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定期公演 2023-2024シーズンCプログラム
第1993回 定期公演 Cプログラム

NHKホール
Googleマップ 座席表

※当初出演予定のヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)から変更いたします。

※休憩のない、60分~80分程度の公演となります。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。

ABOUT THIS CONCERT特徴

同い年のカール・ニルセン(1865~1931)とジャン・シベリウス(1865~1957)。後期ロマン派の時代に創作活動を始め、ヨーロッパやロシアでは次々と新しい音楽が生まれていく近代において、それぞれ自身の様式を模索し続けた北欧の作曲家である。ニルセンの《アラジン》は、彼の6つの交響曲の中で特に独創的な《第4番》と《第5番》の間の時期に書かれた作品。そしてシベリウスの《交響曲第2番》は、彼の7つの交響曲の中でも人気が高い、まさに代表作中の代表作という、興味深い本日のプログラムである。

(小林ひかり)

PROGRAM曲目

ニルセン/アラジン組曲 作品34 -「祝祭行進曲」「ヒンドゥーの踊り」「イスファハンの市場」「黒人の踊り」

《アラジン組曲》は、劇付随音楽《アラジン─5幕のおとぎ話劇》から抜粋された7曲から成る作品である。もとの付随音楽は、デンマーク王立劇場からの委嘱で、同国の作家アダム・エーレンスレーヤ(1779~1850)が『アラジンと魔法のランプ』の物語に基づいて書いた戯曲『アラジン』(1805年出版)のために作曲された。演奏時間は80分を超える大作である。実のところニルセンは、1917年初頭に劇場から依頼を受けた時は乗り気でなかった。王立劇場は、かつてニルセンが1889年からオーケストラのヴァイオリン奏者として、1908年から1914年までは指揮者として長く在職したのだが、その劇場との関係はぎくしゃくしたものだったからである。さらに1919年2月の初演では、演出家が音楽を短くしたり曲順を変えたりした上、舞台を拡大してオーケストラを窮屈な場所に押し込んでしまったために、ニルセンは「芸術的責任を担えない」として、ポスターやプログラムから自分の名前を消すよう願ったほどだった。とはいうものの、《アラジン》はアイデアに富み、異国風の踊りや善と悪の特徴づけなどを通じて彼の様式を大きく発展させた作品で、それは1922年に完成する《交響曲第5番》に反映されることになる。
ニルセンは《アラジン》からの抜粋をしばしばデンマーク国内外で指揮し、好評を得た。それはグリーグが自身の劇付随音楽《ペール・ギュント》(1874~1875年作曲)からの抜粋による組曲をノルウェー国内外で指揮したのに似ている(作品の性格も似たところがある)。ニルセンは、亡くなる丸一日前にも演奏会で指揮する予定だったが、心臓発作でできなくなり、病床で〈祝祭行進曲〉、〈ヒンドゥーの踊り〉、〈黒人の踊り〉を鉱石ラジオから聴いた。7曲から成る組曲としてまとめられ出版されたのは作曲家の没後、1940年のことだった。本日演奏されるのは、その第1、3、5、7曲である。
〈祝祭行進曲〉は、アラジンが魔法のランプの力を借りて準備した宝石を王宮へ運ぶ奴隷たちの行列に付けられた音楽。打楽器やピッコロの用法などから東洋風な性格が濃く感じられる。〈ヒンドゥーの踊り〉は、アラジンと王女の結婚披露宴での踊りのうちの1曲である。〈イスファハンの市場〉は、美しくにぎやかなイスファハンの広場の様子を描いたもの。オーケストラが4つのグループに分かれて異なる旋法とテンポの音楽を同時に奏する。〈黒人の踊り〉も結婚披露宴での1曲である。強烈な2拍子のリズムに乗って快活に奏される。曲の終わりに向かって一層速くなり、壮麗なクライマックスとなる。

(小林ひかり)


演奏時間:約13分
作曲年代:1917~1919年(大部分は1918年7月~1919年1月に作曲)
初演:1919年2月15日(第1夜)、2月22日(第2夜)、デンマーク王立劇場、フェアディナン・ヘメ指揮、デンマーク王立管弦楽団。なお、初演に先立って1919年2月6日に、5曲の抜粋がコペンハーゲン音楽協会でニルセンの指揮により演奏された

シベリウス/交響曲 第2番 ニ長調 作品43

この交響曲はフィンランドがロシアの圧政下にあった時代に作曲された。その初演は、シベリウスの愛国的な音詩《フィンランディア》の初演から2年後の1902年。大成功だったが、聴衆の多くは終楽章の高揚を独立闘争の来たるべき勝利と解釈した。しかし、シベリウスはこのような標題的解釈を嫌った。彼は後年、78歳の時に、「私の第2交響曲は魂の告白である」と手紙に書いている。
《交響曲第2番》の作曲に取りかかる前年の1900年。シベリウス夫妻の間には3人の娘が生まれていたが、末娘が2月にチフスで亡くなり、一家は悲しみに沈んだ。その夏、シベリウスはパトロンとなるアクセル・カルペラン男爵(1858~1919)と親しくなり、イタリア旅行を勧められる。秋になると、シベリウスはまずベルリンに滞在し、翌1901年になってからイタリアへ行き、ジェノヴァ近郊のラパッロという海沿いの町で家族のためのペンションと仕事部屋を借りた。冬でも温暖な気候、フィンランドとは異なる環境で、次々とアイデアが思い浮かんだ。この時には4つの音詩の作曲を考えていた。その頃のスケッチには、南欧の伝説上の人物ドン・フアンのところに死の客が訪ねて来るのを想像して書かれた楽想があり、これはのちに《交響曲第2番》第2楽章の第1主題となる。この旅行では、シベリウスはローマにも2週間ほどひとりで滞在し、パンテオンやコロッセウムなどの古代建築物を訪れたり、ヴェルディのオペラやパレストリーナの宗教音楽を鑑賞したりした。さらにフィレンツェでは同地出身のダンテの叙事詩『神曲』に基づく新作品の構想を練った。当時のスケッチの一部が、《交響曲第2番》第2楽章の第2主題となる。そのスケッチには「キリスト」と書かれており、数か月前にベルリンで聴いたリストのオラトリオ《キリスト》の影響もあったと考えられる。これらを含む膨大なスケッチを持ち帰り、本格的な作曲はフィンランドでとなるが、最終的には交響曲という形が選ばれた。こうして仕上がった《交響曲第2番》は、感謝を込めてカルペラン男爵に献呈された。
第1楽章は、さざ波のような弦楽合奏で始まる。上行する3つの音(ここではファ♯─ソ─ラ)はこの交響曲全体の重要なモティーフである。第2楽章は、前述のイタリアでのスケッチがもとになった2つの主題を軸とする、悲しみと叫びと祈りの深遠な世界。第3楽章は非常に急速なテンポで始まるスケルツォである。アタッカで(切れ目なく)終楽章に入る。第1楽章冒頭のモティーフが、第4楽章では大河のようなメロディとなって第1主題を作る。哀愁を帯びた第2主題は、楽章後半では長大なクレッシェンドの中で繰り返されてニ長調に到達し、最後は第1主題が現れて輝かしい賛歌となる。

(小林ひかり)

演奏時間:約43分
作曲年代:1901~1902年
初演:1902年3月8日、作曲者自身による指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

ARTISTS出演者

高関 健※さんの画像 指揮高関 健※

国内の主要オーケストラで要職を歴任し、現在東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団常任指揮者、仙台フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者、富士山静岡交響楽団首席指揮者を務める。海外への客演も多く、2017年にはサンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会に登場。オペラでの活躍も目覚ましく、2019年にロシアで團伊玖磨《夕鶴》を、2021年には新国立劇場でストラヴィンスキー《夜鳴きうぐいす》などを手掛けた。1977年カラヤン指揮者コンクールジャパン優勝、第50回サントリー音楽賞などを受賞。N響とも定期的に共演を重ね、1993年には韓国公演の指揮を担った。

※当初出演予定のヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)から変更いたします。

PRE-CONCERT CHAMBER MUSIC PERFORMANCE開演前の室内楽

開演前の室内楽

曲目:ニルセン/弦楽四重奏曲 第4番 作品44 ー 第1楽章

出演者

出演者の画像
ヴァイオリン
青木 調
出演者の画像
ヴァイオリン
俣野賢仁
出演者の画像
ヴィオラ
坂口弦太郎
出演者の画像
チェロ
山内俊輔

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TICKETチケット

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Cプログラム

第1993回 定期公演
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座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2023年7月27日(木)10:00am
定期会員について

一般発売日:2023年7月30日(日)10:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席 E席
一般 7,600円 6,700円 5,300円 4,300円 3,300円 1,600円
ユースチケット 3,500円 3,000円 2,400円 1,900円 1,400円 800円

※価格は税込です。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
N響ガイドでのお申し込みは、公演日の1営業日前までとなります。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。
(要登録)

定期会員券
発売開始日

年間会員券/シーズン会員券(AUTUMN)
2023年7月17日(月・祝)10:00am
[定期会員先行発売日: 2023年7月9日(日)10:00am]

お問い合わせ・
お申し込み

主催:NHK / NHK交響楽団

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