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定期公演 2023-2024シーズンAプログラム
第1997回 定期公演 Aプログラム

NHKホール
Googleマップ 座席表

※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。

ABOUT THIS CONCERT特徴

ウラディーミル・フェドセーエフは1932年8月生まれだから公演時には91歳、ソ連時代から活躍する数少ない巨匠のひとりだ。そんなマエストロがまた日本に来て、NHK交響楽団を指揮してくれるというだけでありがたいのに、彼が長年にわたって愛奏してきた十八番(おはこ)ばかりがずらりと並ぶ、このプログラムのすばらしさはどうだろう。これは、日本をこよなく愛するマエストロから日本のファンへの最高の贈り物と言えるだろう。

(増田良介)

PROGRAM曲目

スヴィリドフ/小三部作〇

ゲオルギー・スヴィリドフ(1915〜1998)は、ソ連時代のロシアで活躍した作曲家で、ショスタコーヴィチの最初の弟子のひとりでもある。主として声楽曲、特に合唱曲の分野に、親しみやすく叙情性のあふれる傑作を多く残した。管弦楽曲は少ないが、映画『吹雪』や『時よ、前進!』のための音楽、そしてこの《小三部作》などは、ロシア音楽好きにはよく知られている。フェドセーエフはスヴィリドフの作品を昔から積極的に演奏しており、合唱付きの作品を含め、録音も多い。《小三部作》は1964年の作品で、弱音器付きの弦楽器がロシア正教の聖歌風の旋律を歌う第1曲(アレグロ・モデラート・ウン・ポーコ・ルバート)、トロンボーンやテューバの重厚な咆哮(ほうこう)ではじまる第2曲(コン・トゥッタ・フォルツァ、ウン・ポーコ・マエストーソ)、チェレスタ、ハープ、ピアノの刻む和音にのせて、ヴァイオリンとフルートがくっきりとした旋律を歌う第3曲(アレグロ・モデラート)からなる。

(増田良介)

演奏時間:約10分
作曲年代:1964年
初演:1966年2月5日、エフゲーニ・スヴェトラーノフ指揮、ソヴィエト国立交響楽団

プロコフィエフ/歌劇「戦争と平和」-「ワルツ」(第2場)〇

セルゲイ・プロコフィエフ(1891〜1953)は、生涯に7作のオペラを完成した。文豪レフ・トルストイの有名な長編小説に基づく《戦争と平和》は、晩年の作曲者が心血を注いだ大作だ。プロコフィエフは1941年にこの作品を書きはじめ、1943年には初稿を完成しているのだが、長大で登場人物の非常に多い作品とあって、上演はなかなか実現しなかった。作曲者は、亡くなるまでの10年間、何度も改訂を繰り返したが、結局、彼の生前に完全な上演が実現することはなかった。現在上演される場合も、ある程度の短縮が行われることが多い。本作の中心的な登場人物であるナターシャ・ロストヴァとアンドレイ・ボルコンスキーが舞踏会ではじめて言葉を交わす場面で演奏されるワルツは、本作でもっとも有名な曲のひとつで、単独で演奏される場合も少なくない。プロコフィエフ自身も、のちに、管弦楽のための《ワルツ組曲》(作品110)に含めたり、ピアノ編曲を行ったりしている。

(増田良介)

演奏時間:約6分
作曲年代:1941〜1952年
初演:1946年6月12日、レニングラード、マールイ劇場、サムイル・サモスード指揮(2部構成のうち第1部のみの上演)

A. ルビンシテイン/歌劇「悪魔」のバレエ音楽-「少女たちの踊り」〇◆

現在、アントン・ルビンシテイン(1829〜1894)の作品を耳にすることは少ないが、彼はロシアの音楽史上もっとも重要な音楽家のひとりだ。ルビンシテインは当時最高のピアニストであり、オペラや交響曲など多数の作品を書いた作曲家であり、多くの新しい作品を紹介した指揮者であり、サンクトペテルブルク音楽院を創設してチャイコフスキーらを育てた教育者でもあった。13曲ある彼のオペラのうち、レールモントフの原作に基づいて1871年に書かれた《悪魔》はもっとも有名な作品で、ロシアでは現在でもときどき上演される。物語は、公女タマラに恋をした悪魔が彼女を誘惑し、ついに口づけを奪うが、タマラは死んで救済され、悪魔は永遠の孤独を宣告されるというものだ。〈少女たちの踊り〉は、第2幕、タマラとシノダル王子の結婚式の前に踊られるバレエ音楽の一部で、この直後、結婚式に向かう道中、タタール人に襲撃されたシノダル王子の遺体が運び込まれる。

(増田良介)

演奏時間:約6分
作曲年代:1871年
初演:1875年1月25日(ロシア旧暦13日)、サンクトペテルブルク、マリインスキー劇場、エドゥアルド・ナプラヴニク指揮

グリンカ/歌劇「イワン・スサーニン」-「クラコーヴィアク」〇

ミハイル・グリンカ(1804〜1857)の《歌劇「イワン・スサーニン」》は、1836年に完成された。農民イワン・スサーニンが、若き皇帝ミハイルを殺そうとするポーランド軍を騙(だま)して森の奥へと導き、自らを犠牲にして皇帝を救うという物語を、民謡風の旋律を取り入れた音楽によって描くこの作品は、最初のロシア的なオペラとして成功を収め、グリンカは、この作品によって、ロシア音楽の祖として後世まで敬愛されることになった。この歌劇の第2幕は、ポーランド軍の陣営で催される舞踏会の場面で、ポロネーズ、クラコーヴィアク、マズルカ(いずれもポーランドの民族舞曲)、それにワルツといった舞曲が登場する。クラコーヴィアクはシンコペーションが特徴的な2拍子の舞曲で、グリンカの時代、ウィーンやパリ、そしてロシアでも非常に人気があった。なお、ショパンの《ピアノ協奏曲第1番》の終楽章にもクラコーヴィアクのリズムが取り入れられている。

(増田良介)

演奏時間:約5分
作曲年代:1836年
初演:1836年12月9日(ロシア旧暦11月27日)、サンクトペテルブルク、ボリショイ・カーメンヌイ劇場、カッテリーノ・カヴォス指揮

リムスキー・コルサコフ/歌劇「雪娘」組曲〇

ニコライ・リムスキー・コルサコフ(1844〜1908)が生涯を通じてもっとも力をそそいだのは、完成したものだけで15作に及ぶ、オペラの分野だった。第3作《雪娘》は、アレクサンドル・オストロフスキーの同名の童話にもとづき、1881年に完成した作品で、プロローグと全4幕からなる大作だ。物語はやや複雑だが、中心となっているのは、マロース翁(厳寒の擬人化)と「春の美」の間に生まれたスニェグーロチカ(雪娘)が、愛に強く憧れて人間界に赴き、愛を知ったために朝日を浴びて消えてしまうという、神話的、民俗的な物語だ。リムスキー・コルサコフの音楽は、オーケストレーションのすばらしさは言うまでもなく、ライトモティーフなどの技法も効果的に用いた見事なもので、作曲者自身、《雪娘》は自分の最高のオペラだと考えていたようだ。組曲は1895年に出版されたもので、4曲からなる。

第1曲〈序奏:美しい春〉 全曲の序奏。氷に閉ざされた冬とおだやかな春が表現される。
第2曲〈鳥たちの踊り〉 プロローグ後半より。オペラでは女声合唱とソプラノが入るが、組曲では管弦楽のみで演奏されることが多い。
第3曲〈ベレンデイ皇帝の行列〉 第2幕より。雪娘は、他人の恋人を奪ったかどで皇帝の前に呼び出される。
第4曲〈軽業師の踊り〉 第3幕より。太陽神ヤリーロを讃(たた)える日の前に行われる祭りの一環。

(増田良介)

演奏時間:約13分
作曲年代:[オペラ]1880年2月~1881年3月 [組曲]1895年
初演:1882年2月10日(ロシア旧暦1月29日)、サンクトペテルブルク、マリインスキー劇場、エドゥアルド・ナプラヴニク指揮

チャイコフスキー(フェドセーエフ編)/バレエ組曲「眠りの森の美女」●

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840〜1893)の三大バレエ、すなわち《白鳥の湖》《眠りの森の美女》《くるみ割り人形》という3作品は、いずれもバレエの歴史における屈指の名作として、現在でも世界各地で上演されている。このうちの第2作にあたる《眠りの森の美女》は、サンクトペテルブルクの帝室劇場(マリインスキー劇場)の支配人だったイワン・フセヴォロシスキーからの依頼により1888年に着手された。フセヴォロシスキーは、当時衰退していたロシア・バレエを改革するには質の高いバレエ音楽が必要だと考え、チャイコフスキーに作品を依頼したのだった。

原作は、古い伝説にもとづいてフランスの詩人シャルル・ペローが著した童話で、台本はフセヴォロシスキー自身が担当した。チャイコフスキーは、振付師プティパの事細かな注文に応じつつ仕事を進め、翌年5月にスケッチの形で完成、8月後半には全曲のオーケストレーションも終了した。劇場側のこの作品に対する力の入れようは並々ならぬもので、多額の費用をかけ、最高の踊り手たちを集め、リハーサルには皇帝アレクサンドル3世も臨席したという。1890年1月に行われた初演は、《白鳥の湖》ほどの失敗ではなかったが、大成功にはほど遠いものだった。皇帝は短い称賛の言葉を与えたが、これもチャイコフスキーが期待していたほどの反応ではなかったようだ。作品は、フセヴォロシスキーに献呈された。20歳の誕生日に邪悪な妖精の魔法で長い眠りにつき、100年後にデザイア王子の接吻(せっぷん)で目覚めるオーロラ姫の物語はあまりにも有名だ。

《白鳥の湖》や《くるみ割り人形》と同様、この作品は、バレエとして上演されるにとどまらず、オーケストラの演奏会で取り上げられることも非常に多い。その場合、一般的には5曲からなる組曲が演奏されることが多いが、本日は、フェドセーエフ自身が編んだ大規模なセレクションが演奏される。

第1曲〈行進曲〉(プロローグ第1曲) フロレスタン14世の城の大広間。待望の王女オーロラ姫が生まれ、廷臣たちや侍女たちが、忙しそうに洗礼式の準備をしている。
第2曲〈踊りの場〉(プロローグ第2曲) 王女の代母(ゴッドマザー)となる6人の妖精たちが登場する。妖精たちのひとりがリラの精。
第3曲〈パ・ド・シス〉(プロローグ第3曲) 妖精たちは、オーロラ姫のゆりかごのところへ行き、気品、美しさ、優しさなど、それぞれの贈り物を贈る。バレエではこのあと、悪い妖精カラボスが、「オーロラ姫は16歳のときに紡錘(ぼうすい)で指を刺して死ぬ」と呪いをかけるが、リラの精が即座に「死ぬかわりに100年の眠りにつき、王子の接吻(せっぷん)で目覚める」と告げる場面が続く。
第4曲〈ワルツ〉(第1幕第6曲) 第1幕では、16歳のオーロラ姫が眠りにつくまでが描かれる。有名なワルツは、この幕の前半で村の若者たちによって踊られる曲だ。
第5曲〈パ・ダクシオン〉(第2幕第15曲a〈オーロラ姫とデザイア王子の情景〉)
第6曲〈オーロラ姫のヴァリアシオン〉(第2幕第15曲b) 第2幕はオーロラ姫が眠りについてから100年後の世界。彼女のことをリラの精から聞き、その幻影を見たデザイア王子は、彼女を救うことを決意する。
第7曲〈パノラマ〉(第2幕第17曲) リラの精は、真珠貝の小舟に乗って、今は深い森になってしまったフロレスタン14世の宮殿へと王子を導く。
第8曲〈アダージョ〉(第3幕第25曲〈パ・ド・カトル〉) 第3幕は、オーロラ姫とデザイア王子の華やかな結婚式で、童話の主人公たちなどがお祝いに訪れて、踊りを披露する。なお、この曲はもともと、シンデレラ姫とフォルチュネ王子、青い鳥とフロリーヌ姫による4人の踊りだったが、初演時には青い鳥とフロリーヌ姫だけの踊りに変更された。現在でもそれが踏襲されることが多い。
第9曲〈テンポ・ディ・マズルカ〉(第3幕第30曲〈終曲〉) 結婚式の最後に踊られる力強いマズルカ舞曲。バレエでは、このあと〈アポテオーズ〉があって、バレエ全曲の幕が閉じられるのだが、フェドセーエフのセレクションではあと3曲演奏される。
第10曲〈サラバンド〉(第3幕第29曲) ゆったりした3拍子の舞曲。結婚式の列席者たちが踊る舞曲のひとつで、バレエではマズルカの直前に置かれている。
第11曲〈銀の妖精〉(第3幕第23曲〈ヴァリアシオンII〉) 第23曲は、金、銀、サファイア、ダイヤモンドの精が踊るパ・ド・カトル。銀の精の踊りは軽快なポルカとなっている。
第12曲〈オーロラ姫とデザイア王子のアダージョ〉(第1幕第8曲a〈パ・ダクシオン:アダージョ〉) 第1幕第8曲の〈パ・ダクシオン〉は4つの部分からなる。最初の〈アダージョ〉は、16歳のオーロラ姫に求婚する4人の王子たちがバラを贈る場面で、「バラのアダージョ」として知られる。

(増田良介)

演奏時間:約39分
作曲年代:1888年10月~1889年8月
初演:[原曲]1890年1月15日(ロシア旧暦3日)、サンクトペテルブルク、マリインスキー劇場、リッカルド・ドリゴ指揮、マリウス・プティパ振付

◆当初発表の曲目から変更となりました

ARTISTS出演者

平石章人〇さんの画像 指揮平石章人〇

上野学園大学・研究生『指揮専門』にて、下野⻯也、大河内雅彦に指揮を学ぶ。その後東京音楽大学にて広上淳一、田代俊文にも指導を受ける。2017年に渡欧し、ウィーン国立音楽演劇大学にて、ヨハネス・ヴィルトナーのもとで研鑽を積む。2021年9月よりNHK交響楽団にて当時の首席指揮者、パーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務め、2022年1月からは同団の指揮研究員として公演に携わっている。これまでに東京フィルハーモニー交響楽団、広島ウインドオーケストラを指揮したほか、N響室内楽公演での指揮を担当。また「ポケモン × NHK交響楽団スペシャルオーケストラ2023」ではNHK交響楽団スペシャルオーケストラを指揮した。オペラの分野でも活動の幅を広げており、東京・春・音楽祭の《ローエングリン》にてマレク・ヤノフスキの、ロームシアター開館記念オペラ《フィデリオ》では下野⻯也のアシスタントを務めた。

湯川紘惠●さんの画像 指揮湯川紘惠●

東京藝術大学音楽学部指揮科卒業。同大学大学院音楽研究科指揮専攻卒業。これまでに指揮を高関健、山下一史、尾高忠明、田中良和に、ピアノを小池ちとせ、徳丸聰子、加藤朋子に師事。2018年 スペインにてヨルマ・パヌラのマスタークラスを受講し、カルロス3世劇場で行われた修了演奏会に出演。2021年リッカルド・ムーティによるオーディションを経てリッカルド・ムーティ・イタリアン・オペラ・アカデミーを受講。東京・春・音楽祭において「リッカルド・ムーティ introduces 若い音楽家による《マクベス》」に出演。英国ロイヤル・オペラにてジェット・パーカー・ヤング・アーティスト・プログラム主催のマスタークラスを受講し、リンブリー・シアターで行われた最終公演でシティ・オブ・ロンドン・シンフォニアを指揮。2021年9月より NHK 交響楽団にてパーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務め、2022年1月より指揮研究員として同団の公演に携わる。

※当初出演予定のウラディーミル・フェドセーエフ(指揮)から変更いたします。

TICKETチケット

定期公演 2023-2024シーズン
Aプログラム

第1997回 定期公演
Aプログラム

NHKホール
Googleマップ
座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2023年7月27日(木)10:00am
定期会員について

一般発売日:2023年7月30日(日)10:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席 E席
一般 9,100円 7,600円 5,900円 4,800円 3,800円 2,000円
ユースチケット 4,000円 3,500円 2,800円 2,100円 1,500円 1,000円

※価格は税込です。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
N響ガイドでのお申し込みは、公演日の1営業日前までとなります。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。
(要登録)

定期会員券
発売開始日

年間会員券/シーズン会員券(AUTUMN)
2023年7月17日(月・祝)10:00am
[定期会員先行発売日: 2023年7月9日(日)10:00am]

お問い合わせ・
お申し込み

BROADCAST放送予定

NHK-FMNHK-FMベスト オブ クラシック
「第1997回 定期公演 Aプログラム」

2023年11月30日(木) 7:30PM~ 9:10PM

曲目: スヴィリドフ/小三部作〇
プロコフィエフ/歌劇「戦争と平和」-「ワルツ」(第2場)〇
A. ルビンシテイン/歌劇「悪魔」のバレエ音楽-「少女たちの踊り」〇◆
グリンカ/歌劇「イワン・スサーニン」-「クラコーヴィアク」〇
リムスキー・コルサコフ/歌劇「雪娘」組曲〇
チャイコフスキー(フェドセーエフ編)/バレエ組曲「眠りの森の美女」●
◆当初発表の曲目から変更となりました

指揮:平石章人〇

指揮:湯川紘惠●

収録:2023年11月25日 NHKホール

主催:NHK / NHK交響楽団

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