シャブリエ

狂詩曲「スペイン」(約8分)

 フランス、オーベルニュ地方に生まれたエマニュエル・シャブリエ。子供の頃から音楽的な才能を発揮していましたが、一度は内務省の仕事につき、その傍らで作曲の勉強を続けました。しかし39歳の時、音楽に集中することを決めると、ワーグナーの影響を大きく受けながらも、独自の作風を探し求めました。作曲家として活動した期間は53歳で没するまでの14年間と短く、残した作品は多くありませんが、独特のリズムと明るい魅力にあふれた曲を世に送り出し、ドビュッシーやラヴェルにつながる近代フランス音楽の発展に大きく貢献しました。
 代表作である《狂詩曲「スペイン」》は、定職を離れて自由の身となったシャブリエが、1882年に旅先のスペインで触れた音楽に刺激を受けて書いた作品です。弦楽器のピチカートで軽やかに始まり、さらに主題を奏でる管楽器も加わって華やぎと躍動感が増していきます。スペインで採取してきた民族舞曲のリズムが取り入れられつつ、フランスの作曲家らしい洗練された音楽にまとめあげられています。

(高坂はる香)