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定期公演 2022-2023シリーズAプログラム
第1977回 定期公演 Aプログラム

※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

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ABOUT THIS CONCERT特徴

本日取り上げる3人の作曲家は、それぞれに学友として切磋琢磨(せっさたくま)した間柄にある。尾高とパヌフニクは、ともに留学先のウィーンでワインガルトナーの薫陶を受けた。一方パヌフニクとルトスワフスキは、政治的制約に妨げられながらも、戦時下のワルシャワで音楽活動に邁進(まいしん)した。その後、まったく異なる境遇に身を置くことになった3人だが、本日はそれぞれの音楽に懸ける想いに改めて耳を傾けたい。(重川真紀)

PROGRAM曲目

尾高尚忠/チェロ協奏曲 イ短調 作品20

「ウイン〔ウィーン〕という世界的音楽の都で、多くの生きた大音楽家に接し、又古来楽聖の名曲の名演奏を聴き、優秀なる音楽学校生徒達と交わつていると、自分の空想していたものと実際のものとの、とんでもない程の距離を痛感して、これは到底駄目だ、馬鹿げた野望だ、という風に考えられて来る〔中略〕しかし一方、自分は音楽が好きだ、という事実に対する自らの確認は、修行に喜びを与え……案外に愉快な途(みち)も拓けて来る」。これは、生前のインタビューで尾高尚忠(ひさただ)(1911〜1951)が述べた言葉である。よく知られるように、彼は戦中から戦後初期にかけて日本の音楽界を牽引(けんいん)した作曲家・指揮者だが、およそ10年におよぶ留学生活のなかで、日本人の自分がはたして「本物」に辿(たど)り着けるのかという葛藤にさいなまれたようだ。しかしこの経験なくして、西洋音楽の語法に日本的な響きを絶妙に溶け込ませるという、彼独自の作曲様式は生まれ得なかっただろう。1943(昭和18)年に書かれた《チェロ協奏曲》は、まさに尾高のこのような和洋折衷的態度をもっともよく表す作品のひとつである。曲は、親友であり義弟でもあった、チェロ奏者の倉田高(たかし)に献呈され、初演された。
曲は3つの楽章からなる。第1楽章(アレグロ・エネルジコ、エ・パッショナート)は2/2拍子、イ短調。ソナタ形式。躍動感のある第1主題が奏されたあと、へ長調による柔和な第2主題が姿を現す。曲は展開部、再現部へと進んでいき、情熱的なカデンツァを経てコーダで力強く終わる。第2楽章(レント・カンタービレ、コン・ヴァリアツィオーニ)は4/4拍子、ロ短調。主題とその変奏で構成された緩徐楽章である。主題は変奏を重ねながら次第に熱を帯び、クライマックスへと向かう。カデンツァのあと、最後に主題が回想されて静かに終わる。第3楽章(アダージョ・エスプレッシーヴォ─アレグロ・コン・ブリオ)は4/4拍子、イ短調。A─B─A─C─Aのロンド形式。荘重な序奏ののち、疾走感のある主題Aがチェロによって奏される。この主題は第1楽章の第1主題に由来しており、第2楽章の主題とも関連する。軽快な主題B、5/4拍子の優美な主題Cが奏されたあと、主題Aの回想を経て、序奏の旋律とともに力強く曲は閉じられる。

(重川真紀)

作曲年代:1943年
初演:1944年6月21日、東京の日比谷公会堂、倉田高独奏、作曲者自身の指揮、日本交響楽団(現NHK交響楽団)

パヌフニク/カティンの墓碑銘

アンジェイ・パヌフニク(1914〜1991)は、ワルシャワ音楽院で作曲を学んだ後、ウィーンとパリで学んだ作曲家・指揮者である。早くから国内外で高い評価を得ていたが、共産党当局との確執から1954年にイギリスに亡命。最終的には「騎士」の称号を贈られるほどの成功をおさめたものの、祖国で作品が演奏禁止の憂き目に遭うなど、波乱に満ちた生涯を送った。ワルシャワ時代、学友だったルトスワフスキとピアノ・デュオを組み、活動していたことはよく知られており、ルトスワフスキによる《パガニーニの主題による変奏曲》(1941)は彼らのレパートリーとして生み出された作品である。
パヌフニクは、生涯にわたりポーランドに因んだ作品を書き続けた。1967年に作曲された《カティンの墓碑銘》は、作曲家自身が総譜の冒頭に記しているように、第2次世界大戦中に「カティンの森」で虐殺された1万5000人のポーランド人戦争捕虜たちに捧(ささ)げられた作品である。のちにパヌフニク本人が語ったことによれば、この作品を書くことで、共産主義下において語られることのない残虐な犯罪と隠蔽(いんぺい)された真実に対する西側諸国の人々の関心を呼び起こしたいという思いがあったようだ。
作品全体は導入と3つの部分からなる。独奏ヴァイオリンが旋法的な旋律を奏でたあと、第1部ではその旋律を木管楽器が受け継いでいく。第2部では弦楽器が主体となり、奏者それぞれがソリストとなる形で、2度音程のモティーフを積み上げていく。音楽はクライマックスへと向かい、感情を噴出させるかのように冒頭の主題が総奏で再現される。5音からなるリズム・モティーフの執拗(しつよう)な反復でやがて緊張が増していき、最後は重々しい打撃音に断ち切られて曲が閉じられる。

(重川真紀)

作曲年代:1967年
初演:1968年11月17日、ニューヨークのカーネギー・ホール、レオポルド・ストコフスキー指揮、アメリカ交響楽団

ルトスワフスキ/管弦楽のための協奏曲

ヴィトルト・ルトスワフスキ(1913〜1994)は、その紆余曲折(うよきょくせつ)の歩みから、まさに「戦後のポーランド現代音楽」を象徴する存在である。《管弦楽のための協奏曲》は、1950年に当時のワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者ヴィトルト・ロヴィツキからの依頼により書かれた作品だが、共産主義体制の文化政策と折り合いを付けつつ、モダニズム的な方向を追い求めた様子がここでもうかがえる。彼は、楽団の能力を十分に発揮できる様式として、ハンガリーのバルトークの同名作品にみられるような合奏協奏曲の様式を取り入れた。その際、ポーランドの民族誌家オスカル・コルベルクの民謡集から複数の民謡を素材として取り入れたが、それらを分解・発展させることにより多種多様な響きを作り出した点にバルトークの影響を見て取れよう。伝統的な形式によりつつ、新しい作曲技法も取り込んだ本作品は大成功を収め、ルトスワフスキの名を一躍世界に知らしめた。
全体は3つの楽章からなる。第1楽章〈序奏〉は、いわば作品全体の「序曲」である。導入部ではチェロが奏する主要旋律が対位法的に発展。やがてホルンによる旋律、弦楽器によるストラヴィンスキー風の打撃和音が現れると、曲は全音階的な素材と無調的な音響とが混ざり合いながらクライマックスへと向かう。終結部は一転して静けさに包まれ、チェレスタが高音域で嬰へ音を打ち鳴らすなか、冒頭の主要旋律が回想される。第2楽章〈夜の奇想曲とアリオーソ〉は、中間部にアリオーソを置くスケルツォ形式。無窮動的な奇想曲とファンファーレを思わせるアリオーソが対比され、それぞれに異なる民謡の断片が顔を出す。第3楽章〈パッサカリア、トッカータとコラール〉は先行する2つの楽章を統合する長大な終曲。「パッサカリア」では民謡の旋律が変奏されながら積み上げられていき、「トッカータ」では同じ旋律が第1主題として用いられる。第2主題は冒頭楽章のホルンの主題から取られており、2つの主題をもとに曲は展開していく。終結部は、木管楽器のコラールと対旋律からなり、「パッサカリア」の主題を交錯させながら壮大なクライマックスが築かれる。

(重川真紀)

作曲年代:1950〜1954年
初演:1954年11月26日、ワルシャワのローマ・ホール、ヴィトルト・ロヴィツキ指揮、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団

[SPOTLIGHT]
ポーランド民族の魂に触れる。2023年2月A・Bプログラムの背景を探って

指揮を務める尾高忠明に、ルトスワフスキとパヌフニクの作品に父・尾高尚忠の作品を組み合わせた意図について、お話を聞きました。

ARTISTS出演者

尾高忠明さんの画像 指揮尾高忠明

1947年生まれ。桐朋学園大学で齋藤秀雄に指揮を学ぶ。第2回民音指揮者コンクールで第2位に入賞、NHK交響楽団の指揮研究員となる。N響との共演は、初めて指揮した1971年以来半世紀におよび、2010年からは正指揮者をつとめている。大阪フィルハーモニー交響楽団の音楽監督として2018年から活躍するほか、東京フィルハーモニー交響楽団の桂冠指揮者、札幌交響楽団の名誉音楽監督、読売日本交響楽団の名誉客演指揮者、紀尾井ホール室内管弦楽団の桂冠名誉指揮者となり、国内各地の主要オーケストラに客演を重ねている。海外での活動歴も長く、イギリスのBBCウェールズ交響楽団の首席指揮者をつとめた後、桂冠指揮者の称号を贈られている。東京藝術大学の名誉教授など、後進の育成指導にも力を入れ、2021年から「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」の審査委員長をつとめる。曾祖父の渋沢栄一を主人公とする『青天を衝け』など、NHK大河ドラマのテーマ曲の指揮でも親しまれている。なお父の尚忠(ひさただ)は作曲家・指揮者、母の節子(みさおこ)はピアニスト、兄の惇忠(あつただ)も作曲家という、音楽一家の出身である。今回は、父尚忠が1943年に作曲した《チェロ協奏曲》が取りあげられる。また、ポーランド出身のパヌフニクとルトスワフスキの2作は2008年5月の定期公演でも演奏しており、これらも思い入れの深い作品である。

[山崎浩太郎/音楽評論家]

宮田 大さんの画像 チェロ宮田 大

1986年生まれ。3歳でチェロを始める。桐朋女子高校音楽科(男女共学)を経て、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを首席で卒業した後、スイス、ドイツで学ぶ。倉田澄子、フランス・ヘルメルソンに師事。第74回(2005年)日本音楽コンクール・チェロ部門第1位を獲得し、2009年には第9回ロストロポーヴィチ国際チェロコンクール(パリ)で日本人として初めて優勝した。日本のみならず、世界各国のオーケストラと共演を重ねている。NHK交響楽団とは2013年に広上淳一の指揮によるドヴォルザークの《チェロ協奏曲》で初共演し、以後4回の共演を重ねる。定期公演には初の出演となるが、演奏する尾高尚忠(1911〜1951)の《チェロ協奏曲》は、師である倉田澄子の父・高(たかし)が初演したゆかりの深い作品でもある。その他、人形劇俳優・平常の演出による『ハムレット』での演奏、ギタリスト・大萩康司との『Travelogue』の録音・ツアーなど、多彩なジャンルのアーティストとの共演も多く、小澤征爾指揮の水戸室内管弦楽団との演奏は映像収録されて、芸術祭参加作品となった。

[片桐卓也/音楽ライター]

MOVIEムービー

【マエストロ・メッセージ】尾高忠明/2月N響定期公演Aプログラム

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TICKETチケット

定期公演 2022-2023シリーズ
Aプログラム

第1977回 定期公演
Aプログラム

NHKホール
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座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2022年10月27日(木)11:00am
定期会員について

一般発売日:2022年10月30日(日)11:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席 E席
一般 8,900円 7,400円 5,800円 4,700円 3,700円 2,000円
ユースチケット 4,000円 3,500円 2,800円 2,100円 1,500円 1,000円

※価格は税込です。
ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。

定期会員券
発売開始日

年間会員券 7月18日(月・祝)11:00am
 [定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

シーズン会員券 10月19日(水)11:00am
 [定期会員先行発売日: 10月13日(木)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

※要登録/取り扱いはN響ガイドのみ

WEBセレクト3+

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になるチケットです。

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お問い合わせ・
お申し込み

N響ガイド TEL:03-5793-8161

WEBチケットN響

BROADCAST放送予定

NHK-FMNHK-FMN響演奏会
N響第1977回定期公演

2023年2月 4日(土) 6:00PM~ 8:15PM

曲目: 尾高尚忠/チェロ協奏曲 イ短調 作品20
パヌフニク/カティンの墓碑銘
ルトスワフスキ/管弦楽のための協奏曲

指揮:尾高忠明

チェロ:宮田 大

収録:2023年2月4日 NHKホール

主催:NHK / NHK交響楽団

※AプログラムはNHKホール改修工事の終了にともない、今シーズンより会場をNHKホールに戻して開催します
※A-2の開演時刻は2:00pmとさせていただきます

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