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第2065回 定期公演 Cプログラム

NHKホール
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※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。

ABOUT THIS CONCERT特徴

2026年5月Cプログラム 聴きどころ

ショスタコーヴィチとヴァスクス──2人を結び付けるのは、20世紀における社会主義の経験であろう。管理統制が暴力的に推し進められたソ連社会の現実を映し出すショスタコーヴィチに対して、ソ連崩壊後の祈りを表わすヴァスクス。彼らの対照的な音調は、まるで合わせ鏡のように、混沌(こんとん)を極める現代を映し出すかのようだ。

(千葉 潤)

PROGRAM曲目

ヴァスクス/感謝の歌(2026)[NHK交響楽団、ラトビア国立交響楽団、ミュンヘン室内管弦楽団、オーストラリア室内管弦楽団 共同委嘱作品/日本初演]

「今日、多くの人々は、もはや信仰や愛、そして理想をもたず、霊的次元が失われてしまった。私の意図は、魂に養分を与えることである」──現代ラトビアの作曲家ペーテリス・ヴァスクス(1946〜)は、バプテスト教会の神父の家に生まれ育った。その生い立ちや北欧の自然は恐らく上記のような彼の創作思想に深く影響している。
素朴なモティーフの繰り返しと繊細な変化を基調とする彼の作風は、深い信仰心の表明と合わせて、エストニアのアルヴォ・ペルトに近いが、過酷な社会主義時代の痛みの経験を表明する際に、その響きは強烈でダイナミックなものに変容する。
弦楽合奏のための《感謝の歌》(2026)は、日本、ラトビア、ドイツ、オーストラリアの4つのオーケストラによる共同委嘱作品であり、今回が日本初演である。詳細については、作曲者からのコメントをご覧いただきたい。

(千葉 潤)

演奏時間:約20分
作曲年代:2026年
初演:2026年4月25日、アンドリス・ポーガ指揮、ラトビア国立交響楽団

ショスタコーヴィチ/交響曲 第4番 ハ短調 作品43

20世紀を代表する交響曲作家としてのドミートリ・ショスタコーヴィチ(1906〜1975)に、最も大きな影響を与えたのはグスタフ・マーラーである。バロックから大衆音楽までのかけ離れた要素を折衷し、悲劇とグロテスクに引き裂かれた世界を体現する交響曲は、幾重にも疎外された生涯を送った2人の作曲家にとって、最も切実な表現媒体であっただろう。実際、当時のレニングラードでは、ワルターやクレンペラーがマーラー直伝の演奏を繰り広げる一方、ショスタコーヴィチの親友ソレルチンスキーは、ソ連におけるマーラー研究の第一人者であった。恵まれた環境のなかで成熟を迎えたショスタコーヴィチが、満を持して取り組んだのが本作である。
ところが、すでに交響曲の前半2楽章を完成していたショスタコーヴィチを、人生最大の危機が襲う。1936年1月、オペラ《ムツェンスクのマクベス夫人》を非難する論説「音楽の代わりに支離滅裂」が、共産党機関紙『プラウダ』に掲載されたのである。誹謗(ひぼう)中傷の嵐のなかで、なおも彼を支持する仲間たちに励まされ、徐々に落ち着きを取り戻したショスタコーヴィチは1936年4月に全曲を完成。12月に初演が予定されたが、数回のリハーサル後に撤回されてしまう。その理由は諸説あるが(指揮者の無理解/演奏管理部からの圧力/楽団員の反発等々)、驚くべきは、悲劇的な第3楽章が批判後に黙々と書き続けられ、ぎりぎりまで初演を想定していたことだ。
プラウダ批判からちょうど38年後、最晩年のショスタコーヴィチが友人に語った言葉は、彼の創作に対する強い信念と誠実さを明かしている。「(プラウダ批判)のあと、指導部が私に、懺悔(ざんげ)して自分の罪を償うよう執拗(しつよう)に説得した。だが私は断った。当時は若さと肉体的な力が私に味方したのだ。懺悔の代わりに私は《交響曲第4番》を書いた」(グリークマン、1974年1月29日)。
第1楽章 アレグレット・ポーコ・モデラート─プレスト、ハ短調、4分の4拍子。巨大なソナタ形式の枠の中で、自由奔放な楽想が破天荒な音楽を繰り広げる。行進曲調で開始される第1主題群が悪夢のようなトゥッティで結ばれたあと、第2主題群は、ファゴット独奏と弦楽器の自由な旋律で開始される(マーラー《巨人》のカッコウが聞こえる)。展開部では、木管のポルカ/弦楽器のフーガ/多彩なワルツと続き、ティンパニに導かれた金管が次第に音量と音響を拡大しつつ、最後には12音からなるフォルテ5つの音の塊りが、グロテスクに引き延ばされた序奏の再現を導く。
第2楽章 モデラート・コン・モート、ニ短調、8分の3拍子。マーラーやブルックナーでお馴染(なじ)みのレントラー風のスケルツォ(最初のクライマックスのあとには、マーラー《復活》の仄〔ほの〕めかしが現れる)。トリオでは対になった平行5度のカノンや半音ずつ重なり合う無調のカノン等、斬新な音響が連続する。
第3楽章 ラルゴ─アレグロ、ハ短調、4分の4拍子─4分の3拍子。マーラー《巨人》の第3楽章を彷彿(ほうふつ)させる葬送行進曲のあとは、アレグロによる無機的なトッカータ風の主題展開がつづくが、その後は唐突に世俗音楽のメドレーに代わる(《魔笛》のパパゲーノすら紛れ込んでいる)。二対のティンパニに伴われた金管コラール(ストラヴィンスキー《エディプス王》の仄めかし)に導かれて、葬送行進曲が壮大に再現されたあと、コーダではマーラー《大地の歌》の終楽章「告別」を彷彿させるチェレスタが明滅しながら、“モレンド(死にゆくように)”で全曲を締めくくる。

(千葉 潤)

演奏時間:約60分
作曲年代:1935年9月13日〜1936年4月26日
初演:1961年12月30日、モスクワ、キリル・コンドラシン指揮、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

ARTISTS出演者

アンドリス・ポーガさんの画像 指揮アンドリス・ポーガ

アンドリス・ポーガはラトビア出身の指揮者。マリス・ヤンソンスやアンドリス・ネルソンスに続く、同国出身のマエストロの系譜に名を連ねる。ヤーセプス・ヴィートリス・ラトビア音楽院指揮科を卒業し、ラトビア大学で哲学を、ウィーン国立音楽大学で指揮を学んだ。2010年モンペリエのエフゲーニ・スヴェトラーノフ国際指揮コンクールで優勝を果たし、パリ管弦楽団、ボストン交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団など各地の主要オーケストラに客演。2014年にはミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、2026年にはWDR交響楽団のアジアツアーを任されている。N響とは2013年の初共演以来、たびたび共演を重ねる。
2021年にノルウェーのスタヴァンゲル交響楽団首席指揮者に就任。同楽団とはニルセンの交響曲など、北欧の音楽をレコーディングしている。ラトビア国立交響楽団では音楽監督を経て、現在は芸術顧問を務める。
ポーガのレパートリーの中心はショスタコーヴィチやチャイコフスキーなどのロシア音楽とドイツ・オーストリアの音楽。なかでもショスタコーヴィチに対しては強い思い入れを持つ。今回は、社会情勢により完成から初演までに25年もの歳月を要した作曲者最大の問題作、《交響曲第4番》でポーガの本領が発揮される。また、母国を代表する作曲家ヴァスクスの作品にもかねてより取り組んできた。新作の日本初演にこれ以上ふさわしい指揮者もいないだろう。

[飯尾洋一/音楽ジャーナリスト]

TICKETチケット

定期公演
Cプログラム

第2065回 定期公演 Cプログラム

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1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2026年2月19日(木)10:00am
定期会員について

一般発売日:2026年2月23日(月・祝)10:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席 E席
一般 10,000円 8,500円 6,500円 5,400円 4,300円 2,200円
ユースチケット 5,000円 4,000円 3,100円 2,550円 1,500円 1,000円

※価格は税込です。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
N響ガイドでのお申し込みは、公演日の1営業日前までとなります。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。

ユースチケット

29歳以下の方へのお得なチケットです。
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定期会員券
発売開始日

年間会員券
2025年7月13日(日)10:00am
[定期会員先行発売日: 2025年7月6日(日)10:00am
シーズン会員券(SPRING)
2026年2月14日(土)10:00am
[定期会員先行発売日: 2026年2月10日(火)10:00am

お問い合わせ・
お申し込み

主催:NHK / NHK交響楽団

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