第1951回 定期公演
池袋Aプログラム

2022年2月5日(土)
開場 5:00pm 開演 6:00pm

東京芸術劇場 コンサートホール 
アクセス 座席表

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  • 2022年2⽉池袋Aプログラム プログラム&曲⽬解説

    1845~1846年、ローベルト・シューマン(1810~1856)は本日の演目3曲を今日の姿に完成させた。のちにさらなる悲劇に至る彼の鬱病(うつびょう)はすでに始まっており、それゆえとりわけ《交響曲第2番》の作曲の歩みは遅々としたものであった。そうした伝記的事実から、困難のさなかにあっての希望をそこに聴き取ることもできる。けれどもこれら3曲には、オーケストラ音楽の彼の理想がそれぞれ実現している。35~36歳のシューマンの、創作上の充実期を証する作品群と言えよう。
    (小岩信治)

  • シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ 作品52 —「序曲」※

     1841年12月6日にライプツィヒで初演された《序曲、スケルツォとフィナーレ》について『新・音楽時報』誌は次のように報じている。「序曲のいくつかの動機が他の楽章で完全に再現してひとつの全体を形作り、他方で各楽章はそれぞれ完結しているので個別にさまざまな状況にあわせて演奏できる」(12月21日号)。評者が考えていたのは、たとえば序曲(アンダンテ・コン・モート、ホ短調、4/4拍子)のアレグロ部分(アレグロ、ホ長調、2/2拍子)の冒頭モティーフがスケルツォのコーダ部分で回帰することだっただろう。こうしていくつかの動機が、フィナーレを含む3つの楽章を結びつける。その一方で、たとえば4手編曲版(1847年刊)の表紙からは各楽章が個別に購入可能だったことがわかる。全体の統一感を備えつつ各部分が独立している……かの批評はこの作品の特色を作曲者に代わって説明し、この曲を擁護するものであった。
    1841年はシューマンの「交響曲の年」として知られる。この年に彼は、この曲を含めて4曲のシンフォニックな作品を手がけた。しかしニ短調の作品はようやく1851年に現在の《交響曲第4番》となるものだし、ハ長調の作品は結局全楽章揃わなかった。したがってこの年の諸作品のうち《交響曲第1番「春」》が、「わずか4日間でスケッチされた」というドラマチックなエピソードとともに、この作曲家の「交響曲への道」の里程標としてクローズアップされるのは当然である。しかしこの《序曲、スケルツォとフィナーレ》は、本日演奏される《ピアノ協奏曲 イ短調》の第1楽章とともに1841年の、そして1845~1846年のシューマンの充実を知る鍵となる作品である。彼はオーケストラ曲の全体と部分の関係についてさまざまに試行していた。
    なお《序曲、スケルツォとフィナーレ》は上記初演を経て、おもにフィナーレが改訂されて1845年までに現在の姿となり、翌1846年10月にパート譜がライプツィヒで出版された。

    (小岩信治)

    演奏時間:約7分
    作曲年代:1841年、1844~1845年改訂
    初演:1841年12月6日、ライプツィヒ [改訂稿]1845年12月4日、ドレスデン

  • シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54※

    シューマンの代表作のひとつで、ピアノ協奏曲の歴史においてフランツ・リストの2作品とともに19世紀前半の展開を総括する重要な作品である。 このジャンルの代表作が完成するまでのシューマンの道のりは、交響曲の場合と同様に長かった。すでに1827年からピアノ協奏曲を試作していたが、同年生まれのフレデリック・フランソワ・ショパンが1830年までに2曲完成したのに対して、シューマンの「研究」はさらに続く。1833年からはクララ・ヴィークが《ピアノ協奏曲》に取り組む。未来の妻の作品7は1835年に初演され、1837年に出版に至るが、このイ短調(!)の作品にシューマンは助言し続けた。1836年からは、自ら1834年に創刊した『新・音楽時報』誌で同時代のピアノ協奏曲の批評を展開。そして1841年、のちに作品54の第1楽章になったと考えられる《幻想曲》が成立、これが1845年に3楽章構成に拡大されて《ピアノ協奏曲 イ短調》となり、クララによって初演され、翌1846年にライプツィヒでパート譜が公刊された(スコアは1862年刊)。「ピアノ協奏曲への道」は、常にクララという同伴者との共同作業であった。 この作品と本日演奏される《序曲、スケルツォとフィナーレ》作品52とは、どちらも1841年に最初の姿を現し、1845年の同じ演奏会で基本的に今日のかたちで初演された。興味深いのは1841年の《幻想曲》つまりのちの第1楽章(アレグロ・アフェットゥオーソ、イ短調、4/4拍子)の展開部が「アンダンテ」となっていることである。それは動機的に楽章全体に結びつけられてはいるが、主要部分とは異なるテンポと性格なので、短い緩徐楽章の挿入とも見える。シューマンはここでも、作品52と同様、ゆるやかに連携する諸部分と全体との関係を模索している。1845年に拡大された第2楽章(間奏曲:アンダンティーノ・グラチオーソ、ヘ長調、2/4拍子)と第3楽章(アレグロ・ヴィヴァーチェ、イ長調、3/4拍子)の間は、第1楽章の主要動機で結ばれる。

    (小岩信治)

    演奏時間:約31分
    作曲年代:1841、1845年、1853年改訂
    初演:1845年12月4日、ドレスデン

  • シューマン/交響曲 第2番 ハ長調 作品61

    シューマンは1845~1846年に第3の(出版順では第2の)《交響曲》ハ長調作品61を完成させた。いわゆるニックネームがなく、ともすれば地味な存在に留まるこの交響曲は、近代とドイツ国家の成立、そして器楽が結び付いていく19世紀なかば、ロマン主義思潮のただなかにあったシューマンの創作を総括する記念碑的な作品である。
    作曲の契機は、シューベルトの《交響曲》ハ長調の再演であった。約6年前のウィーンでこの曲は他ならぬシューマンによって発見され、1839年にライプツィヒでメンデルスゾーンの指揮で初演、1845年12月にドレスデンで再演された。ベートーヴェンの《第9》と前後して作曲され、のちには世紀後半にとりわけブルックナー作品にも共鳴するこのシューベルトの《大ハ長調》が、同じ調の、シューマンの総決算的な交響曲の創作を促したのである。明らかに精神的に不安定であったシューマンは、それが最後の大作となる可能性も意識したに違いない(結果的には後日第4の交響曲が完成する)。
    冒頭楽章はゆるやかな導入部(ソステヌート・アッサイ)に急速な主部(アレグロ・マ・ノン・トロッポ)が連なり、その後全曲を通じて、シューマンの創作を特徴づけてきた2つの音楽的キャラクター(快活なフロレスタンと理性的なオイゼビウス)が現れつつ進行する。第2楽章スケルツォ(アレグロ・ヴィヴァーチェ)では躍動的・フロレスタン的な主部に対して思索的な第2トリオでバッハ(B-A-C-H)音型が現れる。バッハの音楽をシューマンが学んだ成果は続く第3楽章(ハ短調、アダージョ・エスプレッシーヴォ)で、《音楽のささげもの》のトリオソナタの引用と往時の書法にも現れ、オイゼビウス的世界がさらに広がる。両者が融合に向かう終楽章(アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ)では第1楽章冒頭で聴かれたド-ソ(つまりC-G)のファンファーレ音型が楽章末に向けて重要度を増すことで、ハイドンの最後のシンフォニー《第104番》も想起される。対位法書法が最後の交響曲(《第41番》)で決定的な役割を果たしたモーツァルトのことも思い出されよう。そして終楽章最終盤、ティンパニG音の長いロールと一瞬の静寂ののち、ベートーヴェンの《はるかな恋人に》第6曲冒頭、「さあ受け取ってくれ、これらの歌を」という部分の旋律がおだやかに現れる。
    もちろんシューマンの作品でこの歌詞は歌われない。けれどもこの旋律はまず、彼の体調を見守ってきた妻クララへのメッセージであったはずだ。そしてそれは、この曲にドイツの音楽史を聴く人々、つまり私たちにも向けられている。
    作品は、スウェーデン王およびノルウェー王オスカル1世に献呈された。

    (小岩信治)

    演奏時間:約38分
    作曲年代:1845~1846年 [ピアノ 4手連弾版]1848年
    初演:1846年11月5日、ライプツィヒ、メンデルスゾーン指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

※当初ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83 を演奏する予定でしたが、出演者変更に伴い上記曲目に変更いたします。

  • 指揮:下野竜也
    指揮:下野竜也※

    1969年、鹿児島生まれ。鹿児島大学教育学部音楽科卒業。その後、桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室、シエナのキジアーナ音楽院、ウィーン国立音楽大学で学ぶ。2000年、東京国際音楽コンクール〈指揮〉で第1位。2001年、ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。読売日本交響楽団正指揮者を務めたほか、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ローマ聖チェチーリア国立アカデミー管弦楽団など海外のオーケストラにも客演。現在、広島交響楽団音楽総監督、広島ウインドオーケストラ音楽監督を務め、京都市立芸術大学教授として後進の指導にもあたる。
    NHK交響楽団とは、2005年以来、定期的に共演を重ねている。2021年、N響の発展に顕著な功績を収めた者に贈られる「有馬賞」を受賞。NHK大河ドラマでは『鎌倉殿の13人』など6作品のテーマ音楽でN響を指揮。N響とのシューマンの交響曲は、2020年9月の《第4番》、2021年2月の《第3番「ライン」》に続いての演奏となる。
     
    (山田治生/音楽評論家)
     

  • ピアノ:反田恭平*
    ピアノ:小林愛実※

    2021年10月、「第18回ショパン国際ピアノ・コンクール」第4位入賞。
    3歳からピアノを始め7歳でオーケストラと共演、9歳で国際デビューを果たす。2005年(9歳)以降、ニューヨークのカーネギー・ホールに4度出演、パリ、モスクワ、ポーランド、ブラジル等に招かれる。ポーランドには、「ショパンとヨーロッパ」国際音楽祭ほか、協奏曲のソリストとして度々招かれている。2010年ショパン生誕200年記念に際して、ポーランド政府より「ショパン・パスポート」を授与された。
    2017年には、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団の日本ツアーでソリストとして迎えられ、ラフマニノフの《ピアノ協奏曲第2番》を共演。2020年には、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団とリストの《ピアノ協奏曲第1番》を共演して好評を博した。
    国内でも多数のオーケストラと共演し、サントリーホールをはじめ各地でもリサイタルを行い、高い評価を得ている。今、世界的な活躍が期待できる日本の若手ピアニストとして注目を集めている。
    N響との共演は、2016年、2017年に続き3度目。
     

【本公演のアンコール曲】ショパン/ワルツ 変イ長調 作品42(ピアノ:小林愛実)

フィルハーモニー
2月号(PDF)

※掲載情報は1月中旬時点のものとなります。

出演者プロフィール&曲目解説等をご覧いただけます

チケット情報

チケット購入・空席照会

発売開始日
1月18日(火)11:00am
[定期会員先行発売日:1月14日(金)11:00am]

  S席 A席 B席 C席 D席
一般 9,800円 8,400円 6,700円 5,400円 4,400円
ユースチケット 5,800円 4,800円 3,800円 2,800円 1,800円
(税込)

WEBセレクト3+

2月定期公演での「WEBセレクト3+」の販売を休止いたします 詳細

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になります。
Autumn(9~11月)、Winter(12~2月)、Spring(4~6月)の各シーズン内の公演(9プログラム18公演)のうち、3公演以上まとめて購入すると、1回券の一般料金より約8%割引します。

WEBチケットN響のみでの発売となります。
1回券発売日からお申し込みいただけます。
割引の併用はできません。

  • ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
  • ※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
  • ※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
  • ※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
  • ※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
  • ※未就学児のご入場はお断りしています。
お問い合わせ・
お申し込み
N響ガイド TEL:03-5793-8161
WEBチケットN響

主催:NHK / NHK交響楽団

後援:豊島区

  • ※NHKホールの改修工事に伴い、定期公演Aプログラムは東京芸術劇場(池袋)に会場を移し、「池袋Aプログラム」として行います。
  • ※池袋Aプログラム2日目の開演時刻は1時間繰り上げ、2:00pmとさせていただきます(1日目は今まで通り6:00pm開演)。
託児について

東京芸術劇場 コンサートホールの託児室をご利用いただけます。
対象年齢、預かり料金、予約方法などは、お問い合わせください。

お問い合わせ:
株式会社ミラクス ミラクスシッター
TEL:0120-415-306
(平日9:00am~5:00pm/土日祝は休み)
ホームページ:
https://www.geigeki.jp/rent/kids/index.html