※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
ABOUT THIS CONCERT特徴
ふたりの若き俊英が贈る 魅惑のドイツ音楽
今年の「N響『夏』」には、共に1990年代生まれの若き俊英ふたりが登場します。指揮の熊倉優は、パーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務め、コロナ禍で定期公演が中止となった2020年11月の代替え公演では、本格的なドイツ・プログラムでその実力を知らしめました。北村朋幹は同世代の中で突出した才能を誇るピアニスト。深い精神性を感じさせる演奏が国内外で絶賛を博しています。今回は、そんなふたりがドイツ音楽の傑作に挑むプログラムです。
ウェーバーの《魔弾の射手》はドイツ・ロマン派を代表するオペラ。〈序曲〉は深い森の神秘的な情景や狩の雰囲気を持ち、単独でもよく演奏される名曲です。北村がソリストを務めるモーツァルトの《ピアノ協奏曲第24番ハ短調》は、モーツァルトの2つしかない短調の協奏曲のひとつで、非常に濃密な情緒が感じられる作品。独奏ピアノのパートは即興的な演奏技法が駆使されており、北村がどのように演奏するのか、非常に楽しみです。
シューマンの《交響曲第3番「ライン」》は、1850年、シューマンがデュッセルドルフに引っ越した年に書かれたもので、新しい土地で心機一転を図る明るい気持ちが表れているような作品です。「ライン」というタイトルはシューマンがつけたものではありませんが、雄大なライン川の景色や川岸に広がるのどかな風景、ケルンの大聖堂での荘厳な儀式、そして秋の収穫祭など、「ライン川」をめぐる様々な情景を思い起こさせる魅力いっぱいの音楽です。
(室田 尚子/音楽評論家)
PROGRAM曲目
ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲 第24 番 ハ短調 K. 491
シューマン/交響曲 第3 番 変ホ長調 作品97「ライン」
ARTISTS出演者
指揮熊倉 優
1992年生まれ。桐朋学園大学卒業、同研究科修了。第18回東京国際音楽コンクール第3位、第26回京都フランス音楽アカデミー最優秀賞(第1位)、第12回ドナウ国際指揮者コンクール第2位。2016年から19年までNHK交響楽団首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィおよび同団のアシスタントを務める。2020年7月にはコロナによる演奏活動休止後、N響にとって初めての演奏となった「希望のコンサート」(放送演奏)や「NHK交響楽団11月公演」を指揮し、時代を担う若手指揮者として注目を浴びる。2021年8月よりハンブルク国立歌劇場にてケント・ナガノ音楽総監督のアシスタントに就任。ヨーロッパに拠点を移し研鑽と活動を続けている。
ピアノ北村朋幹
1991年生まれ。東京藝術大学からベルリン芸術大学ピアノ科に進み最優秀の成績で卒業。フランクフルト音楽・舞台芸術大学において歴史的奏法の研究に取り組んだ。浜松国際ピアノコンクール第3位、シドニー国際ピアノコンクール第5位ならびに3つの特別賞、ボン・テレコム・ベートーヴェン国際ピアノコンクール第2位。2005年第3回東京国際音楽コンクールで第1位ならびに全部門共通の審査員大賞を受賞し、本格的な演奏活動に入る。ソロのみならず室内楽、オーケストラとの共演、古楽器による演奏も行う。これまでに5枚のソロ・アルバムをリリースし、そのうち4枚が『レコード芸術』特選盤に選ばれるなど高い評価を獲得。ベルリン在住。