ロドリーゴ (1901 - 1999)

アランフェス協奏曲 (約21分)

 スペイン、バレンシア州の古都サグントに生まれたホアキン・ロドリーゴ。幼少期、ジフテリアに感染した後遺症で視力を失ってしまいましたが、教育を受けるようになるとすぐに音楽と文学に関心を示し、1927年パリに留学して作曲を学びました。
 ロドリーゴが留学していたこの頃、1936年から1939年にかけてスペインでは内戦が起こり、戦渦(せんか)によってスペイン王室の宮殿と庭園を持つアランフェスの街も被害を受けました。1939年、ロドリーゴは破壊された美しい古都への思いと平和への願いを込めて、スペインの民族音楽にゆかりの深いギターという楽器をソロ・パートに起用したこの協奏曲を手がけました。ロドリーゴ自身にはギター演奏の知識がありませんでしたが、マドリード音楽院教授のギタリスト、レヒノ・サインス・デ・ラ・マーサの助言をうけて作品を完成させます。祖国に戻ったのち発表すると、高い評価を得ることになりました。
 第1楽章では、明るい太陽と爽(さわ)やかな空気を思わせる音楽が流れ、そこにギターとオーケストラが哀しみに満ちた有名な旋律を奏でる第2楽章が続きます。そして第3楽章は、希望の光が射すような優しく力強い音楽で締めくくられます。

(高坂はる香)