ページの本文へ

  1. ホーム
  2. コンサート情報
  3. 定期公演 2022-2023シリーズ
  4. Aプログラム
  5. 第1974回 定期公演 Aプログラム

定期公演 2022-2023シリーズAプログラム
第1974回 定期公演 Aプログラム

※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

東京都のイベント開催時チェックリストはこちら

ABOUT THIS CONCERT特徴

ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770~1827)とヨハネス・ブラームス(1833~1897)。ともにウィーンを後半生の本拠地に定め、この街を中心に西洋音楽の発展に大きく貢献しただけでなく、眉を寄せて深刻な作品を数多く書いたイメージが強い。そうしたなかで、今回取り上げられる曲はいずれも、変ロ長調を基調に意外な穏やかさや愛らしさを湛(たた)え、彼らの曲としては例外的存在と見なされることが多いが、果たしてどうか。闇ゆえに輝く光、あるいは光のなかに蠢(うごめ)く闇が、これらの作品の核心にあるとしたら……。(小宮正安)

PROGRAM曲目

ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83

生前はピアノの名手としても名を馳(は)せたブラームス。そのような彼は、2曲のピアノ協奏曲を残しているが、両者は対照的な性格を帯びていると言われることが多い。
青春の激情や苦渋を色濃く湛(たた)えるとともに、いかなる手段や方法を用いて自らの世界を表現するかという苦心惨憺(さんたん)が刻まれた《ピアノ協奏曲第1番》。その22年後に書かれた《ピアノ協奏曲第2番》は、功成り名遂げたブラームスが、風光明媚(めいび)なイタリアに初めて旅行をするなかで着想を得ただけのことはあって、全体的には穏やかで平和な雰囲気が支配的だ。第1楽章冒頭、「角笛」を思わせるようなホルンの旋律によって、ピアノが中低音でしみじみと分散和音を奏でる箇所からも、それはよくわかる。
ところが、ピアノの独奏部分がひとまず終わり、オーケストラの部分に入ると、徐々に苦渋や苦悩を色濃く宿した楽想が入り込む。「タタタター」というブラームス……あるいは彼が崇拝していたベートーヴェンにお馴染(なじ)みの、「運命の動機」も威嚇的に鳴らされる。それが極まるのが第2楽章だ。この楽章は急速な3拍子を基本とするスケルツォの形式で書かれているが、「スケルツォ」の元々の意味が「冗談」だとすると、冗談どころではない苦しみと情熱に溢(あふ)れている。ようやく安らぎが主流になってくるのが、緩やかなテンポを基調とする第3楽章。ピアノではなく、チェロ独奏がメロディを先導する異例の幕開けだが、ここでも奥底に深い痛みを秘めた楽想が随処に聴かれる。長調かと思えばそこに短調が忍び込む、複雑な表現方法の賜物にほかならない。第4楽章のラプソディックな明るさも、どこか屈託を抱えているのが特徴だ。
なお当作品、全曲演奏におよそ50分を要することからも分かるように、交響曲のそれに匹敵するスケールだ。スケルツォを協奏曲に採り入れ、全体を交響曲のごとく4楽章形式に仕立て上げるのも、当時としては実験的な試みだった(なおこれは、「保守派」のブラームスと対極の存在といわれた「革新派」のリスト〔1811~1886〕が、自らのピアノ協奏曲ですでに実践している)。また、《ピアノ協奏曲第1番》にも聴かれるような、ピアノ独奏とオーケストラとがこれ以上ないほど濃密に絡まり合う交響的協奏曲とも呼べる内容が、本作ではさらに推進されている。明るさ一辺倒では測りきれない音楽の深淵(しんえん)。それを象徴する1曲である。

(小宮正安)

演奏時間:約47分
作曲年代:1878~1881年
初演:1881年11月9日、ペスティ・ヴェガード(ブダペスト)、作曲者独奏、アレクザンダー・エルケル指揮、ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン/交響曲 第4番 変ロ長調 作品60

「2人の北欧の巨人(著者注:《交響曲第3番「英雄」》と《交響曲第5番「運命」》)に挟まれたギリシアの乙女」。音楽評論家でもあったシューマン(1810~1856)がこう述べたことから、ベートーヴェンの交響曲のなかでは、軽く明るい作品と見なされることが多い。
ところが、たとえば第1楽章の序奏部はどうだろう。変ロ短調で始まる冒頭部分は、ひっきりなしに調性が変わり、暗い不安感が蠢(うごめ)く。しかもその緊張感が限界点に達し、爆発したところで、一転して眩(まばゆ)い主部に入るという仕掛け。つまり、軽さや明るさなどとは無縁の幕開けである。それもそのはずで、この作品が書かれたのは、1806年から1807年にかけて。つまりベートーヴェンの耳の病が徐々に進行し、さらにナポレオン(1769~1821)率いるフランス軍が1805年にウィーンを軍事占領した記憶も生々しい状況のなかだった。にもかかわらず、いやそうであるがゆえに、この上ない緊張感を背後に抱えたベートーヴェンの創作意欲は増し、次々と傑作を世に送り出していった。
このように考えると、《交響曲第4番》を特徴づける一気呵成(かせい)ともいえるエネルギーも納得できる。先ほども書いたように、第1楽章序奏に満ち満ちるとてつもない闇をバネとして、疾走感に溢(あふ)れる主部が続く。おどけた音色のファゴットが超絶技巧のパッセージを要所要所で奏でるのも聴きどころ(第4楽章にもこの手法が現れる)。緩徐楽章にあたる第2楽章は、冒頭で示される符点リズムが楽章全体に張り巡らされ、その上に優しい歌が奏でられるものの、どこか翳(かげ)りを帯びているのが特徴だ。
第3楽章は、特に記されていないもののスケルツォを基本としており、シンコペーションやヘミオラなど、スケルツォの特徴である3拍子をあえて随処で崩すようなリズム感が特徴だ(これぞ、スケルツォの原義である「冗談」を地で行く姿勢とも言えよう)。そして16分音符による急速なメロディが上昇と下行を熱狂的に続ける第4楽章……。
つまりこの交響曲は、けっしてたおやかな優しい作品ではない。闇が厳然と存在するがゆえの光の世界への希求が、この曲のすべてを貫いている。

(小宮正安)

演奏時間:約38分
作曲年代:1806年頃~1807年
初演:[公開初演]1807年11月15日、ブルク劇場(ウィーン)、作曲者自身の指揮、ブルク劇場付属管弦楽団


[アンコール曲]
1/14:ブラームス/3つの間奏曲 作品117 ― 第1曲 変ホ長調
1/15:ドビュッシー/前奏曲集 第1巻 ー 第8曲「亜麻色の髪の乙女」
(ハオチェン・チャン)

ARTISTS出演者

トゥガン・ソヒエフさんの画像 指揮トゥガン・ソヒエフ

ロシアのウクライナ侵攻後、トゥガン・ソヒエフは、2008年から音楽監督を務めていたトゥールーズ・キャピトル管弦楽団の役職と2014年に就任したモスクワのボリショイ劇場の音楽監督兼首席指揮者の座を自らの意思で退いた。
1977年、旧ソビエト連邦・北オセチアのウラジカフカスで生まれたソヒエフは、サンクトペテルブルク音楽院で伝説的な名教師ムーシンとテミルカーノフに指揮法を師事。1999年にプロコフィエフ国際コンクール指揮部門で最高位(第1位なしの第2位)を得て注目を集め、マリインスキー劇場での仕事を通じてゲルギエフの薫陶も受けている。コンサートとオペラの両分野で活躍し、ロシアの作品ではインパクトに富んだアプローチを繰り広げ、フランス音楽の指揮ぶりにも定評がある。また、2012年から2016年まで音楽監督兼首席指揮者を務めたベルリン・ドイツ交響楽団では、ドイツ系の作品でオーケストラを重厚に響かせるなど、40代半ばでありながら、多彩なひきだしを備えたマエストロである。
N響とは、2008年10月に初めて共演、2013年11月定期公演に初登場。以来、たびたび共演を重ねており、ロシア音楽だけでなく、ドイツ音楽、フランス音楽、さらには武満徹を取り上げている。近年、息の合ったコンビネーションを発揮しているだけに、今回の共演にも大いに期待したい。

[満津岡信育/音楽評論家]

ハオチェン・チャンさんの画像 ピアノハオチェン・チャン

ハオチェン・チャンは中国出身の俊英ピアニスト。1990年に上海で生まれ、上海音楽院小学校から深圳芸術大学に進んで但昭義に学んだ。2005年からフィラデルフィアのカーティス音楽院で名教授ゲイリー・グラフマンに師事。2009年、第13回ヴァン・クライバーン国際コンクールで辻井伸行とともに第1位を得て、同コンクール史上の最年少優勝者となった。以来、母国はもとより、ロリン・マゼール指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団との共演、BBCプロムスへの出演を含めて、欧米でも目覚ましく活躍している。来日の機会も多く、2017年にリサイタル・ツアーを行い、2019年にはヤニック・ネゼ・セガン指揮フィラデルフィア管弦楽団とラフマニノフの《ピアノ協奏曲第2番》を共演している。技巧に自信のある若手らしく、リストやプロコフィエフを得意としつつ、プログラミングには多面的な知性を窺(うかが)わせ、愛着をみせるシューマン、ブラームス、ヤナーチェクのCD録音もある。2022年1月の来日はパンデミックのために叶わず、今回晴れてN響と初共演。トゥガン・ソヒエフの指揮のもと、ブラームスの難曲《ピアノ協奏曲第2番》でその真価を問う。

[青澤隆明/音楽評論家]

DOWNLOADダウンロード

TICKETチケット

定期公演 2022-2023シリーズ
Aプログラム

第1974回 定期公演
Aプログラム

NHKホール
Googleマップ
座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2022年10月27日(木)11:00am
定期会員について

一般発売日:2022年10月30日(日)11:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席 E席
一般 8,900円 7,400円 5,800円 4,700円 3,700円 2,000円
ユースチケット 4,000円 3,500円 2,800円 2,100円 1,500円 1,000円

※価格は税込です。
ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
※開場前に屋内でお待ちいただくスペースはございません。ご了承ください。

定期会員券
発売開始日

年間会員券 7月18日(月・祝)11:00am
 [定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

シーズン会員券 10月19日(水)11:00am
 [定期会員先行発売日: 10月13日(木)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

※要登録/取り扱いはN響ガイドのみ

WEBセレクト3+

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になるチケットです。

WEBチケットN響のみでの発売となります

お問い合わせ・
お申し込み

N響ガイド TEL:03-5793-8161

WEBチケットN響

主催:NHK / NHK交響楽団

※AプログラムはNHKホール改修工事の終了にともない、今シーズンより会場をNHKホールに戻して開催します
※A-2の開演時刻は2:00pmとさせていただきます

閉じる
公演カレンダーを閉じる