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定期公演 2022-2023シリーズBプログラム
第1970回 定期公演 Bプログラム

ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年

サントリーホール
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※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

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ABOUT THIS CONCERT特徴

「作曲家は同胞たちと共に生き、自らの芸術を共同体の生活全般の表現に変えていかなければならない」─彼はそう語った。今年10月に生誕150年を迎えたレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872〜1958)。彼は86年の生涯をイギリス社会における音楽の「再生(ルネサンス)」に捧げた。彼がその根幹に据えたのは、民衆が歌い継いできたイングランド各地の民謡だった。「私たちの言葉と私たちの歌は、新しい葉を生やし続ける古い樹木のようなものだ」─作曲家の後期の代表作を通して、彼の追い求めたイギリス音楽の理想に耳を傾けよう。(向井大策)

PROGRAM曲目

ヴォーン・ウィリアムズ/「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント

《「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント》は、1939年のニューヨーク万国博覧会のために作曲された。音楽による国際親善の代表として、すでにイギリスの作曲界の中心的な人物となっていた66歳の作曲者に白羽の矢が立ったのである。
《富める人とラザロ》は、新約聖書の金持ちと貧者ラザロの寓話を元にしたバラッド(物語歌)である。イングランド各地でさまざまなヴァリアントにより歌われていたことが、作曲者自身も含む民謡 蒐集(しゅうしゅう)家たちの手で記録されている。彼の人生の中で、この歌はとりわけ深い意味をもつものだった。それは、彼がこの旋律にイングランド人としての彼自身の心と響き合うものを感じていたからだ。まだ20代半ばのころ、ブロードウッドとフラー・メイトランドが編纂(へんさん)した民謡集に、この旋律を偶然見つけた時のことを彼はこう回想している─「初めて通して弾いた時、これが、私たちが皆、待ち望んでいたものであることを悟った。同時に、それはすでに知っているものでもあった。知ってさえいれば、身近にあるものだった。全く新しく、それでいて完全になじみのあるものだった」。
ヴァリアントとは、同じ民謡のうち、歌詞や旋律に異同のあるものを指す用語である。作曲者はスコアに、「これらのヴァリアントは伝統的な旋律の正確な複製(レプリカ)ではなく、むしろ私自身や他の人が蒐集したヴァージョンの回想である」と記している。作曲家は年老いた民謡歌手と同じように、古い記憶から自らのヴァリアントを紡ぎ出していったのだ。
本作では短い序奏と主題のあと、5つのヴァリアントが続く。元の旋律が4拍子でゆったりと歌われるのに対して、ヴァリアントでは生き生きとした3拍子や2拍子となり、性格やテクスチュアも多彩に変化する。限られた音色の扱いも巧みである。弦楽合奏は印象派風に繊細に細分化され、いくつもの対旋律が蔦(つた)のように絡み合う。ハープはエオリア旋法の古風な響きに彩りを添えていく。最後のヴァリアントにたどり着くと、音楽は再びゆったりとした流れの中に回帰し、序奏の和音を幻想的に回想しながら閉じられる。

(向井大策)

演奏時間:約11分
作曲年代:1939年
初演:1939年6月10日、エードリアン・ボールト指揮、ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64

19世紀、ドイツ・ロマン派の作曲家たちが器楽の領域で志向したのは、すでに確立した形式をいかにロマン的な詩情にふさわしい媒体に変容させるか、そして楽曲全体を有機的な統一という理想へとどのように近づけるかということだった。
「ホ短調の協奏曲が頭の中を流れていて、その開始部に私の心が休まることはありません」─1838年、友人のヴァイオリニスト、フェルディナント・ダーヴィトに宛てた手紙の中で、フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ(1809〜1847)はヴァイオリン協奏曲の構想を打ち明けている。しかし、実際に本作が完成するのは、その6年後、1844年のことだった。書き上げたスコアを前に、彼は逡巡(しゅんじゅん)する。ダーヴィトに再び手紙を送り、カデンツァや管弦楽とのバランスなど、専門的な助言を請うた。入念な修正が施され、1845年3月、ダーヴィトの独奏で本作は初演された。
本作で最も印象的なのは、先の手紙でも言及されていた開始部だろう。ソナタ形式の第1楽章では、管弦楽の導入部を廃し、シンプルな伴奏に乗って、独奏ヴァイオリンが直接、叙情的な主要主題を奏で始める。これは敬愛するモーツァルトへのオマージュでもあった。カデンツァの扱いも独創的だ。終結部ではなく、展開部と再現部の間に配置され、カデンツァを締めくくる独奏ヴァイオリンの分散和音を伴奏に、今度は管弦楽が主要主題を受けもつ。実に洗練された形で、両者の有機的な統合が図られているのだ。
3つの楽章が全て切れ目なく連続しているのも、有機的な統一を図るためのもうひとつの工夫である。第1楽章最後のファゴットのロ音から数小節のうちに、3度下のハ長調へと幻想的に転調し、6/8拍子のロマンス風の第2楽章が始まる。第3楽章も独奏ヴァイオリンの情熱的な連結部によって、前の楽章となめらかに接続される。ロンド・ソナタ形式による主部の開始を告げるのは、管楽器のファンファーレだ。軽やかに飛び回る独奏ヴァイオリンに導かれながら、《夏の夜の夢》の音楽を思わせる晴れやかな大団円を迎える。

(向井大策)

演奏時間:約30分
作曲年代:1838〜1844年
初演:1845年3月13日、フェルディナント・ダーヴィト独奏、ニルス・ゲーゼ指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

ヴォーン・ウィリアムズ/交響曲 第5番 ニ長調

「この狂気が終わった時、私たちが何のために仕事をしなければならないのかを示してくれている」─作曲家の盟友でもあった指揮者のエードリアン・ボールトは、本作の初演を聴き、その感想を作曲家に宛てた手紙にこう綴(つづ)った。作品は1938年から1943年にかけて書かれ、その初演は戦時下にあったイギリスの人々に大きな感銘を与えた。
本作を貫くのは、調和と古典的な明晰(めいせき)さだ。それは、激しく暴力的な曲想で人々に衝撃を与えた10年前の《第4番》(1931〜1934)とは対照的なものだった。彼自身も認めていたように、その変化は年齢によるものだったのかもしれない。しかし、40歳近く歳の離れたアーシュラ・ウッドとの恋愛や、さまざまな社会活動に熱心に取り組むなど、彼は戦時下を精力的に生きた。1943年に作品がようやく完成した時、彼は70歳になっていた。
作曲にあたって、彼は主に2つの別の作品から素材を転用している。1938年の《野外劇「イングランドの素晴らしき大地に」》と、長年構想を温めていたジョン・バニヤンの寓意物語による《歌劇「天路歴程」》(1951年完成)である。原風景としての田園のイメージや敬虔(けいけん)な宗教性と結びついたこれらの素材が融合し、作品全体の構想は固まった。
静寂の中にホルンの動機がこだまし、第1楽章〈前奏曲〉は始まる。ニ長調という指定は暫定的なものでしかない。低弦によるハ音の保続音によってミクソリディア旋法の独特な陰影が印象づけられるのも束の間、調は精緻な設計のもと揺れ動く。3部形式の中に主題の交替と転調がもたらす繊細な色彩の変化こそ、この美しい楽章のエッセンスと言っていい。「神秘的に」と指示された第2楽章〈スケルツォ〉では、精妙に楽器の音色を配置しながら、冒頭の五音音階の動機を背景に、個性の異なるいくつもの主題が軽やかに展開する。瞑想(めいそう)的な雰囲気の第3楽章〈ロマンス〉は、全曲の精神的な核とも言える楽章である。冒頭のイングリッシュ・ホルンの独奏は、歌劇《天路歴程》の第1幕第2場(主人公が「麗しの家」にたどり着く場面)の音楽に基づき、この旋律を軸に複数の主題が交替しながら情熱的な高まりを見せる。第4楽章〈パッサカリア〉は、低弦が提示する主題の反復に基づく古典的な変奏曲形式による。主題の扱い方は柔軟性に富み、多様な性格のいくつもの変奏が自由に飛躍する。終結部では、その到達点としてホルンの動機とともに第1楽章の冒頭が回想される。こうして楽曲全体のサイクルが完結すると、パッサカリアの主題を振り返りながら、音楽は静寂の中へと帰っていく。

(向井大策)

演奏時間:約39分
作曲年代:1938〜1943年
初演:1943年6月24日、プロムナード・コンサートにて、作曲者自身の指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団


[アンコール曲]
11/23:パガニーニ/24の奇想曲 作品1-第21曲 イ長調
11/24:オーストラリア民謡(レイ・チェン編)/ワルチング・マチルダ
(ヴァイオリン/レイ・チェン)

ARTISTS出演者

レナード・スラットキンさんの画像 指揮レナード・スラットキン

世界的な名指揮者レナード・スラットキンは1944年ロサンゼルス生まれ、父は高名な指揮者・ヴァイオリニストで、ハリウッド弦楽四重奏団の創設者であるフェリックス・スラットキン、母もこの四重奏団のチェロ奏者という音楽一家の家庭に育った。指揮はジュリアード音楽院でジャン・ポール・モレルに師事している。1979年から1996年までセントルイス交響楽団の音楽監督を務め、楽団の演奏レベルを大きく向上させるとともに多くのレコーディングを行なった。1996年から2008年まではワシントン・ナショナル交響楽団の音楽監督として活動、2000年から2004年にはBBC交響楽団の首席指揮者も兼任している。2008年にデトロイト交響楽団の音楽監督に就任、10年間にわたって楽団の発展に貢献し(現在は桂冠音楽監督)、また2011年から2017年にはリヨン国立管弦楽団音楽監督としても大きな業績を残した(現在は名誉音楽監督)。世界各地の名門オケへの客演も多く、N響とも1984年の初共演以来ほぼ数年おきに客演して深い信頼関係を築いている。
スラットキンの生み出す音楽は明朗でダイナミックな広がりと細部の綿密さを併せ持つが、今回もそうした美質が彼の十八番(おはこ)であるヴォーン・ウィリアムズやコープランドの作品で十二分に発揮されるだろう。日本では演奏機会が少ないこれらの作品の真価を知らしめる定期公演となるに違いない。

[寺西基之/音楽評論家]

レイ・チェンさんの画像 ヴァイオリンレイ・チェン

台湾で生まれ、オーストラリアで育ったレイ・チェンは、15歳のとき、カーティス音楽院(アメリカ、フィラデルフィア)に入学を許され、同音楽院でアーロン・ローザンドに師事した。2008年のユーディ・メニューイン国際コンクール、2009年のエリザベート王妃国際コンクールに優勝し、世界的な注目を集めることになった。ヨーロッパの有力な音楽雑誌である『ストラッド』と『グラモフォン』両誌に「注目すべきアーティスト」として紹介され、経済雑誌である『フォーブス』誌では「最も影響力のある30歳未満のアジア人30人」に選ばれたこともある。国際コンクール優勝後、ロンドン交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニックなどの世界的オーケストラと、またリッカルド・シャイー、ウラディーミル・ユロフスキ、サカリ・オラモなどの指揮者と共演を重ねている。
現在は日本音楽財団から貸与された1714年製ストラディヴァリウス「ドルフィン」を使用している。

[片桐卓也/音楽評論家]

MOVIEムービー

【マエストロ・メッセージ】レナード・スラットキン/11月N響定期公演B・Cプログラム

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TICKETチケット

定期公演 2022-2023シリーズ
Bプログラム

第1970回 定期公演 Bプログラム

サントリーホール
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座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2022年8月4日(木)11:00am
定期会員について

一般発売日:2022年8月7日(日)11:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席
一般 8,900円 7,400円 5,800円 4,700円 3,700円
ユースチケット 4,000円 3,500円 2,800円 2,100円 1,500円

ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※この公演のお取り扱いは、WEBチケットN響およびN響ガイドのみです。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。

定期会員券
発売開始日

年間会員券 7月18日(月・祝)11:00am
[定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

※要登録/取り扱いはN響ガイドのみ

WEBセレクト3+

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になるチケットです。

WEBチケットN響のみでの発売となります

お問い合わせ・
お申し込み

N響ガイド TEL:03-5793-8161

WEBチケットN響

BROADCAST放送予定

EテレEテレクラシック音楽館
「第1970回 定期公演 Bプログラム」

2023年1月22日(日) 9:00PM~11:00PM

曲目: ヴォーン・ウィリアムズ/「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
ヴォーン・ウィリアムズ/交響曲 第5番 ニ長調

指揮:レナード・スラットキン

ヴァイオリン:レイ・チェン

収録:2022年11月23日 サントリーホール

配信でもご覧いただけます

NHKオンデマンド

※動画配信サービス(有料)/配信期限有り

NHKプラス

※同時配信サービス・登録制/放送後から7日間見逃し番組配信も行われます

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