第1947回 定期公演
Bプログラム

2021年12月16日(木)
開場 6:20pm 開演 7:00pm

サントリーホール アクセス 座席表

終了

【重要なお知らせ(11/8更新)】
12月定期公演の出演者・曲目の一部変更について
1回券およびWEBセレクト3+の発売について

  • ※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
  • ※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
  • ※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。
  • 2021年12⽉Bプログラム プログラム&曲⽬解説

    ベートーヴェン自身は、《交響曲第5番》よりも《第3番》を気に入っていた、というエピソードが伝えられている。小さなパーツをひたすら完璧に組み立てた《第5番》よりも、自分が好きなもの、理想とするものを思う存分披瀝(ひれき)した《第3番》ののびやかさを愛したのだろうか。19世紀末の交響曲ルネサンスに立ち向かったマーラーとシュトラウスも、《花の章》や《4つの最後の歌》では旋律美に耽溺(たんでき)している。筆の赴くままに描いた作曲家の歓びを、聴き手も満喫したい。
    (広瀬大介)

  • マーラー/花の章※

    グスタフ・マーラー(1860~1911)は自身の音楽を通じて、大きく変わろうとする時代精神そのものを写し取ろうとしていた。歌曲であれ、管弦楽曲であれ、作品は個々で完結することなく、相互に関連付けられる。歌曲の旋律は交響曲の主題となり(《さすらう若者の歌》第2曲→《交響曲第1番》第1楽章第1主題)、果ては歌曲が交響曲の楽章そのものとなる。1889年、《交響曲第1番》がブダペストで初演された際には、標題を伴った「2部から成る交響詩」であった。1893年、ハンブルクでの改訂版初演では、全5楽章に標題が付けられ、「交響曲様式による交響詩(音詩)」と題される。本作《花の章》はその第2楽章にあたる。しかし、1896年、標題とあわせて《花の章》はすべて削除された。以後は全4楽章の交響曲に仕立て直されたこの稿での演奏が、《交響曲第1番》として定着する。
    確かに他の4つの楽章に比べれば、当時人気の詩「ゼッキンゲンのラッパ吹き」に触発された、やわらかなトランペットの独奏に誘われてはじまる《花の章》の音楽は、やや異質に感じるかもしれない。ハ長調のトランペット主題は2回変奏され、再現部とコーダを経て素朴に終わる。だが、むしろ我々が認識を改めるべきは、マーラー作品のみならず、この当時の交響詩が標題を描写することを追いかけた一種の音画である、という思い込みから自由になることだろう。作品でひとつの小宇宙を形作ろうとする壮大な作曲姿勢こそが、マーラーの作品をより一層魅力的なものへと高めている。

    (広瀬大介)

    演奏時間:約7分
    作曲年代:1884~1888年
    初演:1889年11月20日、ブダペスト、作曲者自身の指揮

  • R. シュトラウス/4つの最後の歌※

    1948年、ジュネーヴ近郊のモントルーに滞在していたリヒャルト・シュトラウス(1864~1949)は、息子フランツの薦めにより、新たなオーケストラ伴奏歌曲の創作に挑む。5月6日に、アイヒェンドルフの詩による〈夕映えのなかで〉がまず完成。続いてヘルマン・ヘッセの詩から、7月に〈春〉、8月に〈眠りにつくとき〉、9月に〈九月〉を作曲。ドイツの自宅を離れた生活、非ナチ化裁判への出廷など、齢(よわい)80を越えたシュトラウスが晩年に至って味わった数々の辛酸は、驚くべき美しい音楽で昇華された。生前のシュトラウス自身が本作の演奏に立ち会うことはなく、その死後、1950年にフルトヴェングラーの指揮、フラグスタートの独唱によって初演された。
    楽譜商ブージー&ホークスの社長エルンスト・ロートは、この4曲をまとめ、《4つの最後の歌》というタイトルで出版する。その際の曲順は、オーケストラの編成が徐々に大きくなるように配置されたとおもわれるが、シュトラウスがこの4曲をチクルスとして構想したわけではなさそうである。また、この4曲のあとに、ピアノ歌曲《あおい Malven》が11月23日に作曲されているため、正確には「最後」ではないのだが、出版当時はまだこの作品の存在は知られていなかった。
    第1曲〈春〉はハ短調という暗い雰囲気の前奏に導かれて始まるが、歌が入り、詩の内容が明るくなるに従い、ハ長調からイ長調へと転調し、より明るい雰囲気になる。メリスマで歌われる「小鳥の歌」には、フルートが小鳥の声を模してこれに応える。頻繁な転調が印象的な〈春〉に比べると、第2曲〈九月〉はほぼニ長調で安定している。「花に降る雨」はヴァイオリンの下降する音型で、「ひらひらと舞い落ちる木の葉」はフルートの走句とヴァイオリンのスタッカートで表現される。第3曲〈眠りにつくとき〉の間奏では、前奏と同じ主題で始まるヴァイオリンの甘美なソロが夜の国でのまどろみを歌い、ソプラノもその旋律を歌い継ぐ。どこまでも広がるような空を描写する前奏が印象的な第4曲〈夕映えのなかで〉。ここで初めて登場するティンパニの深みある音が、全曲中でも最も雄大な風景を描きだす。フルートで描かれた2羽のひばりが空を舞い、最終行の「これが死というものか(Ist dies etwa der Tod?)」では、《交響詩「死と変容(浄化)」》における浄化のモティーフが鳴り響く。

    (広瀬大介)

    演奏時間:約24分
    作曲年代:1948年5月~9月
    初演:1950年5月22日、キルステン・フラグスタートの独唱、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団

  • ベートーヴェン/交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」※

    若き日のルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770~1827)の創作中、《バレエ音楽「プロメテウスの創造物」》(1801年初演)の重要性は際立っている。プロメテウスは、人間に火を与えたために神々の怒りを買い、猛禽(もうきん)に内臓を日々ついばまれる永遠の責め苦を負う人物としてのイメージが強い。だが、振付師ヴィガノーとベートーヴェンが描こうとするプロメテウスは、ものを知らぬ民衆(創造物)に対して高尚な芸術と学問を授けるという、啓蒙時代の君主や哲学者としての役割を負わされている。終曲(第16曲)で用いられている旋律は、《ピアノ変奏曲変ホ長調》(作品35)でも、次世代を救う、新しい時代に相応(ふさわ)しい革命の高貴な精神を象徴する音楽として、かたちを変えて使われた。
    このプロメテウスは、ハプスブルク帝国のイタリア占領に対して果敢(かかん)に立ち向かう若きフランスの英雄、ナポレオン・ボナパルトのイメージをかたどったものでもある。その声望はウィーンでも高く、ベートーヴェンも大きな共感を抱いていた。《ピアノ変奏曲》を作曲直後の1803年、《交響曲第3番》のスケッチが最初の3つの楽章だけ書き付けられた。第4楽章の主要部分には、《プロメテウス》終曲とこの《変奏曲》の素材を用い、新しい時代の英雄を寿ぐことが意図された。この間、1804年5月にはナポレオンが皇帝に任ぜられ、12月には戴冠式が挙行され、ベートーヴェンが失望したことは有名だろう。「英雄交響曲 Sinfonia eroica」、副題に「ある偉大な人物の思い出を記念して作曲された」と付された作品は、まだナポレオンが「英雄」として光り輝いていた、まさに人類に知性と芸術を与える「プロメテウス」であった時代の想い出を描いたもの、ということになる。
    第1楽章は、ソナタ形式の各部分、提示部・展開部・再現部に加え、終結部が各部とほぼ同じ長さを有し、それまでの交響曲の概念を覆す。音楽の世界にも「革命」をもたらそうとしたベートーヴェンの意気込みが感じられよう。第2楽章において死した英雄が葬られる「葬送行進曲」が奏でられるものの、第3楽章で勇壮に、3本のホルンとともに再び復活してみせるのは、プロメテウスが苛酷(かこく)な責め苦を与えられつつも、再び蘇(よみがえ)ることを念頭に置いているのではなかろうか。変奏曲による第4楽章は、理想と調和の世界が徐々に広がっていく様を描いているようにも見える。ただ、闘争を経て新たな高みへと至る、という英雄的なイメージをソナタ形式で描くことを放棄し、すでに過去の人となった英雄の思い出を回想するかのような変奏曲には、「かつて英雄だったひとがいた」という過去形の響きもどこかに宿しているように聞こえてしまう。

    (広瀬大介)

    演奏時間:約50分
    作曲年代:1803年5、6月頃~10月頃
    初演:[公開初演]1805年4月7日、アン・デア・ウィーン劇場、作曲家自身の指揮

※出演者変更に伴い上記曲目に変更いたします。

  • 指揮:山田和樹
    指揮:山田和樹※

    ベルリンを拠点に各国で活躍。2023年4月から英バーミンガム市交響楽団の首席指揮者兼アーティスティック・アドバイザーに就任する。若手の抜擢(ばってき)に定評がある同響には2012年にデビュー、2018/19年シーズンから首席客演指揮者を務めてきた。音楽の様式美やメッセージ性をしなやかなタクトで紡ぐ逸材のひとりである。
    1979年生まれ。東京藝術大学で松尾葉子、小林研一郎に師事した。2009年の第51回ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝後、パリ管弦楽団、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、BBC交響楽団、フィルハーモニア管弦楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団他に客演。スイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者に迎えられた。2016/17年シーズンからモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督兼音楽監督を務めている。2021年には、すでに常連の仏トゥールーズ・キャピトル劇場管弦楽団でフォーレ、コルンゴルト、プーランクの佳品を指揮した。
    国内でも、東京混声合唱団音楽監督兼理事長、日本フィルハーモニー交響楽団正指揮者、読売日本交響楽団首席客演指揮者、横浜シンフォニエッタ音楽監督を兼務。録音も多い。
    NHK交響楽団との初共演は2012年。定期公演デビューは2016年1月のAプログラム、2019年4月の定期公演Cプログラムでは河村尚子との矢代秋雄《ピアノ協奏曲》が賞賛を博す。2020年9月公演にも登場した。
     
    (奥田佳道/音楽評論家)
     

  • ソプラノ:佐々木典子
    ソプラノ:佐々木典子※

    日本を代表するソプラノのひとり。細やかな表情と豊かな表現力、滑らかで美しい響きを備えた声と、気品と存在感のある舞台姿で、とりわけモーツァルトやR. シュトラウスをはじめとするドイツ・オペラで高い評価を受ける。武蔵野音楽大学卒業後、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学オペラ科を首席で卒業し、ウィーン国立歌劇場のオペラスタジオを経て同歌劇場の専属歌手に。ドミンゴ、パヴァロッティら伝説的な名歌手と舞台をともにし、第二の故郷であるウィーンの生活から舞台への多くのヒントを得た。帰国後はR. シュトラウス《ばらの騎士》のウェルデンベルク侯爵夫人、モーツァルト《フィガロの結婚》の伯爵夫人をはじめ数々のオペラの舞台で名演を残す傍ら、後進の指導にも情熱を注いでいる。
    R. シュトラウス《4つの最後の歌》は、シュトラウス最晩年の傑作で、佐々木の十八番(おはこ)。R. シュトラウスは佐々木にとって「一番心の波動に共鳴する音楽」だという。伝説のプリマドンナが得意のレパートリーで、待望のN響デビューを果たす。東京藝術大学音楽学部教授。二期会会員。
     
    (加藤浩子/音楽評論家)
     

※当初出演予定のディマ・スロボデニューク(指揮)、ホーカン・ハーデンベルガー(トランペット)から変更いたします。

フィルハーモニー
12月号(PDF)

※11/30発表の池袋Cプログラム出演者変更前の情報で掲載しております

出演者プロフィール&曲目解説等をご覧いただけます

チケット情報

チケット購入・空席照会

発売開始日
11月16日(火)11:00am
[定期会員先行発売日:11月11日(木)11:00am]

  S席 A席 B席 C席 D席
一般 8,900円 7,400円 5,800円 4,700円 3,700円
ユースチケット 5,500円 4,500円 3,500円 2,500円 1,500円
(税込)

WEBセレクト3+

WINTERシーズンの「WEBセレクト3+」は12月・1月の2か月を対象として実施いたします 詳細

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になります。
Winter(12~1月)内の公演(6プログラム12公演)のうち、3公演以上まとめて購入すると、1回券の一般料金より約8%割引します。

WEBチケットN響のみでの発売となります。
1回券発売日からお申し込みいただけます。
割引の併用はできません。

  • ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
  • ※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
  • ※この公演のお取り扱いは、N響ガイドおよびWEBチケットN響のみです。
  • ※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
  • ※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
  • ※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
  • ※未就学児のご入場はお断りしています。
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お申し込み
N響ガイド TEL:03-5793-8161
WEBチケットN響

主催:NHK / NHK交響楽団