第1945回 定期公演
池袋Aプログラム

2021年12月4日(土)
開場 5:00pm 開演 6:00pm

東京芸術劇場 コンサートホール 
アクセス 座席表

終了

【重要なお知らせ(11/8更新)】
12月定期公演の出演者・曲目の一部変更について
1回券およびWEBセレクト3+の発売について

  • ※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
  • ※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
  • ※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。
  • 2021年12⽉池袋Aプログラム プログラム&曲⽬解説

    西洋音楽の伝統的な和声法や調性から離れて独自の世界を確立し、「十二音技法」という組織的な作曲法を提唱したアルノルト・シェーンベルク(1874~1951)は、システムや規則よりも、職人技としての「手仕事(Handwerk)」を重視し続けた音楽家でもあった。本日のプログラムは、19~20世紀前半にかけての西洋音楽の変化を体現する巨匠の作品が並ぶ。伝統的技法を手中におさめ、みずからのルーツへ立ち返ることで音楽語法を洗練させていった作曲家たちの、三者三様の「手仕事」の匠を堪能したい。
    (白井史人)

  • ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 作品56a

    北ドイツの港町ハンブルクで生まれたヨハネス・ブラームス(1833~1897)がみずからの音楽の拠(よ)り所としたのは、ベートーヴェンからシューマンへいたる古典派からロマン派への系譜や、その基礎となるバロック音楽だった。とりわけ、ひとつの主題から出発し、リズム、調性、様式などを変化させていく変奏曲は、初期のピアノ曲《ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ》作品24(1861)から《交響曲第4番》作品98(1885)の終楽章にいたるまで、先人から受け継いだ作曲技法を発展させる格好の分野となった。
    《ハイドンの主題による変奏曲》作品56は、1873年、ブラームスが40歳の時に作曲され、2台ピアノ版と管弦楽版が出版された。主題《聖アントニウスの賛歌》は、ハイドン《ディヴェルティメント 変ロ長調》から採られたが、旋律は別人によるものとする見方が強い。
    変ロ長調の牧歌的主題は、木管五重奏の原曲を意識してファゴット、オーボエ、ホルンらによって提示され、8つの変奏とフィナーレが続く。8分音符と3連符がやわらかく絡み合う弦楽に導かれる第1変奏から、付点のリズムを強調する短調の第2変奏へと、各変奏は対比的に配置されている。ホルンの16分音符のシグナルが開始を告げる第6変奏では和声上の色付けも繊細に変化し、シチリアーノ風の室内楽的な第7変奏、短調で素早い動きの第8変奏を経て長大なフィナーレへ至る。フィナーレのパッサカリアでは、コラール風のバス主題の提示にすでに対位法的展開が組み込まれ、原型の主題が輝かしく全曲を閉じる。

    (白井史人)

    演奏時間:約19分
    作曲年代:1873年
    初演:1873年11月2日、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、作曲者自身による指揮

  • バルトーク/ピアノ協奏曲 第3番※

    オーストリア・ハンガリー二重君主国のトロンタール地方に生まれた音楽家ベーラ・バルトーク(1881~1945)は、ハンガリーを代表する国民的音楽家として、20世紀の音楽のモダニズムを牽引(けんいん)した。ゾルターン・コダーイ(1882~1967)らと親交をむすんでハンガリーやルーマニアの民謡採集に没頭し、音階、調性、リズム、楽節構造などを構築していった。モダニズム運動と国民意識の葛藤のなか成立したオペラ《青ひげ公の城》(1911)から、ピアノ曲集《ミクロコスモス》(1926/39)、晩年の《管弦楽のための協奏曲》(1943)まで、西洋音楽の伝統と民俗音楽に刺激された革新のせめぎ合いを聴き取ることができる。
    《ピアノ協奏曲第3番》(1945)は、1940年にアメリカに移住したバルトークが、重病を押して妻ディッタの誕生日を記念して作曲した遺作のひとつ。未完のまま遺された最後の17小節は、速記をもとに総譜が作られた。《ピアノ協奏曲第1番》(1926)、《ピアノ協奏曲第2番》(1931)と比較すると、打楽器的でプリミティヴな表現は後退し、前衛的な和声や伝統的な要素が、透明感のあるテクスチュアに組み込まれている。
    第1楽章の冒頭、ソリストが奏する息の長い旋律は、ルーマニアの民族音楽「ドイナ」を連想させる。ホ音を中心に旋法が揺らぐこの旋律の大部分はオクターブのユニゾンで奏され、歌や旋律楽器のような表現が求められる。中間部では、16分音符のモティーフによる、精緻な動機労作が展開していく。
    「アダージョ・レリジョーソ(ゆっくりと、宗教的に)」と指示された第2楽章は、3部形式。弦楽の厳粛な響きと、ピアノが奏するコラール風の祈りが交互に現れる冒頭に続き、中間部の木管の鋭いパッセージは、鳥の声を模倣しつつ、転回形による対称性も同居している。再現部では、ピアノは装飾音を自由に展開しハ長調の周辺を揺れ動き、冒頭の音型がさまざまな楽器へエコーしながら、ホ長調の和音へと静かに終止する。
    第3楽章は、3拍子の2拍目を強調する特徴的なリズムによる舞曲風のアレグロ・ヴィヴァーチェ。「短長長短(タッターンターッタ)」というリズムは、バルトークの音楽に頻出する「ハンガリー的」要素である。曲の半ば、ティンパニのソロによってリズムが剝(む)き出しになる部分に続き、ピアノからカノン風の対位法的展開が管弦楽全体へ広がる。

    (白井史人)

    演奏時間:約23分
    作曲年代:1945年
    初演:1946年2月8日、フィラデルフィア、フィラデルフィア管弦楽団、ユージン・オーマンディ指揮、シャーンドル・ジェルジ独奏

  • シェーンベルク/浄められた夜 作品4

    オーストリアのウィーン生まれのユダヤ系音楽家アルノルト・シェーンベルクは、独学で作曲を開始し、アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー(1871~1942)の影響のもと、爛熟(らんじゅく)した後期ロマンの作風で頭角を現した。歌曲《架空庭園の書》(1909)などで不協和音を解放した無調作品を次々と生み出し、1920年代はベルリンを拠点に「十二音技法」を《管弦楽のための変奏曲》(1928)などで発展させた。1933年、ナチ政権の弾圧を逃れアメリカへ亡命し、1951年に移住先のロサンゼルスで生涯を閉じた。
    弦楽六重奏曲《浄められた夜》は、1899年9月に若きシェーンベルクがわずか3週間で書きあげた作品である。世紀末ウィーンを代表する詩人リヒャルト・デーメル(1863~1920)の詩集『女と世界』から採られた同名の詩に基づく。シェーンベルクは、デーメルの詩へ数作すでに付曲していたが、本作は標題音楽と室内楽を結びつける新たな試みであった。5部からなるデーメルの詩は、荒涼とした林のなかを歩く2人の男女のさまを描く。3人称の視点から状況を語る第1、3、5部に、女が別の男の子供を宿していることを告白する第2部と、男が女の告白を受け入れる第4部が挟まれている。
    後年の自作解説によれば、低弦の2分音符に導かれて登場するニ短調の下行音型のモティーフは、月明かりの林を歩く2人の足取りを示している。女の語りに対応する旋律がヴィオラで奏される第29小節からは、付点のリズムによる動機が駆り立てられるように息の長い旋律へ発展し、複数の声部と絡みあっていく。ソナタ形式と分析されることもある濃密な音響空間には、ブラームスの動機労作とワーグナーの和声や管弦楽法を巧みに取り込んだ初期のシェーンベルクの特徴がいかんなく発揮されていよう。
    楽曲構造は詩の5部構造に緩やかに対応している。中間部では明るいニ長調に転じてチェロが悠然と新たな主題を提示し、男が「きみから私へ、私からきみへ輝きを放つ特別な暖かさが、見知らぬ子どもを浄めるだろう」と語る第4部に対応する部分で、先行する動機が変化し絡みあってクライマックスへなだれ込む。
    弦楽合奏版は、コントラバスによる低弦の補強に加え、独奏部分も残した彫りの深い表現が特徴である。1917年の編曲版ののち、指揮などの実演経験が1943年の改訂版に反映されている。改訂版の出版後に出版社間の権利問題に巻き込まれたが、音を書くことで生活し、楽曲の細部まで明晰(めいせき)に具現化しようとしたシェーンベルクの職人としての矜持(きょうじ)は、海を越えても健在だった。

    (白井史人)

    演奏時間:約30分
    作曲年代:[弦楽六重奏]1899年[弦楽合奏版]1917年出版(ウニヴェルザール社)[弦楽合奏改訂版]1943年出版(アソシエイテッド・ミュージック・パブリッシャー)
    初演:[弦楽六重奏]1899年3月18日、ウィーン、ロゼ弦楽四重奏団、フランツ・イェリネク、フランツ・シュミット[弦楽合奏版]1916年12月、プラハ[弦楽合奏改訂版]1944年2月、ニューヨーク

※当初R. シュトラウス《4つの最後の歌》を演奏する予定でしたが、出演者変更に伴い上記曲目に変更いたします。

  • 指揮:ガエタノ・デスピノーサ
    指揮:ガエタノ・デスピノーサ※

    1978年、イタリア・シチリア島のパレルモ生まれ。地元でヴァイオリンとピアノのほか、作曲と哲学を学び、まずはヴァイオリニストとしてキャリアをスタートし、2003年から2008年までドレスデン国立歌劇場のコンサートマスターを務めた。
    指揮者ファビオ・ルイージの薦めで、2008年以降は指揮者としての活動に専念。2012年から2017年までミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団の首席客演指揮者。フィレンツェ五月祭管弦楽団、ローマ聖チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、トリノRAI交響楽団などイタリアを中心に数多くの公演に招かれている。
    オペラ指揮者としての評価も高く、2010年5月にドレスデン国立歌劇場の《椿姫》でデビューを飾ると、その後はジェノヴァ歌劇場、グラーツ歌劇場、リヨン歌劇場、フェニーチェ劇場などに客演。2019年から2021年においては、ドレスデン国立歌劇場にて《ナブッコ》《フィガロの結婚》《ノルマ》を指揮、今後も、《蝶々夫人》《ランスへの旅》などを指揮する。ドレスデン国立歌劇場とは、ライマンの新作初演を含むラジオ収録のほか、2022年5月には、イェルク・ヘルヒェットの新作初演を含む公演でいよいよコンサート・デビューを飾る。
    N響との初共演は2012年4月。今回は2019年3月以来、4度目の共演となる。
     

  • ピアノ:小林海都
    ピアノ:小林海都※

    1995年横浜生まれ。上野学園高等学校音楽科演奏家コース卒業後、エリーザベト王妃音楽院で学び、現在はバーゼル音楽院にてクラウディオ・マルティネス・メーナーに師事。マリア・ジョアン・ピレシュのもとでも研鑽(けんさん)を積み、彼女が立ち上げた若手音楽家育成プロジェクト「パルティトゥーラ・プロジェクト」の一員として、デュオ・コンサートや収録などに携わった。国内のオーケストラをはじめ、海外でもベルギー国立管弦楽団、バーゼル交響楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団など多数のオーケストラと共演。
    受賞歴も多く、2013年に東京音楽コンクール第2位、2018年にはサンタ・セシリア国際コンクールで第3位に入賞している。近年は室内楽にも積極的で、2021年9月にイギリスで行われたリーズ国際ピアノ・コンクールでは、1975年以来の日本人歴代最高位の第2位に加えヤルタ・メニューイン賞(最優秀室内楽演奏賞)も受賞した。同コンクールのファイナルで披露した難曲、バルトークの《ピアノ協奏曲第3番》を携え、N響初登場。
     

【本公演のアンコール曲】シューベルト/アレグレット ハ短調 D.915(ピアノ:小林海都)

※当初出演予定の山田和樹(指揮)、佐々木典子(ソプラノ)から変更いたします。

フィルハーモニー
12月号(PDF)

※11/30発表の池袋Cプログラム出演者変更前の情報で掲載しております

出演者プロフィール&曲目解説等をご覧いただけます

チケット情報

チケット購入・空席照会

発売開始日
11月16日(火)11:00am
[定期会員先行発売日:11月11日(木)11:00am]

  S席 A席 B席 C席 D席
一般 8,900円 7,400円 5,800円 4,700円 3,700円
ユースチケット 5,500円 4,500円 3,500円 2,500円 1,500円
(税込)

WEBセレクト3+

WINTERシーズンの「WEBセレクト3+」は12月・1月の2か月を対象として実施いたします 詳細

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になります。
Winter(12~1月)内の公演(6プログラム12公演)のうち、3公演以上まとめて購入すると、1回券の一般料金より約8%割引します。

WEBチケットN響のみでの発売となります。
1回券発売日からお申し込みいただけます。
割引の併用はできません。

  • ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
  • ※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
  • ※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
  • ※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
  • ※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
  • ※未就学児のご入場はお断りしています。
定期会員券
発売開始日

年間会員券 
 販売終了

シーズン会員券 
10月21日(木)11:00am
[定期会員先行発売日:
10月15日(金)11:00am]

お問い合わせ・
お申し込み
N響ガイド TEL:03-5793-8161
WEBチケットN響

主催:NHK / NHK交響楽団

後援:豊島区

  • ※NHKホールの改修工事に伴い、定期公演Aプログラムは東京芸術劇場(池袋)に会場を移し、「池袋Aプログラム」として行います。
  • ※池袋Aプログラム2日目の開演時刻は1時間繰り上げ、2:00pmとさせていただきます(1日目は今まで通り6:00pm開演)。
託児について

東京芸術劇場 コンサートホールの託児室をご利用いただけます。
対象年齢、預かり料金、予約方法などは、お問い合わせください。

お問い合わせ:
株式会社ミラクス ミラクスシッター
TEL:0120-415-306
(平日9:00am~5:00pm/土日祝は休み)
ホームページ:
https://www.geigeki.jp/rent/kids/index.html