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定期公演 2022-2023シーズンBプログラム
第1967回 定期公演 Bプログラム

サントリーホール
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※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

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ABOUT THIS CONCERT特徴

ノルウェーの作曲家エドヴァルト・グリーグ(1843~1907)の《ピアノ協奏曲イ短調》の日本初演は1912年。そしてNHK交響楽団は1926年の結成後、早くも第2回の定期公演でこれを取り上げた(いずれの演奏会もソリストはノルウェー出身のハンカ・シェルデルプ・ペッツォールド)。その後この作品は日本でも多くの演奏家によって演奏され、現在では最も広く知られた協奏曲のひとつとなっている。それに対してデンマークの作曲家カール・ニルセン(1865~1931)の作品にはそこまで知名度の高いものはないが、彼の自由奔放な作風は20世紀後半に世界的に高く評価されるようになり、近年では日本での演奏の機会も増えつつある。本日演奏される《交響曲第3番》は、ニルセンの生前にはヨーロッパで彼の全作品中最大の人気を得た作品であり、ユニークな個性を感じさせてくれるだろう。(小林ひかり)

PROGRAM曲目

グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 作品16

この協奏曲はグリーグが25歳のときに作曲した作品。結婚の翌年で娘が生まれたばかりの、人生の幸せな時期であった(ところがその娘は《ピアノ協奏曲》初演の翌月に1歳で夭逝(ようせい)するという悲劇が起こる)。1868年の夏、グリーグは妻子がコペンハーゲンに住む妻の両親のもとで過ごす間、《ピアノ協奏曲》の作曲に専念するため、コペンハーゲン郊外の田舎町セレレズに滞在する。そこで一緒に過ごした友人のひとりが、この協奏曲が献呈され初演でソリストを務めることになるエドムン・ネウペットだ。グリーグ自身もピアノを巧みに弾いたが、一流ピアニストであるネウペットから助言を得られたのは有意義だった。初演は嵐のような拍手が起こるほどの大成功。その様子を不在だったグリーグに友人たちが手紙で伝えている。ニルス・ゲーゼやアントン・ルビンシテインらの重鎮も特別席で聴いた。
第1楽章冒頭のピアノ独奏は、まるでフィヨルドに落ち込む滝のようで、聴き手に強烈な印象を与える。この「ラ─ソ♯─ミ」という「短2度下行─長3度下行」の音型は、この協奏曲の重要なモティーフ。ノルウェーの民俗音楽によくある特徴で、グリーグの多くの作品に見られることからグリーグ・モティーフとも呼ばれる。第2楽章はイ短調から遠く離れた変ニ長調による緩徐楽章。第3楽章は快活なノルウェー舞踊を思わせる主題を持つ。中ほどでは先述のモティーフがフルートによるヘ長調の叙情的なメロディで出てくる。北欧の夏の山々の清涼な空気を感じさせるようなこのメロディは、コーダの後半では堂々たるクライマックスで登場する。
本作品は同じ調性のシューマンの《ピアノ協奏曲》をモデルにしたと言われている。グリーグはライプツィヒ留学1年目の1858年にシューマンの妻クララが弾くその協奏曲を聴いており、その影響は大きく、確かにいくつかの類似点が認められる。しかしグリーグの協奏曲で前面に出てくるのは、沸き立つような喜びの率直な表現であり、快活さと優しさと純真さがある。そこにノルウェーらしさも加わって、この作品は若きグリーグの個性が存分に発揮された渾身の大作となっている。
(小林ひかり)

演奏時間:約30分
作曲年代:1868年。1872年出版。1882年、1890年、1894~1895年、1906~1907年改稿
初演:1869年4月3日、コペンハーゲン、カシノ大ホール、ホルガー・シモン・パウリ指揮、エドムン・ネウペッ ト独奏

ニルセン/交響曲 第3番 作品27「広がり」*

ニルセンは、作家H. C. アンデルセンの出身地として知られるデンマークのオーゼンセ市の郊外で、12人兄弟姉妹の7番目として生まれた。父親はペンキ職人だが郷土の伝統音楽をフィドルやコルネットで巧みに演奏し、母親は民謡を子どもたちに歌って聞かせた。生活は貧しかったが、心温かい両親のもとで音楽に接しながら育った。14歳でオーゼンセの軍楽隊の楽士となったあと、当時のデンマークの音楽界の中心人物ゲーゼに作曲作品が認められて、18歳から3年間は彼が学長を務めるコペンハーゲン音楽院で学んだ。1889年にはデンマーク王立管弦楽団の第2ヴァイオリン奏者となって各楽器に通暁するようになり、この頃から生涯6曲残すことになる交響曲の作曲への試みが始まる。《交響曲第3番》に取りかかる2年前の1908年には、デンマーク王立管弦楽団の第2指揮者に就任する。オーケストラでの仕事は多忙でストレスも多かったが、指揮者になることでオーケストラの機能をより深く理解するようになり、それは《交響曲第3番》に反映されることになった。初演は大成功。その後もヨーロッパ各地で演奏の機会を得て好評を博した。
《交響曲「広がり」》は原題では「シンフォニア・エスパンシーヴァ(Sinfonia Espansiva)」で、これは第1楽章の発想記号「アレグロ・エスパンシーヴォ」に由来する。ニルセンはこの交響曲についてプログラム・ノートを何度か書いた。第1楽章については、「広い世界に向けて放出されるエネルギーと人生肯定」という言葉で、この楽章の持つ緊張感や前向きな人生観を語っている(1931年3月ストックホルムでの公演に際して)。このようなニルセンの意図は、ラの音のみによる序奏で始まって次々と調が変化していくところに特によく表れている。第2楽章は打って変わって、「自然界の平和と静けさの描写で、入り込んでくるのは鳥などの声のみである」(1912年4月アムステルダム、コンセルトヘボウでの公演に際して)。晩年には、「われわれの最初の祖先アダムとイヴの原罪の前の楽園」とも表現した。この楽章では母音唱法によるバリトンとソプラノのソロが登場するところがユニークである。草稿では当初、「すべての思考は消えた。ああ! 私は空の下に横たわっている」という歌詞が付けられていたが、最終的には歌詞は入れないことになった。第3楽章はスケルツォ風で不安定な性格なのに対し、第4楽章は明快だ。ニルセンの言葉では「労働と健全な日常生活への賛歌」(先のストックホルム公演に際して)。まさに生きる喜びの表現で、力強く前進するその音楽には、人々を勇気づける魅力的な美しさがある。
(小林ひかり)

演奏時間:約39分
作曲年代:1910~1911年4月30日
初演:1912年2月28日、コペンハーゲン、オッドフェロー・コンサートホール、作曲者自身による指揮、デン マーク王立管弦楽団


[アンコール曲]
10/26、27:ヘンデル/調子の良いかじ屋
(ピアノ:オリ・ムストネン)

ARTISTS出演者

ヘルベルト・ブロムシュテットさんの画像 指揮ヘルベルト・ブロムシュテット

1927年生まれ、90代も半ばに差し掛かってきたブロムシュテットは、文字通りN響ともっとも強い絆(きずな)で結ばれてきたマエストロだ。初共演は1981年。それからは2年空くことはほとんどなく、隔年もしくは毎年のように来日してきた。独墺圏を中心とする王道レパートリーは言わずもがな、近年は北欧の作曲家も積極的に取り上げている(今回はBプログラムのグリーグとニルセン)。互いの音楽を知り尽くしたN響との共演は毎回深々とした感動を残し、まさに伝説が生まれる場所となっている。
ピアニストの母、牧師の父の間に生まれ、北欧で指揮者としてキャリアをスタートさせた。深い信仰を持ったこの音楽の伝道師は、1975年に長らく空席の続いていたドレスデン国立歌劇場管弦楽団の首席指揮者に就任してからは同団の黄金時代を築き、同時に自らの名声を世界に広げていく。旧東独政府の芸術への関与を嫌い、1985年にはサンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任(~1995)、さらに北ドイツ放送交響楽団(現NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団、1996~1998)、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1998~2005)を率いた。その後は固定ポストを退いてはいるが、現在に至るまでベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめとする世界中の名門オーケストラを指揮し続けている。N響は1986年に名誉指揮者、2016年には桂冠名誉指揮者の称号を贈っている。
[江藤光紀/音楽評論家]

オリ・ムストネンさんの画像 ピアノオリ・ムストネン

オリ・ムストネンはピアノ、作曲、指揮のいずれにも情熱を注ぐ総合的な音楽家として、独自の信念で現代を生きている。フィンランドのヘルシンキに生まれ、5歳のときピアノ、チェンバロ、作曲を学び始める。ピアノをラルフ・ゴトーニ、エーロ・ヘイノネン、作曲をエイノユハニ・ラウタヴァーラに師事。1980年代半ばから新世代のピアノ・ヴィルトゥオーソとして、透明な音と切れ味のよい技巧、理知的な解釈で注目を集めた。
近年はベートーヴェンやプロコフィエフをはじめ、作曲家としての視点も活かした鋭敏な表現を録音にも結実させる。作曲家としてはピアノや室内楽に留まらず、オーケストラや声楽の作品も発表。指揮活動にも意欲的に取り組み、2021年からトゥルク・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督兼首席指揮者を務めている。1990年以降来日も重ね、N響とは1991年にラフマニノフ《第3番》でピアニストとして初共演。2009年にはベートーヴェンを弾き振り、自作とシベリウスを指揮した。以来ひさびさの登場となる今秋、ブロムシュテット指揮する北欧プログラム、グリーグでの共演に大きな期待がかかる。
[青澤隆明/音楽評論家]

盛田麻央*さんの画像 ソプラノ盛田麻央*

青山 貴*さんの画像 バリトン青山 貴*

フィルハーモニー10月号(PDF)
出演者プロフィール、曲目解説等をご覧いただけます。

TICKETチケット

定期公演 2022-2023シーズン
Bプログラム

第1967回 定期公演 Bプログラム

サントリーホール
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座席表

1回券発売開始日

定期会員先行発売日:2022年8月4日(木)11:00am
定期会員について

一般発売日:2022年8月7日(日)11:00am

チケット購入

料金

S席 A席 B席 C席 D席
一般 9,800円 8,400円 6,700円 5,400円 4,400円
ユースチケット 4,500円 4,000円 3,300円 2,500円 1,800円

ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※この公演のお取り扱いは、WEBチケットN響およびN響ガイドのみです。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。

定期会員券
発売開始日

年間会員券 7月18日(月・祝)11:00am
[定期会員先行発売日: 7月14日(木)11:00am]

ユースチケット

25歳以下の方へのお得なチケットです。

(要登録)

WEBセレクト3+

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になるチケットです。

WEBチケットN響のみでの発売となります

お問い合わせ・
お申し込み

N響ガイド TEL:0570-02-9502

WEBチケットN響

BROADCAST放送予定

EテレEテレクラシック音楽館
「第1967回 定期公演 Bプログラム」

2022年11月20日(日) 9:00PM~11:00PM

曲目: グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
ニルセン/交響曲 第3番 作品27「広がり」*

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

ピアノ:オリ・ムストネン

ソプラノ:盛田麻央*

バリトン:青山 貴*

収録:2022年10月26日 サントリーホール

配信でもご覧いただけます

NHKオンデマンド

※動画配信サービス(有料)/配信期限有り

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※同時配信サービス・登録制/放送後から7日間見逃し番組配信も行われます

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