※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
ABOUT THIS CONCERT特徴
作曲家たちの生と死をめぐる問いかけが聴き手の生きる意欲を奥底から温める
今年のMusic Tomorrowでは、例年通り尾高賞受賞作品が披露されるほか、イェルク・ヴィトマンが指揮者として2作の自作自演を行う。2016年以来2度目の作品への受賞となる権代敦彦の《時と永遠を結ぶ絃─ヴァイオリンとオーケストラのための Op. 193》(2023)は、一音の粘り強く峻烈な持続で幕を開け、聴き手はいつしか温かな歌と滔々たる音の流れに包まれる。モチーフの扱いと緊密な時間の構築を得意とする権代の面目躍如である。権代に新作を委嘱した経験をもつヴァイオリン界の若きホープ、辻彩奈の入魂のソロに期待が集まる。
クラリネット奏者、作曲家、指揮者として世界を飛び回るヴィトマンの2つの近作は、いずれも好評を博し各国で再演を重ねてきた。《死の舞踏》(2022)は、過去の音楽を重要な発想の源とするヴィトマンの関心を端的に表す一作。かつてリストやサン・サーンスが音楽化した骸骨たちの真夜中の饗宴が、現代的な装いを施されて鮮烈に蘇る。コロナ禍によるロックダウンに、ユートピア的音楽をもって対抗しようとしたヴィトマンが作曲したのが、「迷宮」サイクルの第6作として位置づけられるトランペット協奏曲《楽園へ(迷宮VI)》(2021)。世界的名手ホーカン・ハーデンベルガーが雄弁に描き出す親密で宥和的な音響世界はもちろん、ヴィトマンが好んで用いる奏者の移動や身ぶりにも注目したい。
生と死への意識に貫かれた権代作品と《死の舞踏》双方の響きに漲る根源的なエネルギー、《楽園へ》の穏和で天国的な表情─宗教的ヴィジョンによって緩やかに繋がる3作は、聴く人の生への意欲を奥底から温めてくれるにちがいない。
平野貴俊(音楽学・音楽評論)
PROGRAM曲目
権代敦彦/時と永遠を結ぶ絃 ― ヴァイオリンとオーケストラのための Op. 193 (2023) [第72回「尾高賞」受賞作品]
ヴィトマン/死の舞踏(2022)[日本初演]
ヴィトマン/楽園へ(迷宮 VI)─トランペットとオーケストラのための(2021)[日本初演]
※6:30pmより尾高賞授賞式・プレトークがございます
権代敦彦│作曲
メシアンの音楽の影響で作曲とオルガンを始め、カトリックの洗礼を受ける。17歳で《Ave Maria Op.1》を作曲。長年、教会のオルガニストも務めた。「有限の生命・有限の音楽時間」における「死・終焉」と「永遠・無限」との関係を創作の中心主題に据え、カトリック信仰に根差しつつも、様々な宗教を横断する独自の死生観・時空観による音楽の創作を試みている。オペラ、オラトリオ、管弦楽から独奏曲に至る様々な器楽曲、合唱曲、また古楽器、復元古代楽器を使ったものや、邦楽、雅楽、仏教声明に至るまで、あらゆる分野に及ぶ作品が200曲程ある。2016年《Vice Versa―逆も真なり―》が第64回尾高賞を受賞。2023年より、愛知室内オーケストラのコンポーザー・イン・レジデンスを務めている。
ARTISTS出演者
指揮イェルク・ヴィトマン
1973年ミュンヘン出身。生地の音楽大学でシュタルケ、ジュリアード音楽院でナイディックにクラリネットを師事、作曲をヘンツェ、リームらに学び、指揮も開始。演奏のレパートリーは古典から現代まで及び、クラリネット、作曲、指揮のいずれにおいても世界的に高く評価されている。フライブルク音楽大学で教えた後、バレンボイム・サイード・アカデミー教授(2017–)。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団コンポーザー・イン・レジデンス(2023–24)。
ヴァイオリン辻󠄀 彩奈
1997年岐阜県出身。2016年、モントリオール国際音楽コンクール第1位(5つの特別賞も受賞)。国内の主要オーケストラと数多の共演を行い、スイス・ロマンド管弦楽団のツアーにも参加するなど、若い世代の日本のヴァイオリニストのなかでも目ざましい活躍ぶりをみせる。2019年、権代敦彦に自ら委嘱した《ポスト・フェストゥム》を初演し、2024年には権代敦彦の《時と永遠を結ぶ絃》を初演している。出光音楽賞(2018)、ホテルオークラ音楽賞(2023)受賞。
トランペットホーカン・ハーデンベルガー
1961年マルメ(スウェーデン)出身。8歳でトランペットを始め、故国でボー・ニルソン、パリ国立高等音楽院でピエール・ティボー、ロサンゼルスでトマス・スティーヴンスに師事。若くして頭角を現し、幅広いレパートリーで演奏・録音を行う。とりわけ現代トランペット作品の初演・普及における功績は特筆され、ヘンツェ、武満徹、バートウィッスル、ノイヴィルトらから作品を献呈されてきた。N響とは1991年に初共演し、今回が3回目の登場。
料金
S席 | A席 | B席 | |
---|---|---|---|
一般 | 4,000円 | 3,000円 | 2,000円 |
ユースチケット | 2,000円 | 1,500円 | 1,000円 |
※価格は税込みです。
※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
※N響ガイドでのお申し込みは、公演日の1営業日前までとなります。
※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
※未就学児のご入場はお断りしています。
ユースチケット
29歳以下の方へのお得なチケットです。
※要登録
その他の前売所
- 東京オペラシティ チケットセンター TEL:03-5353-9999
- チケットぴあ
- イープラス
- ローソンチケット