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- 第2000回 定期公演 Aプログラム
※本公演は1曲のみの演奏のため休憩がございません。開演後はお席にお着きいただけませんのでどうぞご了承ください。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
ABOUT THIS CONCERT特徴
記念すべき第2000回定期でルイージとともにマーラーの核心に迫る
1927年に新交響楽団(N響の前身)の予約演奏会として始まったN響定期公演が、記念すべき第2000回を迎える。
この特別な公演にふさわしい作品とはなにか─。首席指揮者ファビオ・ルイージとN響はその答えを聴衆による投票に求めた。選択肢は3つ。マーラーの《交響曲第8番「一千人の交響曲」》、フランツ・シュミットの《オラトリオ「7つの封印の書」》、シューマンの《オラトリオ「楽園とペリ」》。いずれも節目の演奏会にふさわしい記念碑的な大作である。
総計2523票が集められた結果、過半数の票を獲得したマーラーの《一千人の交響曲》が選ばれた。「この結果にとても満足しています。私が愛する一曲であり、私自身の提案でもありました」。結果を受けて、ルイージはこう語っている。《一千人の交響曲》は大編成のオーケストラに加えて、8名もの独唱者と混声合唱、児童合唱を要する大曲中の大曲だ。1910年にミュンヘンで初演された際には、実際に千人もの出演者が舞台に乗ったという。コロナ禍を乗り越えるという意味でも、時宜を得た選曲になった。
もちろん、この作品の魅力はその巨大さのみにあるわけではない。ルイージによれば「マーラーが万物を解き明かそうとした交響曲」。世界のすべてを交響曲という形で表現しようとしたマーラーの核心がここにあるといってよいだろう。
1986年の第1000回定期公演では、ルイージの師、サヴァリッシュがメンデルスゾーンの《エリア》を指揮して、長く語り継がれる演奏会になった。今回の《一千人の交響曲》も語り草となる名演になるのではないだろうか。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)
それまでに作曲した交響曲の数々で、あらゆる伝統をじわじわと解体したグスタフ・マーラー(1860〜1911)。次に続く交響曲は、従来の型にはまったくあてはまらない作品でなくてはならなかった。《第8番》は、ベートーヴェン《交響曲第9番》が何もかも破格であったのと同様、既存のいかなるジャンルにも当てはまらない、記念碑的ではありつつも異形の作品として世に生まれ出た。栄えある定期公演2000回記念を言祝(ことほ)ぐこの作品で、N響も次代を拓く新たな歩みを決然と踏み出すことだろう。
(広瀬大介)
PROGRAM曲目
マーラー/交響曲 第8番 変ホ長調 「一千人の交響曲」(ファン投票選出曲)
1897年以来、ウィーン宮廷歌劇場の音楽監督という激務に追われていたマーラーは、その作曲活動を夏の避暑地でこなすのが常だった。《交響曲第8番》は1906年、オーストリア・クラーゲンフルト近郊のヴェルター湖岸、マイヤーニヒの作曲小屋で作られている(管弦楽化は翌年)。初演は、興行師エミール・グートマンによる、「ミュンヘン博覧会1910」のメインイベントとして企画された。会場の博覧会新祝祭音楽堂には、当時としては最先端の建築様式を象徴するコンクリートとガラスが用いられている。オーケストラ170名、合唱850名、聴衆を収容できるような場所を、既存の歌劇場や演奏会場には求めるべくもない。初演には多くの音楽家や文化人が集った。聴衆の歓呼は30分続き、音楽評論家パウル・シュテファンの言葉を借りれば「マーラーは人生を極め、名声の頂点に立ったようにみえる」というほどの成功を収めた。
もともとマーラーは本作を従来の4楽章形式によって構想していた。スケッチからは、第1楽章のあとに「スケルツォ」「アダージョ・カリタス」「賛歌:エロスの誕生」という3つの楽章が続く予定であったことがわかる。「カリタス」とは神から施される「慈みの愛」。第4楽章においてもう一度賛歌を登場させ、慈愛とは対極にある「エロス」、人間の性愛を置くことで、2つの「愛」の形を対置させようとしたことが窺(うかが)える。
この構想からは、画家グスタフ・クリムトが1901~1902年に描き、《第9》の第4楽章〈歓喜の歌〉の絵画化に際し、シラーの詩とベートーヴェンの音楽を抱き合う男女の姿という性愛の範疇(はんちゅう)で解釈し直した《ベートーヴェン・フリーズ》が想起されよう。結局マーラーは、カリタスとエロスの愛を表現すべき歌詞を、シラーと並び立つ巨匠、ゲーテによる『ファウスト』の最終場面から採った。この場面を交響曲の各楽章を擬したともとれる3部構成(アダージョ、スケルツォ、フィナーレ)にすることで、3つの楽章の要素を包摂する長大な第2部が誕生する。
第1部は、通常の交響曲の冒頭楽章に用いられるソナタ形式として解釈することが可能であり、パロディ的要素は背後に退いている。中世のマインツ大司教、ラバヌス・マウルス(776?〜856)によるラテン語の賛歌《来たれ、創造主である聖霊よ》(主にペンテコステ〔聖霊降臨祭〕の際に歌われる)が冒頭楽章のテクストとして用いられた。冒頭、オルガンによる変ホ長調の主和音が荘重に鳴り響くと、歌詞は1小節ごとに目まぐるしく変わる拍子に乗せて歌われる(第1主題)。第2主題は、第1ソプラノ独唱によって歌われる変ニ長調の「天上の御恵みで満たしたまえ」。展開部は、オーケストラだけによる間奏曲風の楽想が続くことでそれと示し、第1主題の最初と最後を結合して作られたホルンの旋律が現れる(その後の曲を形作る重要な動機)。大規模な二重フーガが展開され、第1主題が完全な形で確保されることによって再現部となる。対位法的な技法は、結尾に向かってそのクライマックスを迎える。
この第1部・展開部で用いられたモティーフが、続く第2部において2つの部を音楽的に結びつける。冒頭のポーコ・アダージョでは、自然、そしてそれを創造した神の偉大さが独唱バリトン〈法悦の教父〉、独唱バス〈瞑想(めいそう)の教父〉によって歌われる。オーケストラの間奏を経てスケルツァンドに移行すると、児童合唱が天使たちの歌を歌い、テノール〈マリア崇拝の博士〉が新しいホ長調の旋律によって聖母を讃(たた)え、変奏曲風の楽想が続く。アダージッシモでは独唱女声3人によるカノンとなり、第2ソプラノ独唱〈贖罪(しょくざい)の女〉(ファウストの永遠の恋人・グレートヒェンを指す)が聖母マリアへの懺悔(ざんげ)を歌う。マリアによる救いの場面では、これまでの主題がさまざまな形で再登場し、世界がより豊かに満たされるさまを描く。リストが《ファウスト交響曲》で導入した「永遠に女性的なるもの」の歌詞が最後に用いられ、カリタスとエロスを融合したこの巨大な作品は、マーラーが長年追い求めてきた新しいオーケストラ作品の在り方を提示する集大成となった。
(広瀬大介)
演奏時間:約85分
作曲年代:1906年夏、1907年夏
初演:1910年9月12日、ミュンヘン、カイム管弦楽団、ウィーン楽友協会合唱団、リーデル協会合唱団、ミュンヘン中央歌唱学校児童、作曲者自身の指揮
ARTISTS出演者
指揮ファビオ・ルイージ
1959年、イタリア・ジェノヴァ出身。デンマーク国立交響楽団首席指揮者、ダラス交響楽団音楽監督を務める。N響とは2001年に初共演し、2022年9月首席指揮者に就任。就任後初めての2022–23シーズンでは、9月の就任記念公演でヴェルディ《レクイエム》を指揮。その後ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、R. シュトラウスなどのドイツ・オーストリアの作品や、フランクやサン・サーンスといったフランス語圏の作品に取り組み、その歌心と情熱に溢(あふ)れた指揮は、多くの聴衆の心を掴(つか)んだ。2023年8月には首席指揮者としての任期が3年間延長され、2028年3月までとなった。
これまでにチューリヒ歌劇場音楽総監督、メトロポリタン歌劇場首席指揮者、ウィーン交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団および同歌劇場音楽総監督、MDR(中部ドイツ放送)交響楽団芸術監督、スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団首席指揮者などを歴任。このほか、イタリアのマルティナ・フランカで行われるヴァッレ・ディートリア音楽祭音楽監督も務めている。また、フィラデルフィア管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラに定期的に客演し、世界の主要オペラハウスにも登場している。録音には、ヴェルディ、ベッリーニ、シューマン、ベルリオーズ、ラフマニノフ、リムスキー・コルサコフ、マルタン、そしてオーストリア人作曲家フランツ・シュミットなどがある。また、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団とは数々のR. シュトラウスの交響詩を収録しているほか、ブルックナー《交響曲第9番》の解釈は高く評価されている。メトロポリタン歌劇場とのワーグナー《ジークフリート》《神々のたそがれ》のレコーディングではグラミー賞を受賞した。
ソプラノジャクリン・ワーグナー※
欧米の歌劇場で活躍するアメリカのソプラノ歌手。父親がデトロイト交響楽団のホルン奏者の音楽一家に生まれ、マンハッタン音楽学校、ミシガン州オークランド大学で学んだ。フランシスコ・ビニャス国際声楽コンクール、レナータ・テバルディ声楽コンクールなどで入賞。ベルリン・ドイツ・オペラのアンサンブル・メンバーとしてキャリアをスタートさせ、《フィガロの結婚》伯爵夫人、《椿姫》ヴィオレッタなど、多くのレパートリーを演じた。
2014年、ネーデルランド・オペラのR. シュトラウス《アラベラ》(ロイ演出)のタイトル・ロールで一躍注目を浴び、以来、パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座、チューリヒ歌劇場、ザルツブルク復活祭音楽祭、エクサン・プロヴァンス音楽祭など、世界有数の歌劇場や音楽祭に多数出演。近年ではクリスティアン・ティーレマン指揮の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》エヴァ役、リッカルド・ムーティ指揮の《ドン・ジョヴァンニ》ドンナ・アンナ役など。コンサート出演も数多く、N響とは初共演。マーラーの交響曲でも清冽{ルビ:せい れつ}な声を聴かせてくれるだろう。
[柴辻純子/音楽評論家]
ソプラノヴァレンティーナ・ファルカシュ
溌剌(はつらつ)とした明るい声と豊かな声量で魅了する、ルーマニアのソプラノ歌手。ブカレスト国立歌劇場の歌手の両親のもとに生まれ、ブカレスト音楽院でピアノを学ぶ。その後声楽に転向し、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学卒業。2002年からベルリン・コミッシェオーパーの歌手として活躍。2006年ザルツブルク音楽祭の《後宮からの誘拐》ブロンデ役で国際的な名声を高め、以来、各地の歌劇場に出演する。《フィガロの結婚》スザンナ、《愛の妙薬》アディーナ、《リゴレット》ジルダ、《ばらの騎士》ゾフィー、ワイル《マハゴニー市の興亡》ジェニーの各役など、レパートリーは幅広い。
コンサートでは、リッカルド・ムーティ、クリストファー・ホグウッドら、著名な指揮者と数多く共演。N響とは、2019年9月パーヴォ・ヤルヴィ指揮のR. シュトラウス《「カプリッチョ」─「最後の場」》のソリストとして、繊細な表現で心を打つ歌唱を聴かせた。ファビオ・ルイージとは、最近では2022年にデンマーク国立交響楽団、RAI国立交響楽団それぞれとのマーラー《交響曲第2番「復活」》で共演。今回の《第8番》でも彼女の魅力的な声に期待が高まる。
[柴辻純子/音楽評論家]
ソプラノ三宅理恵
躍進する日本のソプラノ歌手。東京都出身。東京音楽大学卒業、同大学院修士課程修了。2006年ニューヨークに留学、ドーン・アップショウらに師事した。2009年アメリカ・バード音楽院修士課程修了。2010年藤沢オペラコンクール奨励賞受賞。これまでに小澤征爾音楽塾《カルメン》フラスキータ、日生劇場《フィデリオ》マルツェリーネ、藤倉大作曲《ソラリス》ハリー、東京二期会《ファルスタッフ》ナンネッタ、新国立劇場《パルシファル》花の乙女の各役など、国内の数々のオペラ公演に出演。とりわけ2021年新国立劇場でのストラヴィンスキー《夜鳴きうぐいす》題名役では大きな注目を浴び、AIとの共演が話題になった《Super Angels スーパーエンジェル》エリカ役では新境地を開いた。
コンサートにおいても、2016年8月にはファビオ・ルイージ指揮サイトウ・キネン・オーケストラによるマーラー《交響曲第2番「復活」》など、多数の公演に出演。N響とは、2017年9月パーヴォ・ヤルヴィ指揮《ドン・ジョヴァンニ》(演奏会形式)ツェルリーナ役で初共演。2022年の「N響ほっとコンサート」では、林光《セロ弾(ひ)きのゴーシュ》で語りとうたを務めた。マーラーでも美しい高音を輝かせるだろう。二期会会員。
[柴辻純子/音楽評論家]
アルトオレシア・ペトロヴァ
力強く濃密な歌唱を聴かせるロシアのメゾ・ソプラノ歌手。レニングラード生まれ。サンクトペテルブルク音楽院卒業。2007年第13回チャイコフスキー国際コンクール声楽部門(女声)第2位。2012年第2回パリ・オペラ座コンクール第1位受賞。2007~2016年サンクトペテルブルク音楽院オペラ・バレエ劇場のソリスト。2014年メトロポリタン歌劇場に《アンドレア・シェニエ》マデロン役でデビューした。2016年からミハイロフスキー劇場のソリスト。《仮面舞踏会》ウルリカ、《カヴァレリア・ルスティカーナ》サントゥッツァ、《スペードの女王》伯爵夫人などの各役を演じた。これまでベルリン・ドイツ・オペラ、チューリヒ歌劇場、ハンブルク国立歌劇場、マドリード・レアル劇場、リセウ大劇場などに出演。2018年ボリショイ劇場に《スペードの女王》(トゥガン・ソヒエフ指揮)ポリーナ役でデビュー。ヴェローナ音楽祭には2017、2021、2022、2023年に招かれ、十八番(おはこ)の《アイーダ》アムネリスを歌った。2023年には、ロイヤル・オペラ・ハウスにも同役でデビューした。
コンサートにも多数出演。N響とは2022年9月ファビオ・ルイージ指揮のヴェルディ《レクイエム》に続いての共演となる。今回も陰影に富む歌唱で存在感を示してくれるだろう。
[柴辻純子/音楽評論家]
アルトカトリオーナ・モリソン
美しく透明感のある歌声と豊かな表現力を備えた、ドイツ系スコットランド人のメゾ・ソプラノ歌手。エディンバラ生まれ。ヴァイオリンとヴィオラを学び、地元合唱団に所属したのち、声楽に転向した。スコットランド王立音楽院卒業。ベルリン芸術大学でも学んだ。ワイマール・オペラ・スタジオを経て、2016~2018年ヴッパータール歌劇場アンサンブル・メンバーとして、《ホフマン物語》ニクラウス役、《ウェルテル》シャルロッテ役などを演じた。2017年BBCカーディフ国際声楽コンクール第1位受賞。以来、エディンバラ国際音楽祭、ケルン歌劇場、ハンブルク国立歌劇場など、欧州の歌劇場や音楽祭に次々と出演。2022年はブラウンシュヴァイク州立劇場で《ラインの黄金》フリッカ役、ヴッパータール歌劇場でモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》ネローネ役を演じた。
コンサートにおいては、2019年BBCプロムスにデビュー。ファビオ・ルイージとは、2022年9月、デンマーク国立交響楽団のシェーンベルク《グレの歌》で共演した。N響とは初共演。マーラーの交響曲に広がる温かい歌声が楽しみだ。
[柴辻純子/音楽評論家]
テノールミヒャエル・シャーデ
世界の歌劇場で活躍するカナダのテノール歌手。ジュネーヴ生まれ、ドイツとカナダで教育を受け、ウエスタン・オンタリオ大学卒業。カーティス音楽院で修士号を取得した。1991年のデビュー以来、ウィーン国立歌劇場、ハンブルク国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、カナディアン・オペラ・カンパニー、ヴェルビエ音楽祭、ルツェルン音楽祭、ザルツブルク音楽祭など、著名な歌劇場や音楽祭に多数出演。その歌声は力強さと繊細さを合わせもち、モーツァルトのオペラの主要な役をほぼすべて歌い、ベートーヴェン、R. シュトラウスやドヴォルザークなど、幅広いレパートリーを誇る。
コンサートにおいても、ボルトン、ハーディング、ヤンソンス、パーヴォ・ヤルヴィ、ムーティ、ナガノ、ネゼ・セガン、ラトル、ティーレマン、ティチアーティ、ヤングといった世界の著名指揮者のもと、オーケストラと共演を重ねている。N響とは、2016年9月N響90周年記念公演でのパーヴォ・ヤルヴィ指揮《一千人の交響曲》で初共演、2019年9月ベートーヴェン生誕250周年記念公演での《フィデリオ》(演奏会形式)フロレスタン役でも共演した。2007年、オーストリア政府からカナダ人として初めて「宮廷歌手」の称号を授与された。2017年にはカナダ勲章オフィサーの称号を受勲。2019年からウィーン国立音楽大学教授を務める。
[柴辻純子/音楽評論家]
バリトンルーク・ストリフ
アメリカ・コロラド州デンバー出身の新星バリトン歌手。ライス大学シェパード音楽院卒業、2021年同大学で修士号取得。ジュリアード音楽院でも学んだ(2019年卒業)。ジュリアード音楽院の古楽アンサンブル「ジュリアード415」のパーセル《ディドーとエネアス》や、オッフェンバック《天国と地獄》、メトロポリタン歌劇場のリンデマン若手芸術家育成プログラムとの提携による、ヤナーチェク《カーチャ・カバノヴァー》やベッリーニ《夢遊病の女》など多くの作品に出演した。
サンタフェ・オペラでは2021年にブリテン《夏の夜の夢》デメトリアス役を、2023年にはニコ・ミューリー編曲モンテヴェルディ《オルフェオ》タイトルロールを演じた。2021年からヒューストン・グランド・オペラ・スタジオのメンバーとして、《カルメン》《カルメル派修道女の対話》《トスカ》《ロメオとジュリエット》など、数々の作品の舞台に立っている。2024年にはシアトル・オペラの《セビリアの理髪師》フィガロ役、アトランタ・オペラの《夏の夜の夢》デメトリアス役での出演が予定されるなど、いま注目の若手である。N響とは初共演。
[柴辻純子/音楽評論家]
バスダーヴィッド・シュテフェンス
ドイツ・バイエルン州バートライヘンハル出身のバス歌手。2011年ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院卒業。ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウのマスタークラスにも参加した。2011年、ザルツブルク州立劇場の《フィガロの結婚》バルトロ役でデビュー。その後、シュトゥットガルト歌劇場専属歌手として、《魔笛》ザラストロ、《ローエングリン》ハインリヒ王、《カルメン》エスカミーリョなどの各役を演じた。ドレスデン国立歌劇場、マドリード・レアル劇場、ウィーン・フォルクスオーパーなどにも出演。2018年ザルツブルク音楽祭に《サロメ》でデビュー、2021年には《ドン・ジョヴァンニ》(カステルッチ演出)のマゼット役で出演した。近年では、ベルリン国立歌劇場での《ばらの騎士》オックス男爵、シュトゥットガルト国立劇場での《ワルキューレ》フンディング、リール歌劇場での《トリスタンとイゾルデ》国王マルケなどを演じている。
コンサートでは、サイモン・ラトル、ズービン・メータ、テオドール・クルレンツィスらと共演。ファビオ・ルイージとは、2022年9月デンマーク国立交響楽団のシェーンベルク《グレの歌》で共演した。のびやかな低音を響かせ、次世代のバス歌手として期待される。N響とは初共演。
[柴辻純子/音楽評論家]
合唱新国立劇場合唱団
1997年10月に開場した新国立劇場の専属合唱団として、1998年4月より活動を開始した。団員は高水準の歌唱力と優れた演技力をもち、高いアンサンブル能力と豊かな声量は、共演する出演者、指揮者、演出家、国内外のメディアからも高い評価を得ている。新国立劇場以外にも国内の主要オーケストラとの共演のほか、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団など海外のオーケストラとの共演も多く、活躍の場を広げている。
N響とは2004年新国立劇場公演《神々のたそがれ》で初共演。2019年にはパーヴォ・ヤルヴィ&N響ベートーヴェン生誕250周年記念公演《フィデリオ》(演奏会形式)に参加。定期公演でもたびたび共演し、近年では、2019年11月のモーツァルト《ミサ曲ハ短調》、2020年1月のマーラー《交響曲第2番「復活」》などに出演した。ファビオ・ルイージとは、2022年9月にヴェルディ《レクイエム》で初共演。その迫力に満ちた感動的な合唱は記憶に新しい。
[柴辻純子/音楽評論家]
児童合唱NHK東京児童合唱団
1952年3月、「少年少女に豊かな心を」という願いから、NHKの教育番組と子ども番組の充実を目的として創立されたNHK東京児童合唱団(旧称・東京放送児童合唱団)は、NHKの放送出演はもとより、海外の合唱団との交流や国内の主要オーケストラと共演を重ねている。また、邦人作曲家への合唱作品の委嘱など、多くの作品を国内外に紹介。2022年には創立70周年を迎えた。
「コダーイ・ゾルタン生誕100年記念国際合唱コンクール」青少年部門第1位・総合部門グランプリなど国内外の多数のコンクールに入賞。2009年N響とともに「天皇・皇后両陛下ご成婚50周年ご即位20周年記念コンサート」に出演した。新国立劇場などオペラへの出演も多数。2023年東京二期会《トゥーランドット》に参加。N響とは2010年から共演を重ね、最近では、「NHK音楽祭2018」でのオルフ《カルミナ・ブラーナ》、2018年12月にチャイコフスキー《バレエ音楽「くるみ割り人形」》で共演した。
[柴辻純子/音楽評論家]
※当初出演予定のエレーナ・スティッキーナ(ソプラノ)から変更いたします。
MOVIEムービー
12月N響定期公演Aプログラムについて
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料金
S席 | A席 | B席 | C席 | D席 | E席 | |
---|---|---|---|---|---|---|
一般 | 12,000円 | 10,000円 | 8,000円 | 6,500円 | 5,000円 | 3,300円 |
ユースチケット | 6,000円 | 5,000円 | 4,000円 | 3,200円 | 2,500円 | 1,600円 |
※価格は税込です。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※N響ガイドでのお申し込みは、公演日の1営業日前までとなります。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。
ユースチケット
25歳以下の方へのお得なチケットです。
(要登録)
定期会員券
発売開始日
年間会員券
2023年7月17日(月・祝)10:00am
[定期会員先行発売日: 2023年7月9日(日)10:00am]
シーズン会員券(WINTER)
2023年10月17日(火)10:00am
[定期会員先行発売日: 2023年10月12日(木)10:00am]