※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
ABOUT THIS CONCERT特徴
2026年9月Bプログラム 聴きどころ
本プログラムではいわゆる「ドイツ・ロマン派」に属す3人の作曲家が取り上げられる。最も古い世代のウェーバーはベートーヴェンの時代を生きたが、この「巨人」を意識しないで創作することはすでに不可能であっただろう。いわんや、シューマン、ブラームスにおいてをや。彼らは「巨人」の足跡と自らのそれが比較されることを覚悟しつつ、個性的、独創的たらんと奮闘してきた。その奮闘はもちろん彼らの天才によって大きな花を咲かせたのである。
(安田和信)
PROGRAM曲目
ウェーバー/歌劇「オベロン」序曲
《オベロン》はカール・マリア・フォン・ウェーバー(1786~1826)の、結果的に最後となった歌劇。1824年の夏、ロンドンのコヴェントガーデン劇場からの依頼を受け、翌年から作曲にとりかかった。彼にとって英語台本への付曲は不慣れだったが、病魔と戦いながら仕事に追われていた身でも英語の特訓をして創作に勤(いそ)しんだ。ロンドン初演は成功を収めたが、その数か月後、作曲者はこの世を去っている。
ドイツ古典主義の作家クリストフ・マルティン・ヴィーラントの原作はシェークスピアの『夏の夜の夢』などに基づく(英語台本はジェームズ・ロビンソン・プランシェ)。妖精の王オベロンは男女のどちらが浮気者かという問題で妻のティタニアと喧嘩(けんか)となるが、王の従者が見出してきた騎士ヒュオンとその恋人レジアが困難を乗り越えて結ばれることでオベロンたちは仲直りをする、という物語である。序曲はニ長調、導入部付き(4/4拍子、アダージョ・ソステヌート)のソナタ形式によるが、オペラ本体からの引用が散りばめられている。例えば物語の舞台である中世の異国へ誘うような冒頭のホルンは歌劇の中で魔法の角笛を象徴する音型。導入部の音楽も活用される主部(4/4拍子、アレグロ・コン・フオーコ)は細やかに上行する動機を中心とした主要主題と、静謐(せいひつ)なカンタービレから躍動的な旋律へ切り替わる副次主題を軸に展開する。短縮された再現部では副次主題の躍動的な後半がクローズアップされ、大団円を迎える。
(安田和信)
演奏時間:約10分
作曲年代:1825年1月23日~1826年4月11日。ドレスデンおよびロンドン
初演:1826年4月12日、ロンドン・コヴェントガーデン劇場
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
オーストリア中南部の湖ヴェルターゼー北岸の避暑地ペルチャッハ。ヨハネス・ブラームス(1833~1897)は1878年の夏、この地で初めてヴァイオリン協奏曲の構想を持ったことを、友人のヴァイオリン奏者ヨーゼフ・ヨアヒムに宛てた書簡で打ち明けたが、クララ・シューマンは、ブラームスとヨアヒムがその年の9月末にハンブルクで第1楽章を演奏したのをすでに目撃している。その後、4楽章構成という当初の構成を放棄した上で、年末に両者は初演に向けたリハーサルを重ねた。翌年の元日に行われた初演以降、1879年10月の初版出版まで改訂を続けている。初演以来、現在に至るまでレパートリーとして生き残り続ける類まれなヴァイオリン協奏曲のひとつとなったのである。
先述したように、ブラームスは最終的に協奏曲の伝統を守り、3楽章構成とした。初演者ヨアヒムはブラームスに献呈した自身の《ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調》作品11(1861年初版)の冒頭に、こちらも伝統に従って管弦楽のみの提示部を置いたが、ブラームスの第1楽章(3/4拍子、アレグロ・ノン・トロッポ)も同様である。しかし、落ち着いた性格の主要主題に始まった提示部には暗雲が立ち込め、ニ短調の奈落へ落とされ、そのまま独奏ヴァイオリンの登場へ移行するプロセスは斬新としか言いようがない。紆余(うよ)曲折はあれど、ニ長調の大団円を迎えた第1楽章のあと、第2楽章(2/4拍子、アダージョ)は2声のファゴットによる「ファとラ」の響きで始まるため、「レファラ」を主和音とするニ短調の楽章と錯覚させるが、すぐにホルンが「ド」を響かせ、「ファラド」を主和音とするヘ長調という、ニ長調からは遠い世界におけるカンタービレへ。第3楽章(2/4拍子、アレグロ・ジョコーソ、マ・ノン・トロッポ・ヴィヴァーチェ)はロンド形式に基づく楽章。独奏ヴァイオリンを主役に据えて始まる主要主題は、第1楽章の冒頭と同様にニ長調主和音の「レファ♯ラ」に混じって「シ」も現れるため、両楽章間の関連性を強く示唆するだろう。
(安田和信)
演奏時間:約40分
作曲年代:1878年8月~12月(初版出版のために1879年6月まで改訂)
初演:1879年1月1日、ライプツィヒ、ゲヴァントハウス、J. ヨアヒム独奏、作曲者自身の指揮
シューマン/交響曲 第4番 ニ短調 作品120(改訂版)
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン以降のドイツ語圏の作曲家として、ローベルト・シューマン(1810~1856)も交響曲創作に強い意欲を示し、1830年頃からスケッチなどを試みている。しかしのちのブラームスほどではないにせよ、なかなか完成・発表には至らなかった。作品37までの出版作品はピアノ曲か歌曲にとどまっていたが、最初の成果は1841年に突然示される。いずれもライプツィヒで初演された《第1番変ロ長調「春」》作品38(3月31日)、《序曲、スケルツォとフィナーレ》作品52(12月6日)、当初は「第2番」とされた《第4番ニ短調》(12月6日)である。《ニ短調》のみ出版は果たされず、10年後の1851年末になって改訂が行われることになった。全楽章が途切れることなく続く楽章構成を採る点や、主要な素材などは温存されたとはいえ、軽微とはいえない改訂であった。この改訂は必ずしも自発的に行ったわけではなかったようだ。デュッセルドルフの管弦楽団の不十分さに意気消沈してオーケストレーションをやり直したという、ブラームスの証言もある(1886年)。しかしながら、妻クララは1891年になって、亡き夫が初稿に満足せずに改訂を施したと述べた。そのためか、1841年稿より「改訂版」が長らく親しまれてきているのである。
各楽章はベートーヴェン以来の交響曲の形式に変形を加えている点が注目される(一時期、この作品を「交響的幻想曲」と名付けた所以〔ゆえん〕だろうか)。第1楽章の緩徐導入部はハンマーのような一撃に続く、下行と上行を続ける動機が現れるが、これは他の楽章でも活用される。導入部で予示された主部主要主題は非常に活発な動きを持つ。しかしこの楽章はソナタ形式とみなすには再現部が不完全なまま終結してしまう。第2楽章は哀愁を帯びた短調の主部と、独奏ヴァイオリンが活躍する長調の中間部が対比的な3部形式楽章。両者とも「上下行動機」が活用される。スケルツォの第3楽章はこの表題から予期される「A─B─A」の3部形式でなく「A─B─A─B」に変形される。Bは第2楽章中間部をあからさまに利用したものだが、情熱的な主部も「上下行動機」が実は反映している。第4楽章はニ短調からニ長調への最終的な変換が果たされたのち、勝利の凱歌(がいか)のような主部へ。3つの主題的素材のうち、主要主題は第1楽章のそれが活用される一方で、その再現が果たされないだけでなく展開部と再現部の切れ目が明確でない点はやはりソナタ形式の変形と認められるだろう。終結部分では二段階の加速で絶頂のままに閉じられる。
(安田和信)
演奏時間:約28分
作曲年代:1841年5月29日~9月9日、ライプツィヒ [改訂版]1851年12月12~19日、デュッセルドルフ
初演:[初稿]1841年12月6日、ライプツィヒ、ゲヴァントハウス、F. ダーヴィト指揮 [改訂版]1853年3月3日、デュッセルドルフ、ガイスラー・ザール、作曲者自身の指揮
ARTISTS出演者
指揮ファビオ・ルイージ
イタリア・ジェノヴァ出身。2001年にN響と初めて共演し、2022年9月首席指揮者に就任。就任記念公演でヴェルディ《レクイエム》を、2023年12月のN響第2000回定期公演でマーラー《一千人の交響曲》を指揮した。2024年には台湾公演を率い、翌2025年5月にはアムステルダム・コンセルトヘボウでの「マーラー・フェスティバル」、「プラハの春音楽祭」、「ドレスデン音楽祭」への参加を含むヨーロッパ公演を成功に導いた。なおN響は「マーラー・フェスティバル」に参加したアジア最初のオーケストラとなり、《交響曲第3番》《同第4番》の演奏は評論家から称賛を集めた。2028年9月に桂冠名誉指揮者に就任する。
現在、デンマーク国立交響楽団首席指揮者およびダラス交響楽団音楽監督。またチューリヒ歌劇場音楽総監督、メトロポリタン歌劇場首席指揮者、ウィーン交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団および同歌劇場音楽総監督、MDR(中部ドイツ放送)交響楽団プリンシパル・コンダクターおよびチーフ・コンダクター、スイス・ロマンド管弦楽団芸術監督、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団首席指揮者、グラーツ交響楽団首席指揮者などを歴任。このほか、イタリアのプーリア州マルティナ・フランカで行われるヴァッレ・ディートリア音楽祭音楽監督、トリノを本拠とするRAI国立交響楽団の名誉指揮者も務めている。また、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラなど最高峰のオーケストラ、歌劇場、音楽祭に定期的に客演している。
録音ではデンマーク国立交響楽団との『ニルセン交響曲全集』が2023年にオーストラリアのライムライト賞とイタリアのアッビアーティ賞を受賞し、その第1集は『グラモフォン』誌の年間最優秀録音賞に選ばれた。またメトロポリタン歌劇場とのワーグナー《ジークフリート》《神々のたそがれ》のDVDはグラミー賞を受賞した。NHK交響楽団との第2弾のディスク『マーラー:交響曲第5番』は、2026年9月にリリースされる。
彼は優れた作曲家、調香師でもある。
ヴァイオリンアウグスティン・ハーデリヒ
ヴァイオリン界もいまや国際的で、出身国や「流派」に特別な意味を求めることはできない。アウグスティン・ハーデリヒの場合が、まさにそう。音楽を能(よ)くするドイツ人の両親のもと、イタリアで生まれ、5歳でこの楽器を始めた。クリストフ・ポッペン、ウート・ウーギらに学び、同国のマスカーニ音楽院を卒業後は、20歳で渡米。ジュリアード音楽院でジョエル・スミルノフのもとで研鑽(けんさん)をつんだ。ドイツと米国の二重国籍をもち、現在も米国を拠点にしている。晩年のユーディ・メニューインも認めた「神童」としてスタートし、現在、バッハからジョン・アダムズまで、きわめて幅広いレパートリーをもつ。2006年、インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールでの優勝がキャリアの突破口となった。欧米の楽団をはじめ、有名オーケストラとの共演は枚挙に暇がない。NHK交響楽団とは直近で2024年に共演している。作品ごとに異なる様式を尊重するが、つねに水際立った技術で豊かな響き、多彩な音色、熱い歌を聴かせる。現在の愛器は、ヘンリク・シェリング由来の1744年製グァルネリ・デル・ジェス「ルデュック」。
[舩木篤也/音楽評論家]
料金
| S席 | A席 | B席 | C席 | D席 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般 | 12,000円 | 10,000円 | 8,000円 | 6,500円 | 5,500円 |
| ユースチケット | 6,000円 | 5,000円 | 4,000円 | 3,250円 | 2,750円 |
※価格は税込です。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※この公演のお取り扱いは、WEBチケットN響およびN響ガイドのみです。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
ユースチケット
29歳以下の方へのお得なチケットです。
(要登録)
定期会員券
発売開始日
年間会員券
2026年7月12日(日)10:00am
[定期会員先行発売日: 2026年7月5日(日)10:00am]



