※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
ABOUT THIS CONCERT特徴
2026年11月Bプログラム 聴きどころ
ロシアの生んだ最高に美しい名曲2曲が聴ける演奏会だ。2019年チャイコフスキー国際コンクールの覇者で、今やフランスを代表するピアニストとなったアレクサンドル・カントロフを迎えてのラフマニノフの《ピアノ協奏曲第2番》、そして目下世界で大活躍のマエストロ、ソヒエフ自身によるチャイコフスキー《くるみ割り人形》のセレクションと来れば、これ以上何が望めるだろうか。ロシア音楽ファンならずとも見逃せない豪華なプログラムだ。
(増田良介)
PROGRAM曲目
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)は、優れた作曲家であると同時に、世界最高のピアニストのひとりでもあった。美しい旋律と華麗な技巧で知られる《ピアノ協奏曲第2番》は、彼の代表作だ。
この曲を作曲する前、ラフマニノフは極度のスランプ状態にあった。1897年3月、心血を注いだ《交響曲第1番》の初演が大失敗に終わったために、自信を失ってしまっていたのだ。しかし、友人の紹介で精神科医のニコライ・ダール博士の催眠療法を受けたラフマニノフは新しいピアノ協奏曲を書き始め、1901年春、ついに全曲を完成する。その年の秋に行われた初演は大成功を収め、ラフマニノフは自信を取り戻した。彼はこの作品を、恩人ダール博士に献呈した。
全曲は、協奏曲の標準的な形式に従い、3つの楽章からなる。各楽章にはそれぞれ短い序奏があるが、第1楽章は序奏がヘ短調で主部がハ短調、第2楽章はハ短調からホ長調、第3楽章はホ長調からハ短調というように、序奏と主部の調性がそれぞれ違うことが、この曲のひとつの特徴となっている。また、第2楽章と第3楽章の序奏は、それぞれ前の楽章の調性で書かれており、楽章間の移行をスムーズにする役割を担っている。
第1楽章 モデラート。ピアノによる和音の連打が高まっていくと、ピアノの分散和音を伴奏として、弦とクラリネットが情熱的な第1主題を演奏する。ピアノの歌う第2主題は長調の甘美な旋律だ。再現部では、第1主題が決然とした行進曲風に変わり、第2主題はホルンが吹く。
第2楽章 アダージョ・ソステヌート。ピアノの分散和音に乗せてフルートが吹く主題は夢見るように美しい。中間部ではテンポが速まり、ピアノがめまぐるしく動きだす。遅い楽章の途中に急速な部分をはさむのは、ラフマニノフの愛用した手法だ。
第3楽章 アレグロ・スケルツァンド。序奏に続き、スケルツォ的な第1主題が登場する。ヴィオラとオーボエの歌う第2主題は、ラフマニノフの作品で最もよく知られた名旋律だろう。楽章全体は、この2つの主題による自由な変奏曲形式と見ることができる。
(増田良介)
演奏時間:約34分
作曲年代:1900~1901年
初演:1901年11月9日(旧ロシア暦10月27日)、作曲者自身のピアノ独奏、アレクサンドル・ジロティ指揮
チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71(ソヒエフ・セレクション)
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840~1893)のバレエ音楽《くるみ割り人形》は、3曲ある彼のバレエのうち最後の作品だ。原作は、ドイツの作家E. T. A. ホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』だが、物語は大幅に単純化されている。
あらすじは次のようなものだ。少女クララがクリスマス・プレゼントにくるみ割り人形をもらう。夜、人形はネズミたちに襲われるが、クララの助力もあり撃退する。クララはお礼にくるみ割り人形から姿を変えた王子から、夢の中でお菓子の国に招かれる。
演奏会では、作曲者自身が作った組曲が取り上げられることが多いが、本日は、ソヒエフ自身の選曲で、全曲の冒頭に置かれた〈序曲〉と、お菓子の国の場面である第2幕のほとんどが演奏される。なお、このバレエに登場する「こんぺい糖」は、本来はドラジェという、アーモンドなどを糖衣でくるんだ別の菓子なのだが、日本ではなじみが薄いため、昔からこんぺい糖と訳されている。
〈序曲〉 展開部のないソナタ形式をとる。
[第2幕より]
第10曲〈情景(砂糖の山の魔法の城で)〉 最初にひろびろとした旋律が現れるが、これが木管の上行音型とともに変奏されるところで、お菓子の都の宮殿が姿を現す。曲の終わり近くではこんぺい糖の精がお供とともに登場する。
第11曲〈情景(クララと王子)〉 クララと王子(くるみ割り人形)が登場する。王子は、ネズミたちとの戦いでクララがどのように彼を助けたかを皆に語る。宮廷はクララを讃(たた)える。この曲の冒頭では、3本のフルートによるフラッター・タンギング(トゥルルルというように舌を震わせる)という奏法が使われている。
第12曲〈喜遊曲〉
a)〈チョコレート(スペインの踊り)〉 トランペット独奏で始まる。ボレロのリズムが使われている。
b)〈コーヒー(アラビアの踊り)〉 東洋風の舞曲だが、旋律はジョージアの子守歌を用いている。
c)〈お茶(中国の踊り)〉 フルートの上行音階が耳に残るユーモラスな舞曲。
d)〈トレパーク(ロシアの踊り)〉 ロシアやウクライナの民族舞曲。大麦糖(ねじり棒のようなキャンディ)、または人型のパン菓子と結びつけられることもある。
e)〈あし笛の踊り〉 フランス語で「あし笛」を意味するミルリトン(mirliton)は、パイ生地にアーモンドクリームを詰めて焼いた焼菓子の名前でもある。
f)〈ジゴーニュおばさんとピエロ〉 靴に住むおばさんと子供たちの踊り。フランスの民謡の旋律が用いられている。
第13曲〈花のワルツ〉 こんぺい糖の精の侍女たちが踊るワルツ。
第14曲〈パ・ド・ドゥー〉
〈ヴァリアシオン(第2)こんぺい糖の精の踊り〉 〈パ・ド・ドゥー〉の第3曲。数年前に発明されたばかりだったチェレスタが使われている。
〈序奏〉 4曲からなる〈パ・ド・ドゥー〉の第1曲。
(増田良介)
演奏時間:約38分
作曲年代:1891年2月から翌年4月
初演:1892年12月18日(旧ロシア暦12月6日)、サンクトペテルブルク、マリインスキー劇場、リッカルド・ドゥリゴ指揮、レフ・イヴァノフ振り付け、スタニスラヴァ・ベリンスカヤ(クララ)、アントニエッタ・デレラ(こんぺい糖の精)、セルゲイ・レガート(くるみ割り人形)ほか
ARTISTS出演者
指揮トゥガン・ソヒエフ
1977年、旧ソビエト連邦・北オセチアのウラジカフカス生まれ。サンクトペテルブルク音楽院でイリヤ・ムーシンに師事、ユーリ・テルミカーノフにも学んだ。20代前半から頭角を現し、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、ボリショイ劇場等の首席指揮者や音楽監督を歴任。オペラとオーケストラ両分野で目覚ましい活躍をみせる。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団など世界の名だたるオーケストラに客演を続け、2026–27シーズンからスイス・ロマンド管弦楽団の首席指揮者・アーティスティック・アドバイザーに就任。また、2027年元旦恒例のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートを指揮することが発表されている。
NHK交響楽団とは、2008年以来、定期的に共演を重ね、2023年から毎年客演し、厚い信頼関係を築いてきた。11月A・Bプログラムは、ソヒエフがその伝統を継承するロシアのレパートリー。Aプログラムは戦時下ロシアにおけるショスタコーヴィチの苦悩を、Bプログラムはチャイコフスキーとラフマニノフのロマンティシズムと洗練を、オーケストラを細部まで緻密にコントロールしながら描き出す。Cプログラムは、近年N響と取り組み始めているベートーヴェンの交響曲。ゆるぎない指揮が構築性と旋律美を際立たせた充実の演奏となるだろう。
[柴辻純子/音楽評論家]
ピアノアレクサンドル・カントロフ
アレクサンドル・カントロフは1997年生まれで、現在29歳。2019年にモスクワで行われたチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門で優勝、さらに史上4人目のグランプリも合わせて受賞した。
フランク・ブラレイやレナ・シェレシェフスカヤらに師事。早くからライジング・スターとして注目され、10代半ばからヨーロッパの主要舞台で活躍している。2024年に権威あるギルモア・アーティスト賞をフランス人として初受賞、さらにフランス共和国大統領より国家功労勲章シュヴァリエの称号を授与。同年のパリ・オリンピックで演奏を披露するなど、20代ですでに名実ともにフランスを代表する音楽家となっている。
初来日は17歳。来日するたびに鮮やかな成熟ぶりを示し、多くの音楽ファンを虜にしてきた。音楽を通して自身の解釈を雄弁に語り、濃密で深淵(しんえん)な音の世界を繰り広げる。冷静な眼差しと燃え立つようなパッションを兼ね備えたカントロフのパフォーマンスは、名ヴァイオリン奏者の父ジャン・ジャック・カントロフを想起させる。
N響とはこの公演が初共演となる。ロシアにルーツを持つカントロフが、ラフマニノフの不朽の名作をどのように聴かせてくれるだろうか。
[道下京子/音楽評論]
料金
| S席 | A席 | B席 | C席 | D席 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般 | 12,000円 | 10,000円 | 8,000円 | 6,500円 | 5,500円 |
| ユースチケット | 6,000円 | 5,000円 | 4,000円 | 3,250円 | 2,750円 |
※価格は税込です。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※この公演のお取り扱いは、WEBチケットN響およびN響ガイドのみです。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
ユースチケット
29歳以下の方へのお得なチケットです。
(要登録)
定期会員券
発売開始日
年間会員券
2026年7月12日(日)10:00am
[定期会員先行発売日: 2026年7月5日(日)10:00am]



