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定期公演 2022-2023シリーズCプログラム
第1969回 定期公演 Cプログラム

※休憩のない、60分~80分程度の公演となります。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

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ABOUT THIS CONCERT特徴

アーロン・コープランド(1900〜1990)の作品には、左翼のプロパガンダ作品から晩年の十二音音楽までにいたる、さまざまな貌(かお)がある。しかし、その真骨頂はカラフルな管弦楽曲にあろう。とりわけ《ロデオ》と《アパラチアの春》は、アメリカそのものを主題にした点においても、彼の創作全体を代表する人気曲。この2曲がいずれも第2次世界大戦中に書かれたのは、おそらく偶然ではない。以下に記すように、戦争という状況と作曲家の成熟が重なった結果として、これらの果実が産みだされたように思えるのである。(沼野雄司)

PROGRAM曲目

コープランド/バレエ音楽「アパラチアの春」(全曲)

モダン・ダンスの創始者マーサ・グレアムのために、戦争末期の1944年に書かれたバレエ曲である(グレアム自身が踊っている舞台を、YouTubeで観ることができる)。作曲者によれば、ここで描かれているのは19世紀初頭のペンシルヴェニアで若い夫婦が農家を新築した際の風景だという。
なによりこの曲を有名にしているのは、後半部であらわれるシェイカー教徒の聖歌《シンプル・ギフト》の存在だが(聖歌の作曲はエルダー・ブラケット)、都市文明から背を向け、自給自足に近いかたちで宗教生活を送るシェイカー教徒の生活は、戦時中のアメリカ人にとっては国の原点を思い起こさせるものだったろう。いわば、大恐慌と戦争という経験を経たからこそ「つつましくあることが神からの贈り物である」というメッセージが人々に共感をもって受け入れられることになったわけだ。ちなみにバレエ初演の舞台美術を務めたのは日系彫刻家のイサム・ノグチで、制作にあたってはシェイカー教徒の手作り家具が大いに参考になったという。
オリジナルのバレエ版は13人の奏者のために書かれていたが、その後、オーケストラによる組曲版が1945年に、さらにオーケストラによるバレエ全曲版が1954年に作成された。本日演奏されるのは、この全曲版である。
全体は7つの部分から構成されているが、継ぎ目はない。
まず、曲は弦楽器の作る靄(もや)のなか、遠いエコーのように響くクラリネットの呼びかけで始まる。こんなに新鮮で清らかな音楽もめずらしい。やがて木琴を伴った鋭い響きがアレグロ部の開始を告げる。一気に華やかな気分が溢(あふ)れだすが、なにより弦楽器による細かい上下行の間を、金管楽器がポリリズミックに行進する部分の音響アイデアが秀逸だ(ある意味でアイヴズ的)。
ここから3つの踊りが続く。まず、音楽がモデラートに転じ、木管の細かいパッセージが重なりだすと、どこか不器用で垢(あか)ぬけない、新郎新婦の素朴なダンスの始まり。ここは間奏曲的な部分でもあるが、突然に弦楽器が深刻な響きを奏でたりするので気が抜けない。続いて、オーボエとフルートが導入するのは、男女が組になって踊る、スクエア・ダンス。途中では、肩すかしのような変拍子も待ち受けている。そして音楽が、さらにテンポをあげると、花嫁ひとりによるダンスの開始。全体はきわめて活発な雰囲気ではあるのだが、時に複雑に揺れ動く音の表情からは、結婚への畏れと決意が透けてみえよう。
これらのダンスに続くのが、終曲へのブリッジといえる穏やかなしらべ。全曲の冒頭がゆるやかに回想されながら、音楽がしずかに歩みを止めてゆく。ここまでがおよそ20分程度だろうか。
そして一瞬の静寂のなか、ついにクラリネットではっきりと、シェイカー教徒の聖歌《シンプル・ギフト》の旋律が示される。子どもの童歌のようでありながらも滋味あふれる、不思議な旋律だ。ひとしきり提示がおわると、5つの変奏の開始。ここから10分ほどのあいだ見られる展開手法、多層的なオーケストレーション、そして微妙な和声の移ろいには、作曲家コープランドの力量のすべてが投入されており、聴きごたえは抜群。
音楽は最後に、ひそやかなコーダに到達する。そしてコラールのような祈りが幾重にも重なってゆくなか、聴いている我々にも、つつましい幸福が訪れることになるのである。

(沼野雄司)

演奏時間:約38分
作曲年代:1944年
初演:1944年10月30日、ワシントンDCの議会図書館にて、L. ホースト指揮による

コープランド/バレエ音楽「ロデオ」(全曲)

《春の祭典》に代表される斬新(ざんしん)なバレエ作品でヨーロッパを席捲(せっけん)したバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)は、主宰者ディアギレフの死とともに、その歴史を閉じる。ほどなくして後継団体が設立されるも、活動方針をめぐって分裂。このうち、フランス人振付家のルネ・ブルムを中心にした一群は「バレエ・リュス・ド・モンテカルロ」の名を名のることになった。
この団体は、アメリカを主な公演地としていたために「アメリカ人作曲家による、アメリカを題材にした、アメリカのバレエ」を当初から求めていたという。とりわけ1941年にアメリカが大戦に参戦すると、国内のナショナリズムの高揚はすさまじいものとなったから、この波に乗らない手はなかったはずだ。
1942年、《バレエ「ビリー・ザ・キッド」》を観て気に入った振付師アグネス・デ・ミルは、コープランドに、新作バレエのための委嘱を行なう。かくして作曲家は、さまざまなアメリカの民謡素材を投入しながら、期待に応えて「アメリカ的な」バレエ音楽を完成させることになったのだった。
バレエの筋書きはごく単純で、ロデオの得意なカウボーイに夢中になったヒロインが、あの手この手で気を引こうとするがうまく行かず、最後には他の男と一緒になるというもの。
この曲は、4曲からなる組曲版で演奏されることが多いが、本日は全曲版での演奏。もっとも、「全曲」といっても5曲しかないので、大きな差異といえるのは第3曲〈宿舎でのパーティ〉の有無ということになる(また、組曲版は、主にオーケストレーションの細部をコンパクトにまとめている)。
第1曲〈カウボーイの休日〉は、冒頭から金管の咆哮(ほうこう)が耳を楽しませるが、スコアを見て驚くのは、多彩なリズムの変化が随所で感じられるにも関わらず、ほぼ2/2拍子のみで記譜されていること(わずかに2箇所、計2小節だけ3拍子が用いられている)。中間部ではファゴットとホルンの伴奏の上で「ユーモアを持って」と記されたトロンボーンのソロ、続いてトランペットのソロが現れる。第2曲〈牛小屋のノクターン〉は、緩徐楽章の役割。弦楽器の透明な響き、隠し味のように寄り添うチェレスタが絶妙だ。組曲版では省かれた第3曲〈宿舎でのパーティ〉では、冒頭から、微妙に調律を狂わせた酒場風のピアノである、ホンキー・トンク・ピアノが大活躍するが、そこにオーケストラが重ねあわされるときの立体感は、これもまたアイヴズ的ともいえる前衛的な効果。第4曲〈土曜の夜のワルツ〉はフィドル(民俗音楽などで使用されるヴァイオリンのこと)を思わせるノン・レガートの弦楽器群を背景にして、オーボエのどこか懐かしい旋律があらわれる。そして、やはりさまざまな民謡が引用される第5曲〈ホー・ダウン〉では、一気に全管弦楽が稼働して、酒を飲んだカウボーイたちの馬鹿騒ぎがダイナミックに描きだされて全曲を閉じる。

(沼野雄司)

演奏時間:約25分
作曲年代:1942年
初演:1942年10月16日メトロポリタン歌劇場、フランツ・アラース指揮による

ARTISTS出演者

レナード・スラットキンさんの画像 指揮レナード・スラットキン

世界的な名指揮者レナード・スラットキンは1944年ロサンゼルス生まれ、父は高名な指揮者・ヴァイオリニストで、ハリウッド弦楽四重奏団の創設者であるフェリックス・スラットキン、母もこの四重奏団のチェロ奏者という音楽一家の家庭に育った。指揮はジュリアード音楽院でジャン・ポール・モレルに師事している。1979年から1996年までセントルイス交響楽団の音楽監督を務め、楽団の演奏レベルを大きく向上させるとともに多くのレコーディングを行なった。1996年から2008年まではワシントン・ナショナル交響楽団の音楽監督として活動、2000年から2004年にはBBC交響楽団の首席指揮者も兼任している。2008年にデトロイト交響楽団の音楽監督に就任、10年間にわたって楽団の発展に貢献し(現在は桂冠音楽監督)、また2011年から2017年にはリヨン国立管弦楽団音楽監督としても大きな業績を残した(現在は名誉音楽監督)。世界各地の名門オケへの客演も多く、N響とも1984年の初共演以来ほぼ数年おきに客演して深い信頼関係を築いている。
スラットキンの生み出す音楽は明朗でダイナミックな広がりと細部の綿密さを併せ持つが、今回もそうした美質が彼の十八番(おはこ)であるヴォーン・ウィリアムズやコープランドの作品で十二分に発揮されるだろう。日本では演奏機会が少ないこれらの作品の真価を知らしめる定期公演となるに違いない。

[寺西基之/音楽評論家]

PRE-CONCERT CHAMBER MUSIC PERFORMANCE開演前の室内楽

開演前の室内楽

曲目:アイヴズ/スケルツォ
バーバー/弦楽四重奏曲 作品11─第2楽章「モルト・アダージョ」

出演者

出演者の画像
ヴァイオリン
郷古 廉
出演者の画像
ヴァイオリン
後藤 康
出演者の画像
ヴィオラ
村上淳一郎
出演者の画像
チェロ
山内俊輔

MOVIEムービー

【マエストロ・メッセージ】レナード・スラットキン/11月N響定期公演B・Cプログラム

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TICKETチケット

定期公演 2022-2023シリーズ
Cプログラム

第1969回 定期公演
Cプログラム

NHKホール
Googleマップ
座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2022年8月4日(木)11:00am
定期会員について

一般発売日:2022年8月7日(日)11:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席 E席
一般 7,400円 6,500円 5,200円 4,200円 3,200円 1,600円
ユースチケット 3,500円 3,000円 2,400円 1,900円 1,400円 800円

※価格は税込です。
ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。

定期会員券
発売開始日

年間会員券/シーズン会員券 7月18日(月・祝)11:00am
[定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

※要登録/取り扱いはN響ガイドのみ

WEBセレクト3+

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になるチケットです。

WEBチケットN響のみでの発売となります

お問い合わせ・
お申し込み

N響ガイド TEL:03-5793-8161

WEBチケットN響

BROADCAST放送予定

NHK-FMNHK-FMベスト オブ クラシック
「第1969回 定期公演 Cプログラム」

2022年11月18日(金) 7:30PM~ 9:10PM

曲目: コープランド/バレエ音楽「アパラチアの春」(全曲)
コープランド/バレエ音楽「ロデオ」(全曲)

指揮:レナード・スラットキン

収録:2022年11月18日 NHKホール

主催:NHK / NHK交響楽団

※CプログラムはNHKホール改修工事の終了にともない、今シーズンより会場をNHKホールに戻して開催します
※C-1の開演時刻は7:30pmとさせていただきます

終演時のカーテンコールの撮影について

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