まいしん)したが、守旧派との軋轢(あつれき)や同性愛的傾向への非難に苦しみ1932年に辞職。定職を失いピアニストとしての収入を求めたシマノフスキは、自らを独奏者とし、かつ重量感ある管弦楽で独奏の負担を軽減する本作を構想・作曲した(副題の「協奏交響曲」はこの楽曲の性格を示す)。作品は大ピアニスト、アルトゥール・ルビンシュタイン(シマノフスキの親友)に献呈された。そして1932年10月9日、彼自身の独奏、フィテルベルク指揮ポズナン市管弦楽団により同市で行われた初演は成功、人気曲となる。シマノフスキの死の2年後、ポーランドはナチス・ドイツとソ連に蹂躙(じゅうりん)される。その悲劇の前の、束の間の祝祭だった。
第1楽章は冒頭からピアノが両手のユニゾンで民俗的な旋律を奏するが、ポーランド南部のタトラ山脈地域の民俗音楽に由来する。ヴァイオリンによる叙情的な第2主題と共にソナタ形式を構成、後半にはピアノのカデンツァが現れる。古典回帰の印象があるが、複調的で入り組んだ書法はシマノフスキならでは。夢幻的で第1次世界大戦前のシマノフスキの作風を思わせる緩徐な第2楽章から、ティンパニに導かれ躍動する民俗舞曲風の第3楽章へと続く。

(矢澤孝樹)

作曲年代:1932年
初演:1932年10月9日、作曲者自身の独奏、フィテルベルク指揮ポズナン市管弦楽団

ブラームス/交響曲 第4番 ホ短調 作品98

ヨハネス・ブラームス(1833~1897)が生きた時代のドイツは、1871年のドイツ帝国の成立と宰相ビスマルクの政策によって強国への道を歩んでいた。ブラームスにも《運命の女神の歌》など愛国的な作品はある。だがその本懐は、「ドイツの音楽家」としての自己探究にあろう。その規範はベートーヴェンであり、同時に壁ともなった。その9曲の交響曲の存在の大きさゆえ、《交響曲第1番》(1876年完成)の完成まで多大な年月を要することになる。
最後の交響曲となった《交響曲第4番》(1885年完成)はどうだろう。ブラームスはここで、「交響曲以前」の古い技法を用いた。第1楽章に頻出する管楽器の古風な音型、第2楽章での古いフリギア旋法の使用。そして終楽章をバロック時代の変奏曲パッサカリアで構成する着想。こうした高度に歴史学的な特色は作曲者自身が議論を覚悟しており、作曲地ミュルツツーシュラークの名物にちなみ「甘くないサクランボ」と謙遜(けんそん)している。2台ピアノによる試演も友人たちの間で賛否は分かれ、さらにブラームスを支持する批評家ハンスリックすら頭を悩ませた。だが1885年10月25日、作曲者指揮するマイニンゲン宮廷管弦楽団による同地での初演は大成功を収める。知的仕掛けは、深い憂愁を帯びつつ決然と劇的な楽曲内容とみごとに一致していたのである。
ブラームスは過去を探ることで、ドイツ人としての自己を掘り当てたのだろうか? むしろ「ドイツの伝統」外の要素がこの交響曲を特徴づける。フリギア旋法はグレゴリオ聖歌に遡(さかのぼ)り、パッサカリアはバッハ作品に範をとるが、フランスで頻繁に用いられた形式である。またトライアングル鳴り響く陽気な第3楽章は民俗舞曲の趣で、《ハンガリー舞曲集》はじめ民衆音楽に関心の高かったブラームスの顔が見える。新旧の技法を駆使した、多様性に向けて開かれた新しい世界をこの交響曲に聴くことも可能なはずだ。
第1楽章は冒頭の3度音程の動機で組み上げられた主題から、提示部の反復をもたず滔々(とうとう)たる流れの中で有機的な展開が図られる。ホ音を中心としたフリギア旋法の主題が遠い鐘のこだまを思わせる第2楽章、野趣あふれるがソナタ形式で巧緻(こうち)に書かれた第3楽章を経て、前述したパッサカリアの第4楽章に至る。低音主題はバッハの《カンタータ第150番》の終結合唱からとられ、全体は3部に分かれそれぞれがソナタ形式の提示部・展開部・再現部に該当するなど、古い技法が斬新(ざんしん)な発想で用いられている。

(矢澤孝樹)

作曲年代:1885年完成
初演:1885年10月25日、作曲者自身の指揮、マイニンゲン宮廷管弦楽団

[SPOTLIGHT]
ポーランド民族の魂に触れる。2023年2月A・Bプログラムの背景を探って

シマノフスキについて、専門家の視点から重川真紀さんにその魅力を紹介していただきます。

ARTISTS出演者

ヤクブ・フルシャさんの画像 指揮ヤクブ・フルシャ

シンフォニーとオペラの両輪で躍進が続く。音楽への篤実な姿勢と技、熱きタクトが身上で、ドイツ、バンベルク交響楽団首席指揮者のポストは2026年まで延長された。2022年夏にはザルツブルク音楽祭でヤナーチェクの《歌劇「カーチャ・カバノヴァー」》を任されている。また、2025–26シーズンから英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)の音楽監督に就任することが発表された。
1981年チェコ、モラヴィア地方の中心都市ブルノ生まれ。プラハ芸術アカデミーでイルジー・ビェロフラーヴェクに師事し、ラドミル・エリシュカの薫陶を受ける。2006年初来日。2010年、プラハの春音楽祭の開幕公演で《わが祖国》を指揮。同年から2018年まで東京都交響楽団の首席客演指揮者に迎えられた。アムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団への客演、ウィーン国立歌劇場でのヤナーチェク《マクロプロス事件》も賞賛を博す。2018年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、2019年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の各定期公演にデビュー。北米の主要オーケストラとも深い絆(きずな)で結ばれている。現在バンベルク交響楽団首席指揮者のほか、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ローマ聖チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の各首席客演指揮者を兼務。録音も多く、2022年には夭折(ようせつ)の天才作曲家ハンス・ロットの《交響曲第1番》がリリースされた。N響との初共演は2019年4月の定期公演Aプログラム。

[奥田佳道/音楽評論家]

ピョートル・アンデルシェフスキ*さんの画像 ピアノピョートル・アンデルシェフスキ*

ピョートル・アンデルシェフスキは1969年、ポーランド人とハンガリー人の両親のもとワルシャワに生まれた。1990年のリーズ国際コンクールを途中棄権したものの、セミ・ファイナルで演奏したベートーヴェンの《ディアベッリ変奏曲》が注目を集め、翌年2月にロンドンのウィグモア・ホールでデビュー・リサイタルを行った。来日もたび重ね、前回2021年には先に録音も行ったバッハ《平均律クラヴィーア曲集第2巻》の選集で新境地を拓いた。レパートリーには徹底して慎重な姿勢を貫き、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ウェーベルン、ショパン、シューマン、ヤナーチェク、バルトークなどの限られた作品に集中。「さまざまな矛盾を抱えた多義的な存在」と自らを称するアンデルシェフスキだけに、ポーランドの偉才シマノフスキには特に深い愛着を抱き、2004年には《ピアノ・ソナタ第3番》ほかを録音、同作で英国のグラモフォン賞も得ている。《協奏交響曲》は彼が熱望する作品で、2006年にもシャルル・デュトワの指揮でN響と披露したが、今回ヤクブ・フルシャとともにあらためて光を当てる。N響とは3度目、2015年以来の共演となる。

[青澤隆明/音楽評論家]

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TICKETチケット

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1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2022年10月27日(木)11:00am
定期会員について

一般発売日:2022年10月30日(日)11:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席
一般 8,900円 7,400円 5,800円 4,700円 3,700円
ユースチケット 4,000円 3,500円 2,800円 2,100円 1,500円

ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※この公演のお取り扱いは、WEBチケットN響およびN響ガイドのみです。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。

定期会員券
発売開始日

年間会員券 7月18日(月・祝)11:00am
 [定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

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WEBセレクト3+

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WEBチケットN響のみでの発売となります

お問い合わせ・
お申し込み

N響ガイド TEL:03-5793-8161

WEBチケットN響

BROADCAST放送予定

NHK-FMNHK-FMベスト オブ クラシック
「第1979回 定期公演 Bプログラム」

2023年2月15日(水) 7:00PM~ 9:10PM

曲目: ドヴォルザーク/序曲「フス教徒」作品67
シマノフスキ/交響曲 第4番 作品60「協奏交響曲」*
ブラームス/交響曲 第4番 ホ短調 作品98

指揮:ヤクブ・フルシャ

ピアノ:ピョートル・アンデルシェフスキ*

収録:2023年2月15日 サントリーホール

主催:NHK / NHK交響楽団

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