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[特集]音楽に真摯に向き合う巨匠、スラットキンのコープランド&ヴォーン・ウィリアムズ(2022年11月B・Cプログラム/大阪公演)

公演情報2022年10月18日

Unlimited Love for Music| 音楽に真摯に向き合う巨匠、スラットキンのコープランド&ヴォーン・ウィリアムズ


11月定期公演Cプログラム(11/18、19)Bプログラム(11/23、24)、そして大阪公演(11/26)で、アメリカの巨匠レナード・スラットキンとN響の共演が6年ぶりに実現します。スラットキンは得意とする2人の作曲家、コープランドとヴォーン・ウィリアムズの作品を携え登場。その聴きどころを音楽ジャーナリスト飯尾洋一さんの解説と、マエストロ・スラットキン自身のメッセージでひもときます。


Index


▼ Chapter 1
オーケストラを知り尽くすスラットキンが指揮するコープランド&ヴォーン・ウィリアムズの魅力


飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

▼ Chapter 2
マエストロ・メッセージ


スラットキン自身が動画で語るコープランド&ヴォーン・ウィリアムズ・プログラムのハイライト

▼ Chapter 3
11月Cプログラム演奏曲を見る!聴く!


コープランド《バレエ音楽「ロデオ」》から〈ホー・ダウン〉を視聴する

▼ Chapter 4
公演概要


日程・出演者・曲目




Chapter 1
オーケストラを知り尽くすスラットキンが指揮するコープランド&ヴォーン・ウィリアムズの魅力

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

この11月、アメリカの名指揮者レナード・スラットキンがN響に帰ってくる。2020年の来日がコロナ禍により中止になってしまったため、N響とは2016年以来の待望の共演となる。
スラットキンがN響に初登場したのは1984年のこと。その後、定期的に客演を重ね、N響との関係は38年もの長さに及ぶ。これだけの長期にわたって楽団から継続的に招かれる客演指揮者はまれだ。これもオーケストラからの信頼の厚さのあらわれだろう。

自然な語り口で作品の魅力を伝えるスラットキン


スラットキンはオーケストラを知り尽くした指揮者だ。父は指揮者でヴァイオリニスト、母はチェリストという音楽一家に生まれ、早くからアメリカ各地のオーケストラを指揮して、現場での経験を重ねてきた。彼の名が一躍日本も知られるようになったのは、セントルイス交響楽団音楽監督時代の快進撃がきっかけだ。当時、マイナー・オーケストラに思われていた楽団が、スラットキンの手腕により、シカゴ交響楽団に次ぐ全米第2位のオーケストラにランク付けされるようになったのだ。以後、スラットキンは卓越したオーケストラ・ビルダーとして名声を高めてゆく。
スラットキンはオーケストラから明瞭でのびやかなサウンドを引き出し、自然な語り口によって作品の魅力を伝える。常に作品本位の姿勢を貫く、音楽に真摯に向き合うタイプの指揮者だ。レパートリーは幅広く、特にアメリカ音楽やイギリス音楽には定評がある。今回の来日ではアメリカの作曲家コープランドをとりあげるプログラムと、イギリスの作曲家ヴォーン・ウィリアムズを中心とした2種類のプログラムが用意される。これこそがスラットキンの指揮で聴きたいプログラムではないだろうか。

アメリカの巨匠が振る、母国の文化に根差したコープランドの名作|Cプログラム


定期公演Cプログラム(11/18、19|NHKホール)で演奏されるのは、コープランドの《バレエ音楽「アパラチアの春」》全曲と《バレエ音楽「ロデオ」》全曲。いずれもアメリカ文化に深く根差した作品だ。《アパラチアの春》で題材となるのはアパラチア高原の村で営まれる開拓民の素朴な暮らし。農家の花婿と、見知らぬ土地に嫁いできた花嫁の若いふたりの門出が、明るく爽快な音楽で描かれる。特に〈シンプル・ギフト〉の名で知られる賛美歌を用いた変奏曲の部分が広く親しまれている。一方、《ロデオ》が扱うのは西部のカウボーイたちの世界。軽快で躍動感あふれる終曲〈ホー・ダウン〉が有名だ。

イギリス音楽の精華、ヴォーン・ウィリアムズの《交響曲第5番》|Bプログラム&大阪公演


定期公演Bプログラム(11/23、24|サントリーホール)と大阪公演(11/26|NHK大阪ホール)では、ヴォーン・ウィリアムズの《「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント》と《交響曲第5番》、メンデルスゾーンの《ヴァイオリン協奏曲》が演奏される。ヴォーン・ウィリアムズの両作品にはこの作曲家ならではイギリスの田園情緒があふれている。先頃行われたイギリスのエリザベス女王の葬儀では、式典に先立ってヴォーン・ウィリアムズの《交響曲第5番》より第3楽章がウェストミンスター寺院のオルガンで演奏されたという。まさにイギリスの音楽文化の精華というべき名曲である。

ヴァイオリンの新星の妙技を名器の音色で味わう|レイ・チェンについて


メンデルスゾーンの《ヴァイオリン協奏曲》では、台湾出身の気鋭レイ・チェンが独奏を務める。レイ・チェンはいち早くソーシャル・メディアを活用し、ファンとの結びつきを深めてきた新時代のスター。名器として知られるストラディヴァリウス「ドルフィン」を使って、清新なメンデルスゾーンを披露してくれることだろう。



Chapter 2
マエストロ・メッセージ

スラットキン自身が動画で語るコープランド&ヴォーン・ウィリアムズ・プログラムのハイライト
11月の来日を前に、スラットキン自身がこの2人の作曲家の魅力を自らの言葉で語りました。ぜひご覧ください。


Chapter 3
11月Cプログラム演奏曲を見る!聴く!

コープランド/バレエ音楽「ロデオ」―「ホー・ダウン」を視聴する

N響2022-23シーズン定期公演の聴きどころを特集してお送りした「N響ウェルカム・コンサート」(指揮:原田慶太楼)のライブ映像から、11月定期公演Cプログラムで演奏するコープランド《バレエ音楽「ロデオ」》の終曲〈ホー・ダウン〉をお届けします。(1:03:39から)


Chapter 4
N響11月定期公演、大阪公演 概要


11月定期公演Cプログラム
2022年11月18日(金)7:30pm19日(土)2:00pm
NHKホール
指揮:レナード・スラットキン
コープランド/バレエ音楽「アパラチアの春」(全曲)
コープランド/バレエ音楽「ロデオ」(全曲)
※休憩のない、60分~80分程度の公演となります。曲間に解説などが入る場合があります。
※開演前の室内楽:1日目は6:45pm、2日目は1:15pmよりN響メンバーによる室内楽のミニコンサートを行います(約15分)。

11月定期公演Bプログラム
2022年11月23日(水・祝)7:00pm24日(木)7:00pm
サントリーホール
指揮:レナード・スラットキン
ヴァイオリン:レイ・チェン
ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年
ヴォーン・ウィリアムズ/「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
ヴォーン・ウィリアムズ/交響曲 第5番 ニ長調
※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。

NHK交響楽団演奏会 大阪公演
2022年11月26日(土)4:00pm
NHK大阪ホール
指揮:レナード・スラットキン
ヴァイオリン:レイ・チェン
ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年
ヴォーン・ウィリアムズ/「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
ヴォーン・ウィリアムズ/交響曲 第5番 ニ長調
※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。

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