第1944回 定期公演
Bプログラム

2021年11月25日(木)
開場 6:20pm 開演 7:00pm

サントリーホール アクセス 座席表

終了

【重要なお知らせ(10/29更新)】
2021年11月定期公演 1回券の発売について

  • ※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
  • ※やむを得ない理由で出演者や曲目等が変更となる場合や、公演が中止となる場合がございます。公演中止の場合をのぞき、チケット代金の払い戻しはいたしません。
  • ※ご来場の際には感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。
  • 2021年11⽉Bプログラム プログラム&曲⽬解説

    19世紀市民社会の進展とともに演奏会制度が発達し、数々の技術革新で聴衆の喝さいを浴びたパガニーニ。そして、世紀後半におけるナショナリズムの隆盛を背景に、西欧音楽の動向やロシア社会の変動に機敏に対応しながら独自の道を歩んだチャイコフスキー。19世紀ヨーロッパ社会と音楽の多面的・多角的な関係を体現する2人の作品を、後期ロマン派を得意とする巨匠ルイージのタクトで体験したい。

    (千葉 潤)

  • パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品6

    19世紀前半のヨーロッパ社会では産業化が進み、音楽界でも多方面にその影響が現れた。実証主義や科学主義に基づく“技術偏重”のあおりを受けて、家庭ではピアノ運指のエクササイズやトレーニング器具が流行する一方、演奏会はますます広範な聴衆を集めるようになり、彼らの趣味は高級志向と通俗志向とに両極化した。そこで一世を風靡(ふうび)したのが、見世物的な演奏技巧を武器に観客のウケを狙う演奏家、いわゆる「ヴィルトゥオーゾ」であり、中でもひと際抜きんでた存在が、イタリアのヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニ(1782~1840)である。当時としては奇想天外な技巧の数々と、長年にわたる病苦が刻印された不気味な相貌が相まって、「悪魔に魂を売ったヴァイオリニスト」とまで評されたが、そのロマンティックな伝説の陰には、楽器の機能と技法を合理的に追及して職人芸にまで練り上げ、冷静に演出効果を計算する“実務家パガニーニ”の顔があったことを忘れてはなるまい。
    ともあれ、パガニーニが本格的に名声を確立したのは、齢(よわい)50が近づいた1830年前後のヨーロッパ旅行であり、それまでの雌伏(しふく)期間、彼はイタリア各地を回って、独自の技巧に磨きをかけながら機が熟するのを待った。《ヴァイオリン協奏曲第1番》もこの時期の作品であり、明るく優美な旋律と超絶技巧がヴァイオリンの魅力を引き立たせる。
    第1楽章 アレグロ・マエストーソ、4/4拍子、ニ長調、ソナタ形式。ロッシーニのオペラ序曲を彷彿(ほうふつ)させる潑剌(はつらつ)とした序奏に始まり、独奏ヴァイオリンが伸びやかな主題を提示しながら、個性的な技巧で装飾していく。特に、3度の対による迅速な重音奏法や、「フラジョレット」と呼ばれる高音域の倍音奏法が見どころ・聴きどころだ。
    第2楽章 アダージョ、4/4拍子、ロ短調、3部形式。この楽章でも、オペラ・アリアの主人公のように、独奏ヴァイオリンが叙情的な旋律を歌い上げる。中間部でのオーケストラも、やるせないセレナードを伴奏するギター風のピチカートや、悲劇的な運命を暗示するようなトロンボーンの音型など、オペラ的な雰囲気に富んでいる。
    第3楽章 ロンド:アレグロ・スピリトーソ、2/4拍子、ニ長調。弦の上で弓を跳ねさせながら迅速にスタッカートを弾く「リコシェ」、パガニーニの代名詞ともいうべき左手のピチカート、高音域での「重音フラジョレット」など、現代ヴァイオリン奏法の基礎となった超絶技巧の本来の魅力が鮮やかに発揮される。

    (千葉 潤)

    演奏時間:約35分
    作曲年代:1816年、1817年など諸説あり
    初演:1819年、作曲者の独奏、ナポリにて

  • チャイコフスキー/交響曲 第5番 ホ短調 作品64

    自伝的な内容を吐露する作曲家と思われがちなピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840~1893)だが、その創作は、帝政ロシア社会や、西欧・ロシア双方の音楽界の動向とも密接に関連していた。当時のロシアでは革命派テロリストにより皇帝が暗殺され、跡を継いだアレクサンドル3世は、国内の民主化運動を厳しく弾圧した半面、芸術文化を保護してロシアの国際的イメージを高めることに意を尽くした。その立役者こそ、国際的作曲家チャイコフスキーである。悪の妖精の呪いで眠りに落ちたオーロラ姫が、王子のキスによって100年後に目覚める《バレエ音楽「眠りの森の美女」》の物語は、ちょうどフランス革命から100年を経た当時の帝政ロシアへの壮大な賛美にほかならない。暗いホ短調で始まった《交響曲第5番》が、最後には力強いホ長調の行進曲で締めくくられるのも、同じく誠実な愛国心の表明と考えられるのである。
    一方、この曲の音楽的特徴は、冒頭クラリネットの低音によって提示される循環主題が、まるで運命に翻弄されるドラマの主人公のように、意匠を変えながら全ての楽章に現れる点にある。これは、《第5番》の3年前に完成した標題交響曲《マンフレッド》(1885)の手法を応用したものだが、元をたどれば、フランスのベルリオーズが《幻想交響曲》(1830)の “主人公 ”を表すために開拓した「固定楽想」に遡(さかのぼ)る。しかしながら、《マンフレッド》の完成後、文学的な標題内容と交響曲の器楽的論理との融合に違和を感じたチャイコフスキーは、《第5番》では標題を排除しつつも、循環主題の変容によって交響曲全体の音楽と心理の流れを一体化させ、ドイツ的な交響曲様式に得意とするオペラやバレエの特徴を盛り込みながら、後期ロマン派にふさわしい独自の世界を構築したのである。
    第1楽章 アンダンテ─アレグロ・コン・アニマ、ホ短調、6/8拍子、序奏付きのソナタ形式。展開部では6拍子の特徴を生かし、2分割(3拍+3拍)と3分割(2拍+2拍+2拍)の2通りのリズムを対立させながら、激しいクライマックスを築き上げる。
    第2楽章 アンダンテ・カンタービレ、コン・アルクーナ・リチェンツァ、ニ長調、12/8拍子、3部形式。ホルン独奏を主役とするオペラの一場面のように叙情的な音楽が展開されるが、その情熱の迸(ほとばし)りは、循環主題の出現によって突然中断される。
    第3楽章 ワルツ:アレグロ・モデラート、イ長調、3部形式。歌謡的な前楽章に対して、こちらでは妖精や村人たちが舞い踊るバレエさながらに、多彩なリズムの絡み合いが小気味よい効果をあげる。最後に忘れていた循環主題が皮肉っぽく顔をだす。
    第4楽章 終曲:アンダンテ・マエストーソ─アレグロ・ヴィヴァーチェ、ホ短調─ホ長調、序奏付きのソナタ形式。堂々とした頌歌に転じた循環主題によって開始されるが、音楽は再び激しい動機展開の流れに呑み込まれ、オーケストラ全体の大きな問いかけのあと、確信に満ちた輝かしい行進曲によって結ばれる。

    (千葉 潤)

    演奏時間:約50分
    作曲年代:1888年5月~8月
    初演:1888年11月17日(旧ロシア暦では5日)、作曲者自身の指揮、サンクトペテルブルクにて

  • 指揮:ファビオ・ルイージ
    指揮:ファビオ・ルイージ

    なるほど、そうきたか──NHK交響楽団の2022/23年シーズンからの首席指揮者に、ファビオ・ルイージが就くと聞いたとき、思わずそう唸(うな)ってしまった。まず、このコンビにはすでに名演奏が多くある。2017年客演時のマーラーの《交響曲第1番「巨人」》など、筆者は旅先の宿のラジオで聴いたのだが、尋常ならぬ熱気が小さなスピーカーからもびんびんと伝わってきて、驚かされたものだ。
    ジェノヴァ生まれのイタリア人ルイージは、本格的なキャリアをグラーツ歌劇場で開始、その後もウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団、MDR交響楽団、ドレスデン国立歌劇場、チューリヒ歌劇場など、多くドイツ語圏を活動拠点としてきた。明らかに独墺系の音楽を得意としており、そこからしてN響とは相性が良いのだろう。もっとも、早くもこの秋にフランツ・シュミットの《交響曲第2番》を取り上げるあたりをみると、独墺系といっても見過ごしがちな作品まで聴かせてくれそうだ。
    また、スイス・ロマンド管弦楽団、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で要職にあったこともあり、現在はデンマーク国立交響楽団で首席指揮者を、ダラス交響楽団で音楽監督を務めている。母語とドイツ語のほか、英語、フランス語にも堪能で、さまざまな文化圏のさまざまなジャンルを期待できる人。クラシックでモダンなコスモポリタンなのだ。
     
    (舩木篤也)
     

  • ヴァイオリン:フランチェスカ・デゴ
    ヴァイオリン:フランチェスカ・デゴ

    イタリアの若い世代を代表するヴァイオリニストのひとり。イタリア北部、スイスとの国境に近いレッコに生まれた。父親は詩人・作家のジュリアーノ・デゴ。アマチュアのヴァイオリニストでもあった父の影響で、4歳からヴァイオリンを始める。ミラノ音楽院、英国王立音楽大学で学ぶ。2008年、パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで入賞し、最年少の決勝進出者に贈られる「エンリコ・コスタ」特別賞を受賞。以後国際的に活躍し、フィルハーモニア管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、トリノ王立歌劇場管弦楽団、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団などのオーケストラに客演。NHK交響楽団とは今回が初共演である。得意のパガニーニで、明るく魅力的な音色と歌に満ちた演奏を聴かせてくれるに違いない。現在はロンドンを拠点に活動を行っている。
    録音では、ダニエーレ・ルスティオーニ&バーミンガム市交響楽団とのパガニーニの《ヴァイオリン協奏曲第1番》とヴォルフ・フェラーリの《ヴァイオリン協奏曲》、パガニーニの《24の奇想曲》などがある。使用楽器はフランチェスコ・ルジェーリ(1697年製)。
     
    ((山田治生)
     

【本公演のアンコール曲】コリリャーノ/レッド・ヴァイオリン・カプリス ― 第4変奏、第5変奏(ヴァイオリン:フランチェスカ・デゴ)

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フィルハーモニー
11月号(PDF)

出演者プロフィール&曲目解説等をご覧いただけます

チケット情報

チケット購入・空席照会

発売開始日
11月4日(木)11:00am
[定期会員先行発売日:11月2日(火)11:00am]

※今後の状況によっては、発売日が変更になる可能性があります。あらかじめご了承ください。

  S席 A席 B席 C席 D席
一般 9,800円 8,400円 6,700円 5,400円 4,400円
ユースチケット 5,800円 4,800円 3,800円 2,800円 1,800円
(税込)

AUTUMNシーズンでの「WEBセレクト3+」の販売を休止いたします 詳細

WEBセレクト3+

お好きな公演を3つ以上セレクトすると、1回券がお得になります。
Autumn(9~11月)、Winter(12~2月)、Spring(4~6月)の各シーズン内の公演(9プログラム18公演)のうち、3公演以上まとめて購入すると、1回券の一般料金より約8%割引します。

WEBチケットN響のみでの発売となります。
1回券発売日からお申し込みいただけます。
割引の併用はできません。

  • ユースチケットのご案内(要登録/取り扱いはN響ガイドのみ)
  • ※定期会員の方は一般料金の10%割引となります。また、先行発売をご利用いただけます(取り扱いはWEBチケットN響・N響ガイドのみ)。
  • ※この公演のお取り扱いは、N響ガイドおよびWEBチケットN響のみです。
  • ※車いす席についてはN響ガイドへお問い合わせください。
  • ※券種により1回券のご用意ができない場合があります。
  • ※当日券販売についてはこちらをご覧ください。
  • ※未就学児のご入場はお断りしています。
お問い合わせ・
お申し込み
N響ガイド TEL:03-5793-8161
WEBチケットN響

主催:NHK / NHK交響楽団