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定期公演 2022-2023シリーズAプログラム
第1971回 定期公演 Aプログラム

※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

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ABOUT THIS CONCERT特徴

1873年9月、アントン・ブルックナー(1824~1896)は、バイロイト祝祭劇場の建設に忙殺されているリヒャルト・ワーグナー(1813~1883)の自宅を訪れ、《交響曲第2番》《第3番》の献呈を受け容れてほしいと懇願し、巨匠は後者を採った。ワーグナーが目指そうとした音楽の未来は、まったく違うジャンル・手法をとったとはいえ、ブルックナーの音楽にも脈々と受け継がれている。ルイージが選んだ両者の音楽を聴けるこのような機会にこそ、そんな理想に想いを馳(は)せたいもの。(広瀬大介)

PROGRAM曲目

ワーグナー/ウェーゼンドンクの5つの詩

1849年にドレスデンでの革命騒ぎによって故国を追われたワーグナーは、10年以上におよぶ亡命生活を強いられるが、スイス・チューリヒで、絹織物商の妻マチルデ・ウェーゼンドンクと巡り会う。1857年、このマチルデと密やかな愛を育んでいたワーグナーは、その愛の証を、滅多に作曲することのなかったピアノ伴奏歌曲集として世に遺した。マチルデ自身が手がけた詞とワーグナーの音楽には、当時2人が傾倒していたショーペンハウアーの厭世的な感性、そしてふたりの間でのみ共有されていた符牒(ふちょう)が隠されていた。
たとえば、第3曲〈温室で〉。ヨーロッパの王侯貴族の宮廷には、南国から運ばれた柑橘類の樹木を寒さから守るための「オランジェリー」があった。手が届きそうで届かない憧(あこが)れの南の国を、無理矢理にでも手許にとどめておきたいという、北方ヨーロッパ人にとってのはかない夢をかたちにしたもの。「虚ろ」な昼の光のありようを繰り返すこの詩からは、自分たちのいる場所はここではなく、本来あるべき場所へ赴きたいという、《トリスタンとイゾルデ》での恋人たちの嘆きに相通じる考えが見え隠れする。さらに、第5曲〈夢〉に見られる「宇宙の忘却と その記憶」という歌詞は、死の世界で「すべての忘却」を望む、《トリスタン》第3幕で吐露される主人公2人の望みとも重なり合っている。この音楽がそのまま楽劇の本篇に用いられたことで、2人の純愛の記憶は大作のなかに封印された。
なお、ワーグナーは第5曲〈夢〉を、小規模オーケストラのために管弦楽化した。指揮者フェリックス・モットルは、他の4曲を大規模なオーケストラのために、〈夢〉についてもワーグナーのそれを踏襲する形で管弦楽化している。

(広瀬大介)

演奏時間:約21分
作曲年代:1857~1858年
初演:初演:1862年7月30日、マインツ、エミリー・ゲナストのソプラノ独唱、ハンス・フォン・ビューローのピアノ独奏

ブルックナー/交響曲 第2番 ハ短調(初稿/1872年)

1861年、恩師ジモン・ゼヒターのもとで和声法・対位法を修めたブルックナーは、いよいよ本格的な創作活動へと歩みを進めることとなる。1863年の習作的な《交響曲ヘ短調》(いわゆる《第00番》)を皮切りに、1864年には《ミサ曲第1番》、1865~1866年の《交響曲第1番ハ短調》(第1稿)へと順調に進む。1866~1868年には《ミサ曲第2番》《ミサ曲第3番》が立て続けに続き、1868~1869年にはあらたなニ短調の交響曲を手がけ始めた。
後年、《第0番》と題されたこの交響曲の作曲は、1863年から1864年の間になされたもの(つまり《交響曲第1番》の前)と考えられてきた。ただ、1868年以降、ウィーンへと移り住んだブルックナーが、この作品の総譜を書く際に、「1869年1月24日」という日付とともに「交響曲第2番」と記したという事実を鑑みれば、この作品が本来《第1番》のあとに続くものとして位置づけられていたことがわかる。だが結局、このニ短調交響曲は公開演奏・出版には至らず、第3番となるはずのハ短調交響曲を繰り上げて、《第2番》と名付けることになった。
1871~1872年に手がけられ、今回演奏されるこの《第2番》第1稿は、翌1873年、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によって試演されるが、作品が当時の基準ではあまりに長すぎることなどが問題となり、短縮した形で初演された。1876~1877年にかけて着手された第2稿(現在一般的に演奏される稿)では、第2楽章スケルツォ、第3楽章アンダンテの順序が入れ替えられ、その多くの部分が省略、短縮されている。
初めての交響曲の試みから10年間、さまざまな試行錯誤を経て、この《第2番》をもってようやく、ブルックナーにとっての「交響曲」の理想型がようやく出来上がった、と言ってよいのだろう。第1楽章における、ヴァイオリンとヴィオラのトレモロからチェロが第1主題を提示する、いわぶる「ブルックナー開始」の確立、ソナタ形式のありようを大規模かつ複雑にする第2主題・第3主題の使用などはその典型である。第1稿でスケルツォが第2楽章とされたのは、おそらくベートーヴェン《第9》の楽章配置を参考にしたはず。また、この措置によって、緩徐楽章・第3楽章における《ミサ曲第3番》の〈ベネディクトゥス〉、第4楽章での〈キリエ〉の引用がつながることにもなる。とくに初期ブルックナー作品における宗教作品の影響については、交響曲受容に偏りがちな我々聴き手にとって、その全貌を知るための欠かせぬ知識となるはずである。

(広瀬大介)

演奏時間:約68分
作曲年代:[第1稿・1872年稿]1871~1872年[第2稿・1877年稿]1876~1877年
初演:[第1稿]1873年10月26日、指揮:アントン・ブルックナー(ウィーン)[第2稿]1894年11月25日、指揮:ハンス・リヒター(ウィーン)

[SPOTLIGHT]
インタビュー|ファビオ・ルイージ(指揮)に聞く ブルックナー《交響曲第2番》にみる輝きと美しさ

ブルックナーの初期作品を、また《第2番》の初稿を演奏するねらいはどこにあるのか、マエストロにうかがいました。

ARTISTS出演者

ファビオ・ルイージさんの画像 指揮ファビオ・ルイージ

1959年、イタリア・ジェノヴァ生まれ。デンマーク国立交響楽団首席指揮者、ダラス交響楽団音楽監督を務める。
これまでにメトロポリタン歌劇場首席指揮者、チューリヒ歌劇場音楽総監督、ウィーン交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団および同歌劇場音楽総監督、MDR(中部ドイツ放送)交響楽団芸術監督、スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督などを歴任。このほか、イタリアのマルティナ・フランカで行われるヴァッレ・ディートリア音楽祭音楽監督も務めている。
また、フィラデルフィア管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラに定期的に客演し、世界の主要オペラハウスにも登場している。
録音には、ヴェルディ、ベッリーニ、シューマン、ベルリオーズ、ラフマニノフ、リムスキー・コルサコフ、マルタン、そしてオーストリア人作曲家フランツ・シュミットなどがある。また、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団とは数々のR. シュトラウスの交響詩を収録しているほか、ブルックナー《交響曲第9番》の解釈は高く評価されている。メトロポリタン歌劇場とのワーグナー《ジークフリート》《神々のたそがれ》の録音ではグラミー賞を受賞した。
N響とは2001年に初共演。2022年9月、N響首席指揮者就任。

藤村実穂子さんの画像 メゾ・ソプラノ藤村実穂子

日本を代表するメゾ・ソプラノのひとり。表現力豊かでよく通る美声と完璧な発声を誇り、特にワーグナーをはじめとするドイツ・オペラのレパートリーでは他の追随を許さない。2002年、主役級としては日本人で初めてバイロイト音楽祭にデビューし、以来9年連続出演し、ワーグナーの主要なメゾ・ソプラノの役柄を全て歌い切ったことは、金字塔である。ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場などに出演。オペラのみならずコンサートのソリストとしても引っ張りだこで、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やベルリン・フィルハーモニー管弦楽団といった一流オーケストラの演奏会にも定期的に登場。故クラウディオ・アバド、クリスティアン・ティーレマン、サイモン・ラトル、アンドリス・ネルソンスら名指揮者の信頼も厚い。
東京藝術大学、同大学院、およびミュンヘン音楽大学大学院に学ぶ。2002年出光音楽賞、2003年芸術選奨文部科学大臣新人賞、2007年エクソンモービル音楽賞、2013年サントリー音楽賞、2014年紫綬褒章をそれぞれ受賞。

[加藤浩子/音楽評論家]

MOVIEムービー

【マエストロ・メッセージ】ファビオ・ルイージ/12月N響定期公演

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TICKETチケット

定期公演 2022-2023シリーズ
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第1971回 定期公演
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NHKホール
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座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2022年10月27日(木)11:00am
定期会員について

一般発売日:2022年10月30日(日)11:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席 E席
一般 9,800円 8,400円 6,700円 5,400円 4,400円 2,800円
ユースチケット 4,500円 4,000円 3,300円 2,500円 1,800円 1,400円

※価格は税込です。
ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。

定期会員券
発売開始日

年間会員券 7月18日(月・祝)11:00am
 [定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

シーズン会員券 10月19日(水)11:00am
 [定期会員先行発売日: 10月13日(木)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

※要登録/取り扱いはN響ガイドのみ

WEBセレクト3+

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になるチケットです。

WEBチケットN響のみでの発売となります

お問い合わせ・
お申し込み

N響ガイド TEL:03-5793-8161

WEBチケットN響

BROADCAST放送予定

NHK-FMNHK-FMN響演奏会
N響第1971回定期公演

2022年12月 3日(土) 6:00PM~ 8:15PM

曲目: ワーグナー/ウェーゼンドンクの5つの詩
ブルックナー/交響曲 第2番 ハ短調(初稿/1872年)

指揮:ファビオ・ルイージ

メゾ・ソプラノ:藤村実穂子

収録:2022年12月3日 NHKホール

主催:NHK / NHK交響楽団

※AプログラムはNHKホール改修工事の終了にともない、今シーズンより会場をNHKホールに戻して開催します
※A-2の開演時刻は2:00pmとさせていただきます

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