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NHK交響楽団 台湾公演 2024(レポート)
お知らせ2024年10月 3日
2024年8月、NHK交響楽団は首席指揮者ファビオ・ルイージの指揮、台湾を代表するヴァイオリニストのひとり、ポール・ホアン氏の独奏で、8年振りに台湾公演を行いました。今回は台中、高雄、台北の3都市で公演を開催。
台北以外でN響が公演を開催するのは今回が初めてで、ファビオ・ルイージがN響の海外公演に同行する最初の機会ともなりました。以下、公演に同行した事務局員によるレポートをお届けします。
台北以外でN響が公演を開催するのは今回が初めてで、ファビオ・ルイージがN響の海外公演に同行する最初の機会ともなりました。以下、公演に同行した事務局員によるレポートをお届けします。
2024年8月23日(金) 7:30pm 台中国家歌劇院・大劇院
2024年8月24日(土) 7:30pm 衛武営音楽庁(高雄)
2024年8月25日(日) 7:30pm 国家音楽庁(台北)
ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26
チャイコフスキー/交響曲 第5番 ホ短調 作品64
指揮 : ファビオ・ルイージ
ヴァイオリン : ポール・ホアン
主催:公益財団法人NHK交響楽団、國家交響樂團
共催:

協賛:

8月22日(木)
前日21日に台北入りしたN響一行。国家音楽庁でのリハーサル前に、台湾プレス向けの記者会見が行われ、ファビオ・ルイージ、ソリストのポール・ホアン、NHK交響楽団理事長 中野谷公一らが出席し、台湾公演に向けた抱負を語りました。
ルイージ(右)とホアン(左)
8月23日(金)|台中
N響一同は台中へ移動し、台中国家歌劇院・大劇院での公演に臨みます。台中国家歌劇院はさまざまな施設で構成される総合文化施設。設計には日本の建築家・伊東豊雄が携わり、2016年に正式オープンしました。その建物は曲線を生かした独創的なものとなっており、台中の芸術文化の中心地となっています。前半のブルッフ《ヴァイオリン協奏曲第1番》のポール・ホアンのソロに、聴衆は熱狂的な歓声で応えます。そしてアンコールではホアンの希望により、N響第1コンサートマスター郷古廉との二重奏を披露。「台湾と日本の交流はこれまでとても親密でした。今回の共演で台日交流の新しいページをひらきたい」というホアンの言葉とともに、音楽による文化交流が行われた一幕となりました。
そして後半のチャイコフスキー《交響曲第5番》ではルイージとN響のコンビによる壮大なサウンドが展開され、会場からは大きな拍手と歓声が贈られました。



【上左】台中国家歌劇院 【上右】一緒にアンコールを演奏するホアン(右)と郷古(左) 【下】台中公演終演後、大きな拍手を贈られるルイージとN響
8月24日(土)|高雄
台中公演の興奮が冷めやらぬまま、N響一同は高雄へ移動。衛武営国家芸術文化中心・音楽庁での公演に臨みます。衛武営国家芸術文化中心は台中国家歌劇院に続いて2018年に正式開業した、台湾で3つ目、台湾南部では初の国立ホールとなります。会場の音楽庁は舞台を客席が囲むワインヤード方式。豊潤な響きが会場を包みます。高雄でも聴衆は変わらず熱狂的で、前半ブルッフが終わると会場からは大きな拍手が起こります。後半チャイコフスキーの充実した響きが会場を満たすと、高雄での公演も台湾の人々の歓声と共に終演しました。



【上左】衛武営国家芸術文化中心 【上右、下】高雄公演の様子
8月25日(日)|台北
休む間もなくN響は台湾高速鉄道で台北に戻り、今回の台湾ツアー最後の台北公演に臨みます。台北の国家音楽庁は、国家戲劇院と並ぶ台北の芸術文化の中心地。前回2016年もN響が公演を行っています。台北公演ではチケットが完売となり、多くのお客様で会場は埋め尽くされました。開演とともにオーケストラは熱狂的な拍手で迎えられ、前半のブルッフ、後半のチャイコフスキーと続くルイージ&N響サウンドに、会場からは大歓声が贈られました。
終演直後は指揮者、ソリストの出演者陣、そしてN響楽員にも充実した表情が見られ、この台湾公演が成功裡に終わったことを物語っていました。
今回の台湾公演は、各地への移動直後に公演という日程が続きハードなスケジュールで行われました。さらにその合間には金管楽器のメンバーが小学校を訪れて児童たちと交流し(高雄)、弦楽器のメンバーは商業施設でミニコンサートを行うなど(台北)、盛りだくさんの内容となりました。
これからの日台交流の一助となったのではないかと、手ごたえを感じています。また今後も世界に向けて、音楽による交流を深めていければと思います。


【上】台北公演の会場、国家音楽庁(右)と国家戲劇院(左) 【下】今回のツアー最後となる台北公演の様子


【左】金管楽器のメンバーが、高雄の中正国民小学校を訪問(8/24) 【右】弦楽器のメンバーが台北の商業施設BELLAVITAでミニコンサートを開催(8/25)
[石井 康/演奏制作部 副部長]