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定期公演 2022-2023シリーズBプログラム
第1976回 定期公演 Bプログラム

サントリーホール
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※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

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ABOUT THIS CONCERT特徴

ひとつひとつの旋律や伴奏を、どの楽器に振りわけるか。オーケストレーション(管弦楽化)は創作の最終段階であると同時に、個性を発揮する大きなチャンスでもある。
本日のプログラムは互いに関係の深い3人の作曲家の音楽からなるが、オーケストレーションの点では、簡素なものから非常に入念なものまで、じつに対照的な作品が並んでいる。通して聴けば、オーケストレーションの技法が持つ豊かな可能性をあらためて実感できるだろう。(太田峰夫)

PROGRAM曲目

バルトーク/ヴィオラ協奏曲(シェルイ版)

ベーラ・バルトーク(1881~1945)がウィリアム・プリムローズからの依頼でヴィオラ協奏曲を書くことを決めたのは、1945年1月のことだった。健康上の理由でなかなか着手できなかったものの、7月に入り、《ピアノ協奏曲第3番》の作曲が予想外にはかどったため、新作に取りかかることを決めたようだ。9月8日、ニューヨークに戻った彼ははやくも依頼者に、以下のように報告している。
 「草稿が出来上がったことをお知らせできるのが、とてもうれしいです。あとは総譜だけ書かねばなりませんが、それはいわば純粋に機械的な作業となるでしょう」。
 総譜は「5~6週間のうちに」届けられるはずだった。ところが持病の白血病が悪化し、バルトークは9月26日に帰らぬ人となってしまう。現在「シェルイ版」として知られる《ヴィオラ協奏曲》は、残された草稿をもとに友人のティボル・シェルイが作成した、補作の産物にほかならない。
 バルトークが残した草稿は現在、ファクシミリ版で確認できる。そこからわかるのは、独奏パートがほとんど出来上がっていたのに対し、伴奏パートは2段ないし1段の五線譜に書かれていたにすぎず、しかも省略が多い、ということだ。第三者にとって、総譜の完成がけっして「純粋に機械的な作業」ではなかったことは明らかだが、シェルイはあえてこの課題に挑んだ。彼の解釈は全体として抑制的だったが、加筆が必要と判断した場所(第2楽章中間部)については既存のバルトークの作品(《弦楽四重奏曲第5番》第4楽章後半)を参考にするなど、創意工夫を発揮することもあった。解釈の正統性に関しては今日、いろいろな問題点が指摘されているが、シェルイが故人との共同作業を通じて、結果的にヴィオラのレパートリーに貴重な貢献をしたことは間違いないだろう。
第1楽章はモデラート、4分の4拍子、ハ調─レント・パルランド、4分の4拍子、変ホ調。ソナタ形式。擬似民謡風の冒頭主題はこのあと、第1楽章、第2楽章の終わりでそれぞれ回想される。レント部分は第2楽章への序奏を兼ねている。第2楽章はアダージョ・レリジョーソ、4分の4拍子、ホ調─アレグレット、4分の2拍子、変ホ調。アダージョは3部構成。独奏ヴィオラの長いソロのあと、次の楽章に向けた序奏がはじまる。第3楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェ、4分の2拍子、イ調。自由なロンド形式。中間部のバグパイプ風エピソードは、プリムローズがスコットランド出身であることを意識したものだろう。
(太田峰夫)

演奏時間:約20分
作曲年代:1945年7~9月
初演:1949年12月2日、ミネアポリス・ノースロップ記念講堂、ミネアポリス交響楽団、ウィリアム・プリムローズ独奏、アンタル・ドラティ指揮

ラヴェル/「ダフニスとクロエ」組曲 第1番、第2番

モーリス・ラヴェル(1875~1937)がバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の興行主セルゲイ・ディアギレフからバレエ曲の依頼を受けたのは、1909年のことだった。題材は『ダフニスとクロエ』。2世紀の詩人ロンゴスによる古代ギリシャ語の田園詩である。台本を作成した振付師ミハイル・フォーキンは「アッティカの壺(つぼ)に赤や黒で描かれている古代の踊りのかたちのイメージを取り戻し、それを力強く表現する」ことを望んだ。対照的にラヴェルは、この題材によるフランス絵画からの連想で、「18世紀末のフランスの画家達が想像を駆使して描いたもの」に似通った「巨大なフレスコ画」を作ることを意図したという。
言葉の壁もあり、フォーキンとの調整には長い時間を要した。さらにラヴェル自身も忙しかったことから、初演は何度も延期せざるをえなかった。その結果、稽古の時間が十分にとれず、1912年6月8日のバレエ世界初演は今ひとつ盛り上がらなかったようだ。その一方、ラヴェルがつくった音楽自体は近代フランス音楽の到達点のひとつとして、その完成度を高く評価されることとなった。
このバレエには組曲が2つある。《組曲第1番》はバレエ第1部終わりから第2部にかけての音楽に相当し、3つの部分にわけられる。〈夜想曲〉は海賊が来襲し、クロエが連れ去られたあとからの音楽。祭壇が不思議な光で包まれ、3人のニンフがダフニスを蘇(よみがえ)らせる。山なりの「ダフニスの動機」が奏でられ、主人公はパンの神に祈りをささげる。〈間奏曲〉は管楽器主体の静かな音楽。音量が次第に増していき、ファンファーレとともに舞台は海賊の陣営へと移る。〈戦いの踊り〉は海賊達の舞曲。スタッカートと大きな跳躍からなる主題と、レガートでつながった16分音符の速いパッセージが交互にあらわれ、興奮の度合いが次第に高まっていく。
《組曲第2番》はバレエ第3部の音楽に相当する。〈夜明け〉では海賊から解放されたクロエが、恋人ダフニスと再会。〈無言劇〉ではフルートの奏でる音楽にあわせ、ダフニスがパンの神を、クロエがその恋人シランクスを演じる。〈全員の踊り〉は本作の大団円。バレエ前半の回想をはさみつつ、壮大なクライマックスが築かれる。ボロディン《だったん人の踊り》を彷彿(ほうふつ)とさせる管弦楽の壮麗な響きや、4分の5拍子の独特なリズムは、当時のラヴェルが、ロシア音楽からいかに強い感化を受けていたかを物語っている。
(太田峰夫)

演奏時間:[組曲第1番]約12分[組曲第2番]約18分
作曲年代:1909年6月~1912年6月
初演:[組曲第1番]1911年4月2日、パリ・シャトレ劇場、コロンヌ管弦楽団、ガブリエル・ピエルネ指揮[組曲第2番]不明

ドビュッシー/交響詩「海」

クロード・ドビュッシー(1862~1918)は友人の作曲家メサジェにあてた1903年9月の手紙の中で、かつて航海士になることを夢見ていたと明かしている。海を題材にした「交響的スケッチ」の構想を彼がいつ頃抱くようになったかは定かではないが、出版社との間では、この計画は早くから話し合われていたようだ。実際の創作については、ブルゴーニュ地方に滞在していた1903年8月に着手したことがわかっている。
作品の完成は1905年3月のことだが、それまでの1年半の間に、作曲家の私生活には大きな変化があった。エンマ・バルダックとの出会い(1903年10月)は不倫の恋愛へと発展し、やがて発覚すると、妻の自殺未遂、友人達の別離といった出来事が相次いだのだ。その間、ドビュッシーには海のそばで過ごす暇がほとんどなかった。いわば彼は記憶の中の「海」を頼りに、本作を書かざるをえなかったのである。
楽曲構造は独特で、ソナタ形式のような伝統的な形式との関連性を見出すことは難しい。ただ、ゆったりとした序奏ではじまり、コラール風主題で終わるという劇的枠組みや、スケルツォ楽章を中央に配置した3楽章構成、フランクを思わせる循環主題の技法などにより、本作がほとんど交響曲のように、手堅く構成されている点は注目に値しよう。名実ともに「巨匠」に変貌しつつあったこの時期のドビュッシーならではの、傑出した作品である。
第1曲「海の夜明けから真昼まで」変ニ調。5つの部分からなる(A─B─C─D─E)。序奏(A)では曖昧(あいまい)な響きの中、息の長い、弧を描くような主要主題が提示される。活発な部分(B)を経て、第3の部分(C)ではチェロの新しい主題と主要主題が展開。つかの間の停滞(D)を経て、結尾部(E)ではホルンの新しい主題とトランペットの旋律が輝かしく響き渡る。第2曲「波の戯れ」ホ調。自由な2部形式。前半では木管楽器による3連符の主題、ヴァイオリンとフルートによるワルツ風の主題が提示される。後半は既出素材の展開からなり、終盤ではワルツ風主題を起点に、大きな山場が築かれる。第3曲「風と海との対話」変ニ調。自由なロンド形式で書かれている(A─B─A'─C─B'─B''─結尾部)。Aにおいて第1曲主要主題があらためて登場するのに対し、Bではせりあがるような、3連符の主題が繰り返される。Cのコラール風主題は、第1曲結尾部のホルンの主題に由来する。3連符主題が大きな盛り上がりを見せたあと(B'')、終結部ではここまでの主題を重ね合わせつつ、華やかに曲が閉じられる。
(太田峰夫)


演奏時間:約25分
作曲年代:1903年8月~1905年3月5日
初演:1905年10月15日、パリ・新劇場、ラムルー管弦楽団、カミーユ・シュヴィヤール指揮


[アンコール曲]
1/25、26:バルトーク(ペーテル・バルトーク編)/44のヴァイオリン二重奏曲(ヴィオラ版)―第37番「プレリュードとカノン」
(ヴィオラ/アミハイ・グロス 、佐々木亮)

ARTISTS出演者

トゥガン・ソヒエフさんの画像 指揮トゥガン・ソヒエフ

ロシアのウクライナ侵攻後、トゥガン・ソヒエフは、2008年から音楽監督を務めていたトゥールーズ・キャピトル管弦楽団の役職と2014年に就任したモスクワのボリショイ劇場の音楽監督兼首席指揮者の座を自らの意思で退いた。
1977年、旧ソビエト連邦・北オセチアのウラジカフカスで生まれたソヒエフは、サンクトペテルブルク音楽院で伝説的な名教師ムーシンとテミルカーノフに指揮法を師事。1999年にプロコフィエフ国際コンクール指揮部門で最高位(第1位なしの第2位)を得て注目を集め、マリインスキー劇場での仕事を通じてゲルギエフの薫陶も受けている。コンサートとオペラの両分野で活躍し、ロシアの作品ではインパクトに富んだアプローチを繰り広げ、フランス音楽の指揮ぶりにも定評がある。また、2012年から2016年まで音楽監督兼首席指揮者を務めたベルリン・ドイツ交響楽団では、ドイツ系の作品でオーケストラを重厚に響かせるなど、40代半ばでありながら、多彩なひきだしを備えたマエストロである。
N響とは、2008年10月に初めて共演、2013年11月定期公演に初登場。以来、たびたび共演を重ねており、ロシア音楽だけでなく、ドイツ音楽、フランス音楽、さらには武満徹を取り上げている。近年、息の合ったコンビネーションを発揮しているだけに、今回の共演にも大いに期待したい。

[満津岡信育/音楽評論家]

アミハイ・グロスさんの画像 ヴィオラアミハイ・グロス

1979年、イスラエルのエルサレム生まれ。5歳からヴァイオリンを学び、11歳でヴィオラに転向した。エルサレムでデーヴィッド・チェンに、その後、フランクフルトとベルリンでタベア・ツィンマーマンに師事した。1995年、仲間たちとともにエルサレム弦楽四重奏団を創設。国際的な活躍を展開し、チューリヒのトーンハレ、ロンドンのウィグモア・ホール、アムステルダムのコンセルトヘボウなどの主要ホールで公演を行い、レコーディング活動ではBBCミュージック・マガジン室内楽賞やエコー・クラシック賞を受賞した。
2010年よりベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1首席ヴィオラ奏者に就任し、オーケストラ奏者として新たなキャリアをスタートさせた。また近年はソリストとしての活動にも力を入れており、ダニエル・バレンボイム指揮ウェスト・イースタン・ディヴァン管弦楽団などの著名楽団と共演している。N響とは今回が初共演。バルトークの《ヴィオラ協奏曲》で、独奏楽器としてのヴィオラの魅力を存分に伝えてくれることだろう。使用楽器は1570年製のガスパーロ・ダ・サロ。
[飯尾洋一/音楽ジャーナリスト]

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TICKETチケット

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第1976回 定期公演
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1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2022年10月27日(木)11:00am
定期会員について

一般発売日:2022年10月30日(日)11:00am

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料金

S席 A席 B席 C席 D席
一般 8,900円 7,400円 5,800円 4,700円 3,700円
ユースチケット 4,000円 3,500円 2,800円 2,100円 1,500円

ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※この公演のお取り扱いは、WEBチケットN響およびN響ガイドのみです。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。

定期会員券
発売開始日

年間会員券 7月18日(月・祝)11:00am
 [定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

※要登録/取り扱いはN響ガイドのみ

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WEBチケットN響のみでの発売となります

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N響ガイド TEL:03-5793-8161

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主催:NHK / NHK交響楽団

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