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定期公演 2022-2023シーズンCプログラム
第1984回 定期公演 Cプログラム

NHKホール
Googleマップ 座席表

※休憩のない、60分~80分程度の公演となります。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。

ABOUT THIS CONCERT特徴

2022年9月にNHK交響楽団首席指揮者に就任したファビオ・ルイージによる、フランス音楽のプログラム。しかもこの2作品はほぼ同時代、19世紀末に作曲されたもの。一方は1888年、他方は1896年と、10年と違ってはいないのであるが、様式や表現が全く異なり、この時代のフランス音楽の幅の広さを見せている。ファビオ・ルイージと、フランス近代作品に特にその理想の演奏解釈を見せるパスカル・ロジェによって、この2作品がどのように料理されるのか聴きものである。
(野平一郎)

PROGRAM曲目

サン・サーンス/ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 作品103「エジプト風」

フランスの作曲家には同時にオルガニストないしピアニストの経歴を持ち、それが作風に大いに影響を及ぼす場合が多い。通常はこのどちらかであるが、シャルル・カミーユ・サン・サーンス(1835~1921)は、ピアニストでオルガニストという2つの顔を持つ作曲家である。この時期の作曲家としては珍しく古典的な佇(たたず)まいを持った伝統的な作風によっているのが特徴で、交響曲や各種楽器のための協奏曲やソナタ、室内楽などが有名だが、彼の作品には古典的な音楽の枠にとどまらない側面も多い。特にオペラではこの時代の作曲家らしくロマンティックな表現者としての才能を見せ、また世界初の映画音楽の作曲者でもある。彼の作品にはピアノと木管三重奏のための《デンマークとロシアの歌による奇想曲》、ピアノと管弦楽のための《幻想曲「アフリカ」》、管弦楽のための《アルジェリア組曲》、ヴァイオリンと管弦楽のための《アンダルシア奇想曲》など、異国風タイトルを持った狂詩曲風な作品も多い。しかしそれは単にエキゾティシズムを狙った、絵のような遠方に憧憬を表しているものではなく、実際に見聞したものがほとんどである。この《ピアノ協奏曲第5番》も、エジプト滞在中に書かれたことから「エジプト風」と呼ばれ、特に第2楽章に独特の旋法やリズムを用いてエジプトの情緒を醸し出したり、あるいは実際にヌビア地方の旋律を引用したりしている。サン・サーンスがベートーヴェンとモーツァルトのピアノ協奏曲のソリストとしてデビューしたのは10歳の時という早熟ぶりであったが、1896年にデビュー50周年を祝うコンサートが開かれ、その機会に作曲されてコンサートで作曲家自身がソロを受け持ったのが、この協奏曲である。古典的な形式感に寄り添いながらも、より自由な成熟した境地を見せ、またピアノ・ソロの華麗な名人芸にも事欠かない。第2楽章の独特な和声感と、前後の楽章のより古典的な響きの対照も鮮やかである。
第1楽章 アレグロ・アニマート、へ長調。
第2楽章 アンダンテ─アレグレット・トランクイロ・クアジ・アンダンティーノ、ニ短調。
第3楽章 モルト・アレグロ、へ長調。
(野平一郎)

演奏時間:約27分
作曲年代:1896年
初演:1896年6月2日、作曲者自身のピアノ独奏、ポール・タファネル指揮、パリ音楽院管弦楽団、サル・ プレイエル

フランク/交響曲 ニ短調

セザール・フランク(1822~1890)は、作曲家であると同時にオルガニストである。ピアノや室内楽、オーケストラと、どのジャンルの作品の書式や響きにもオルガニストとしての経験が色濃く反映されていて、どちらかといえばピアニストであったサン・サーンスに比べると、対照的な作風である。実はサン・サーンスとフランクのオルガンの教師は同じ人物(フランソワ・ブノワ)であったし、2人とも1871年の国民音楽協会の創設に関わっているが、作風の相違とも相まって、2人はあまり仲が良くなかったと言われている。サン・サーンスもフランクも共に早熟だったが、現在フランクの作品としてよく演奏されているものは、1884年以降に書かれた最晩年の作品で、この《交響曲ニ短調》をはじめ、ピアノとオーケストラのための《交響的変奏曲》、《ヴァイオリン・ソナタ》、《弦楽四重奏曲》、そして《前奏曲、コラールとフーガ》などがある。こうした晩年の作品には循環形式という技法が使われ、多くの主要モティーフが全曲を統一し、ドイツ・オーストリア音楽に影響された緊密な構成感を持っているのが特徴である。またフランクの音楽はその和声が独特の響きを持っている。リエージュ(ベルギー)生まれということも関係しているかもしれないが、フランスの音楽としては、例外的に極めて重厚な響きに満ちている。《交響曲ニ短調》は、フランクが学生時代に書いたものを除けば唯一の交響曲であり、1887年から1888年にかけて作曲され、1889年に初演された。本作を書くにあたってニ短調を選択したことから、ベートーヴェンの《第9交響曲》の影響も大きいと思われる。
第1楽章 レント─アレグロ・ノン・トロッポ、ニ短調。序奏と主部の冒頭とが異なった調で2度奏でられる。極めて堅固に構成されたソナタ形式による。
第2楽章 アレグレット、変ロ短調。弦楽器のピチカートとハープの伴奏で、イングリッシュ・ホルンが第1楽章の主要主題の変形である主題を奏でる。中間部のスケルツォでは弦楽器による走句。そしてやがてこの2つの主題は、対位法的に重ね合わされる。
第3楽章 アレグロ・ノン・トロッポ、ニ長調。輝かしいフィナーレである。チェロの主題の原型に、ベートーヴェンの《歓喜の歌》を思うのは考えすぎだろうか。ソナタ形式によっているが、すべての主題が循環形式によって緊密に結ばれていて、フランクの成熟した和声連結、構成感、展開技法などを見ることができる。
(野平一郎)

演奏時間:約38分
作曲年代:1887~1888年
初演:1889年2月17日、ジュール・オーギュスト・ガルサン指揮、パリ音楽院演奏協会(パリ音楽院管弦楽団)

[アンコール曲]
5/19:サティー/ジムノペディ 第1番
5/20:サティー/グノシエンヌ 第2番
(ピアノ:パスカル・ロジェ)

ARTISTS出演者

ファビオ・ルイージさんの画像 指揮ファビオ・ルイージ

1959年、イタリア・ジェノヴァ生まれ。デンマーク国立交響楽団首席指揮者、ダラス交響楽団音楽監督を務める。N響とは2001年に初共演し、2022年9月首席指揮者に就任。ハイドン、モーツァルトからマーラー、R. シュトラウスまでドイツ系を中心とする幅広いレパートリーで、丹念に磨き込んだ「歌」と、圧倒的な情熱で聴き手を虜にしている。
これまでにメトロポリタン歌劇場首席指揮者、チューリヒ歌劇場音楽総監督、ウィーン交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団および同歌劇場音楽総監督、MDR(中部ドイツ放送)交響楽団芸術監督、スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督などを歴任。このほか、イタリアのマルティナ・フランカで行われるヴァッレ・ディートリア音楽祭音楽監督も務めている。また、フィラデルフィア管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラに定期的に客演し、世界の主要オペラハウスにも登場している。録音には、ヴェルディ、ベッリーニ、シューマン、ベルリオーズ、ラフマニノフ、リムスキー・コルサコフ、マルタン、そしてオーストリア人作曲家フランツ・シュミットなどがある。また、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団とは数々のR. シュトラウスの交響詩を収録しているほか、ブルックナー《交響曲第9番》の解釈は高く評価されている。メトロポリタン歌劇場とのワーグナー《ジークフリート》《神々のたそがれ》のレコーディングではグラミー賞を受賞した。

パスカル・ロジェさんの画像 ピアノパスカル・ロジェ

明るく澄んだ音色と華やかさ、そして優美さが際立つフランスの名手のパスカル・ロジェが、久しぶりにN響定期公演に登場する。パリの音楽一家のもとに生まれ、1971年ロン・ティボー国際コンクールを制して以来、ロジェは、ソリストとして世界各地で活躍するほか、卓越した室内楽奏者として長らく名を馳(は)せてきた。初めてのN響定期公演での演奏は、1977年。外山雄三の指揮でラヴェルの協奏曲を披露した。その後、サン・サーンスの《第2番》、そしてプーランクの《朝の歌》といったレパートリーで定期公演に出演し、ファンを沸かせてきた。古典から現代まで彼の守備範囲は広いが、十八番(おはこ)はやはりフランス近代音楽ではないだろうか。今回のファビオ・ルイージとの共演では、サン・サーンスの《ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」》が選ばれた。モーツァルトばりの神童として知られ、名ピアニストにして、器楽からオペラ、映画音楽に至るまで多作家だったサン・サーンスだが、《エジプト風》はまばゆい技巧と洒脱(しゃだつ)な響きに彩られた名作。まさにロジェの本領が発揮されるプログラムといっても過言ではない。
[伊藤制子/音楽評論家]

PRE-CONCERT CHAMBER MUSIC PERFORMANCE開演前の室内楽

開演前の室内楽

曲目:ロパルツ/前奏曲、海とシャンソン─第1曲「前奏曲」、第3曲「シャンソン」

出演者

出演者の画像
フルート
神田寛明
出演者の画像
ヴァイオリン
大鹿由希
出演者の画像
ヴィオラ
佐々木 亮
出演者の画像
チェロ
中 実穂
出演者の画像
ハープ
早川りさこ

MOVIEムービー

【マエストロ・メッセージ】ファビオ・ルイージ/5月N響定期公演Cプログラム

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TICKETチケット

定期公演 2022-2023シーズン
Cプログラム

第1984回 定期公演
Cプログラム

NHKホール
Googleマップ
座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2023年3月1日(水)11:00am
定期会員について

一般発売日:2023年3月5日(日)11:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席 E席
一般 7,400円 6,500円 5,200円 4,200円 3,200円 1,600円
ユースチケット 3,500円 3,000円 2,400円 1,900円 1,400円 800円

※価格は税込です。
ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。
※発熱等の体調不良時にはご来場をお控えください。
※適切な手指の消毒、咳エチケットにご協力ください。
※「ブラボー」等のお声掛けをされる際は、マスクの着用にご協力をお願いいたします。

定期会員券
発売開始日

年間会員券 7月18日(月・祝)11:00am
 [定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

シーズン会員券 2023年2月17日(金)11:00am
 [定期会員先行発売日:2023年2月14日(火)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

(要登録)

WEBセレクト3+

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になるチケットです。

WEBチケットN響のみでの発売となります

お問い合わせ・
お申し込み

N響ガイド TEL:0570-02-9502

WEBチケットN響

BROADCAST放送予定

EテレEテレクラシック音楽館
「第1984回 定期公演 Cプログラム」

2023年7月 9日(日) 9:00PM~11:00PM

曲目: サン・サーンス/ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 作品103「エジプト風」
フランク/交響曲 ニ短調

指揮:ファビオ・ルイージ

ピアノ:パスカル・ロジェ

収録:2023年5月19日 NHKホール

配信でもご覧いただけます

NHKオンデマンド

※動画配信サービス(有料)/配信期限有り

NHKプラス

※同時配信サービス・登録制/放送後から7日間見逃し番組配信も行われます

主催:NHK / NHK交響楽団

※CプログラムはNHKホール改修工事の終了にともない、今シーズンより会場をNHKホールに戻して開催します
※C-1の開演時刻は7:30pmとさせていただきます

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