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NHK交響楽団 ヨーロッパ公演2025 現地演奏会評(6/24更新)
お知らせ2025年6月24日
「NHK交響楽団 ヨーロッパ公演2025」について、現地メディアによる演奏会評をご紹介します。
アムステルダム| 5月11日 ▼
アムステルダム| 5月12日 ▼
ウィーン| 5月14日 ▼
プラハ| 5月15日 ▼
ドレスデン| 5月17日 ▼
ドレスデン|5月18日 ▼
インスブルック| 5月20日 ▼
開催概要
アムステルダム| 5月11日
「マーラー・フェスティバル2025」参加公演
de Volkskrant
2025年5月12日Dennis Bajram
マーラー・フェスティバルの4日目、東京から来た NHK 交響楽団が、聴衆に威厳ある驚きを与えた
舞台には東京から来た NHK 交響楽団。彼らはこのマーラー・フェスティバルでは、恐れずに言えば、全くの無名だ。しかし同時に大きな驚きになった。イタリア人ファビオ・ルイージが指揮するオーケストラには、なんという色彩、なんという規律、そしてなんという力強さが、あるのだろう。コントラバスの下で何かが沸き立っている。金管楽器の間で何かが群れている。
nrc
2025年5月12日Rahul Gandolahage
マーラー・フェスティバルで無名の大物だったのは東京のNHK交響楽団だ。日曜日にデビューした。どんな響きだったか?
第 3 回マーラー・フェスティバルの新しい草案が発表されたとき、ラインナップに NHK交響楽団が入っていたのは、大きな驚きになった。みんながグーグル検索しなくてはならないほどだった。東京から来るらしい…(中略)。バランスは最高だ。まるで 1 人で奏でているかのような合奏は、ソリストに適切な空間を与える。オーケストラは穏やかに、また巧みに、そしてしなやかなに浮かび上がり、広がっていくのだ。
アムステルダム| 5月12日
「マーラー・フェスティバル2025」参加公演
de Volkskrant
2025年5月13日Merlijn Kerkhof
イン・ファンは夢だ
イタリア人指揮者のファビオ・ルイージは(中略)テンポを多様に変化させることを選択し、オーケストラは滑らかに切り替えていた。交響曲が進むにつれて、(演奏は)良くなっていったので・・・(中略)。「Ruhevoll, poco adagio」(第3楽章)は一層ずつ積み上げられており、これはすごいこと だ。弦楽器奏者たちが普通に「美しく」演奏すること許されると、とても美しく響くのだ。
nrc
2025年5月13日Loni Verweij
NHK交響楽団によるマーラー《交響曲第4番》は、天と地の間にたたずむ
チェロとコントラバスが、深く呼吸する静けさの中第 3 楽章を始めたのも、ヴァイオリンが最高に繊細にそれを引き継いだのも、素晴らしい。第4楽章で、イン・ファンが加わった。気ままな天空の生活についての子供の管弦楽歌曲の彼女のパフォーマンスは、洗練されていて、彼女の声には、音符の持つパラダイスのような静けさと共鳴する、素晴らしく美しい軽やかさがある。
ウィーン| 5月14日
Kurier
2025年5月15日Susanne Zobl
ウィーンの世界的演奏家が日本のエリートと共演 ― コンツェルトハウスにて
ブフビンダーは(グリーグ《ピアノ協奏曲》で)再び新たな側面を見せてくれた。表現力に重点を置き、この作品のインスピレーションの源となったシューマンの雰囲気を漂わせていた(中略)。マーラーの《交響曲第 4 番》で(ルイージ)は、オーケストラの温かみのある音色を引き出した。管楽器奏者の演奏は素晴らしかった。最大限の規律をもって曲が演奏され、ルイージはウィーンの雰囲気を感動的に吹き込んだ。コンサートマスターはソロ「死神が演奏する」で悪魔的な響きをはっきりと聴かせた。ソプラノ歌手のイン・ファンは「天上の生活」を魅惑的に歌い上げ、大喝采を博した。
Die Presse
2025年5月15日Marion Eigl
コンツェルトハウス:ルイージ指揮の洗練されたマーラー、ブフビンダーの情熱的なグリーグ
東京からのゲストであるこのオーケストラ(NHK交響楽団)とその首席指揮者ファビオ・ルイージが選んだアプローチは、完璧に磨き上げられ、へこみや傷ひとつ見られなかった。もちろん中国人ソプラノ歌手イン・ファンによる感動的に美しいソロは、終楽章で子供がすべての意味を説明する、というマーラーの言葉の意図を完全に表現していた(中略)。彼(ブフビンダー)はエドヴァルト・グリーグの《ピアノ協奏曲》の独奏部を情熱的に演奏して聴衆に感銘を与えた。このピアニストは力強く滝のように流れ落ちる音を存分に駆使し、夢見るようなアダージョをうっとりするほど柔らかな音色で奏でた。
プラハ| 5月15日
「プラハの春 音楽祭」参加公演
Klasika.Plus.cz
2025年5月16日Štěpán Filípek
的確に解釈されていた重厚なプログラム — 東京から「プラハの春」に参加した、とても好感を抱かせるオーケストラ
NHK交響楽団の弦楽セクションは、指揮者ファビオ・ルイージとともに、この作品(3つの映画音楽)を的確な解釈のもとに演奏し、その響きは極めて感銘深いものであった(中略)。この協奏曲(ベルク《ヴァイオリン協奏曲》)の冒頭部分は、演奏者にとってきわめて高度な解釈力と集中力を要求するが、諏訪内晶子はその挑戦を見事に乗り越え、聴衆を瞬時にして音楽の物語世界へと誘った(中略)。NHK 交響楽団による(ブラームスの)《交響曲第4番》の演奏は、彼らが誇る表現力のさらなる一端を披露するものであった。広大なロマン派作品にふさわしい豊かな感情の波を描き出すと同時に、際立った精密さ、正確無比な音程、そして磨き抜かれた音響美をもって、プラハの聴衆にその実力を遺憾なく示したのである。
Bachtrack
2025年5月16日Frank Kuznik
NHK交響楽団の多才さが「プラハの春」で際立つ
もし、異なるものを組み合わせたときに創造的な緊張が生じるとするなら、イタリア人指揮者ファビオ・ルイージと東京の NHK交響楽団は、(そのような創造的な緊張の)結果として素晴らしい音楽が生み出される可能性があるという非常に優れた1つの例を示している。「プラハの春音楽祭」に出演したルイージは“保守的なアンサンブル”から、血気盛んな演奏を引き出す巧みな指揮を披露した。NHK交響楽団は、武満、ベルク、ブラームスという折衷的なプログラムを演奏することにより、(多種多様な音楽に対応できる)驚くほど多才なオーケストラであることを示した。
iDNES
2025年5月16日Věra Drápelová
プラハの春、世界的楽団を迎える ―とりわけ日本の演奏家が聴衆を魅了
かつてベルクの協奏曲の初演者であるルイス・クラスナーに師事した日本人ヴァイオリニスト、諏訪内晶子は、温かみのある豊かな音色でソロを奏で、印象的なドラマティックな哀歌を紡ぎ出した。またオーケストラの演奏にも、退屈な「数学的」硬直性は微塵も感じられず、柔らかく輝く音色と指揮者との絶妙な一体感が聴く者の心を捉えた(中略)。ヨハネス・ブラームスの《交響曲第4番》を聴いていると、まるでヨーロッパの名門オーケストラの演奏を聴いているかのような印象を受けた。指揮者と演奏者たちは、その曲の持つ歌謡性と情熱を余すところなく引き出していた。
Opera PLUS
2025年5月16日Martin Jemelka
NHK交響楽団はファビオ・ルイージの指揮のもと、ルドルフィヌムを熱狂させた。しかし、ブラームスでは、もう少しテンポを落としてもよかったかもしれない
プラハでの演奏からは、専門家の(NHK交響楽団への)高評価がいかに妥当であるかが十分に伝わってくるものであった。このオーケストラは、均衡の取れた音色が特徴で、楽譜の前には技術的にも、また表現力も豊かな奏者たちが座っており、彼らにとっては、ヨーロッパの音楽的感性がまるで当たり前のことのように感じられるのである(中略)。この作品(ベルク《ヴァイオリン協奏曲》)は、詳細に指定されたスコアに則った精密なオーケストラの演奏を要求するだけでなく、構築的な書法の中に潜む意味を読み解く創造的な解釈力を備えた「啓発された」ソリストを必要としている。これを実現したのが、日本のヴァイオリニスト、諏訪内晶子とNHK交響楽団であった。
Polyharmonie
2025年5月18日Martin Jemelka
日本のオーケストラが「プラハの春」にデビュー
諏訪内晶子は2楽章から成るベルクの作品を、確信を持って、そして優雅に演奏した。ファビオ・ルイージの指揮の下、2人は緊張感のある対話を繰り広げ、ルイージは表現力豊かに指揮をしていた一方で、ソリストはその技術的な卓越性と内面的な自信を持って、聴衆の注意を引き寄せた。ベルクの協奏曲を、ここまで洗練された解釈で生演奏として聴いたのは、これまでになかった(中略)。非常に速いテンポで演奏されたルイージのロマンティックなブラームスは、中欧の解釈伝統に見られる一定の節度や抑制を欠いていた。その代わりに、ブラームスを情熱に満ちた作曲家として描き出した。調性と和声構造が支配的な役割を果たすこの作品においては、まさにその情熱が重要な要素となっている(中略)。彼らが再びプラハを訪れるのに、何十年もかかることがありませんように。
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ドレスデン| 5月17日
「ドレスデン音楽祭」参加公演
Dresdner Neueste Nachrichten
2025年5月19日Wolfram Quellmalz
里帰りした音楽家との開幕 ― 東京のオーケストラがドレスデン音楽祭を開幕
この夜最も印象深かったのは、アルバン・ベルクの《ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」》だ(中略)。諏訪内はファビオ・ルイージが束ねる全体を通して、室内楽的で直接的という意味で、オーケストラとの見事な対話を披露した(中略)。重厚にならず、威圧的でもなく、ヴァイオリンを密に取り囲んでいるような演奏に驚いた。時にソリストとオーケストラはふわりと軽く、そのサウンドは一陣の風が吹けば飛び散ってしまうかのようだった。