
【公演中止】Music Tomorrow 2020
2020年5月4日(月・祝)開場 3:15pm 開演 4:00pm

「Music Tomorrow 2020」の中止について
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、5月4日(月・祝)に開催予定だった「Music Tomorrow 2020」を、誠に残念ながら中止させていただくことになりました。公演を楽しみにされていたお客様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
ご購入いただいたチケットの代金は払い戻しいたします。詳しくはこちらをご覧ください。チケットをご購入いただいたお客様には、N響ガイドまたはお申し込み先の各プレイガイドから別途ご案内させていただきます。お手元のチケットは大切に保管くださいますようお願いいたします。
- 西村 朗/華開世界~オーケストラのための(2020)[NHK交響楽団委嘱作品・世界初演]
- レシュノフ/ヴァイオリンと管弦楽のための室内協奏曲(2015)[日本初演]
- サロネン/ニュクス(2011)[日本初演]
- 細川俊夫/オーケストラのための「渦」(2019)[第68回尾高賞受賞作品]
※3:30pmより尾高賞授賞式・プレトークがございます
指揮:ロバート・スパーノ
1961年アメリカ生まれ。オバーリン音楽院、カーティス音楽院などでピアノ、指揮などを学ぶ。1990年代にシカゴ、クリーヴランド、ロンドンなど国内外のオーケストラ・歌劇場に客演し、1996年ブルックリン・フィルハーモニックの音楽監督となる(–2004)。2001年よりアトランタ交響楽団の音楽監督を務め、ゴリホフ、ヒグドン、ジョン・アダムズなど同時代の作品も意欲的に取りあげている。N響には4月末のオーチャード定期とあわせて、今回が初登場となる。ヴァイオリン:ノア・ベンディックス・バルグリー
アメリカ生まれ。4歳よりヴァイオリンを学び、ジェイコブズ音楽院、ミュンヘン音楽院で学ぶ。2014年にピッツバーグ交響楽団のコンサートマスターからベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスターに転身。ソリストとしてもベルリン・フィル、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団などと共演。クレズマー音楽の演奏家としても知られ、近年《フィドル・ファンタジー ─クレズマー協奏曲》を作曲、初演している。N響には初登場となる。
聴きどころ
根源を見つめる眼差しの先に聴く共鳴するトーン
N響「Music Tomorrow」には3つの柱がある。日本で最も長い歴史を持つ作曲賞・尾高賞作品、NHK交響楽団委嘱作品の世界初演、そして海外作品の演奏であり、それは日本と海外の現在から「音楽の明日」を展望することと言い換えることもできるだろう。今回演奏されるのは第66回尾高賞作品の細川俊夫《渦》(2019)、委嘱世界初演となる西村朗《華開世界》、そして海外作品には日本ではまだ馴染みの薄いアメリカの作曲家レシュノフ《ヴァイオリンと管弦楽のための室内協奏曲》(2015、日本初演)、そして指揮者としても活躍しているサロネン《ニュクス》(2011、日本初演)の4作品である。
二群のオーケストラを用いた細川の《渦》は、一つの音(Es)の波動が内包する多彩な音世界として堆積し、渦巻きながら生成変化を続け、最後に静寂に満ちた光へと至る。編成を含めて陰陽の音宇宙を表象するものである。一方、西村の《華開世界》は、老梅の開花が世界全体に参与するという道元禅師の「華開世界起」(『正法眼蔵』)を読み替えた作品。色彩豊かな音の世界が一瞬一瞬新たに生起し、変容していくのを聴くだろう。イスラエル育ちのヴァイオリニスト、ギル・シャハムのために作曲されたレシュノフの《室内協奏曲》は、ニ短調の和音の上でユダヤの魂の楽器であるヴァイオリンが深い祈りの声を震わせる。もちろん、ベルリン・フィルの第1コンサートマスターとして活躍する一方、クレズマー音楽(東欧系ユダヤ人の民謡にルーツを持つ音楽)の奏者としても知られるベンディックス・バルグリーの独奏も聴き逃せない。そしてサロネンの《ニュクス》は原初神カオスから生まれたギリシャ神話の女神ニュクス、すなわち夜の女神を題材とした作品である。深淵な夜の女神のイメージを、サロネンはマーラーの夜の音楽やノクターン(夜想曲)の伝統も踏まえ、素材の変奏に基づく音詩として描き出す。4人の作品は陰陽の音宇宙、道元の華開世界、ユダヤの魂、ギリシャの夜の女神と、その主題は異なっている。しかし作曲家たちの根源を見つめる眼差しの先に、共鳴するトーンを発見することができるだろう。
(三橋圭介音楽評論家)
作曲家プロフィール
作曲:西村 朗
大阪生まれ。東京藝術大学卒業。同大学院修了。アジアの伝統音楽、宗教、美学、宇宙観等に強い関心を抱き、そこから導いたヘテロフォニーなどのコンセプトにより、多くの作品を発表。その作品は5回にわたり尾高賞を受賞している。エリザベート王妃国際音楽コンクール、ダッラピッコラ作曲賞、京都音楽賞、サントリー音楽賞など多数受賞。アルディッティ弦楽四重奏団、クロノス・カルテットなど、海外からの委嘱も多く、日本を代表する作曲家のひとりとして活動中。現在、東京音楽大学教授。
作曲:ジョナサン・レシュノフ
1973年ニュージャージー生まれ。ジョンズ・ホプキンズ大学で人類学、ピーボディ音楽院、メリーランド大学で音楽を学ぶ。その作品はフィラデルフィア管弦楽団をはじめ65を超えるオーケストラで演奏され、最近では2019年11月、カンザスシティ交響楽団委嘱による《ピアノ協奏曲》が世界初演され、成功を収めた。4曲の交響曲、10曲を超える協奏曲など、その新ロマン的な作風が多くの聴衆を魅了している。ニューヨーク・タイムズ紙は「現代アメリカのリリシズムの主導者」と評した。
作曲:エサ・ペッカ・サロネン
1958年ヘルシンキ生まれ。シベリウス音楽院でホルンと作曲を学ぶ。M.リンドベルイと作曲グループ「耳を開く」などを結成。後にドナトーニ、カスティリオーニなどに作曲を師事。ロサンゼルス・フィルハーモニック、フィルハーモニア管弦楽団などで指揮者として成功を収める一方、作曲活動も熱心に行っており、特にサックス、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための4つの協奏曲は彼の代表作である。N響では2002年に自作《インソムニア》の世界初演を指揮している。
作曲:細川俊夫
1955年広島生まれ。1976年から10年間ドイツに留学。ベルリン芸術大学でユン・イサン、フライブルク音楽大学でフーバーに師事。1980年ダルムシュタット夏期現代音楽講習会以降、ヨーロッパでの評価を確実にし、日本を代表する作曲家のひとりとして活躍。ザルツブルク音楽祭、ベルリン・フィルなどから作品を委嘱され、ゲルギエフ、ラトルらの指揮者によって演奏されている。2012年にはドイツ・バイエルン芸術アカデミー会員に選出。その作品が尾高賞を受賞するのは2014年に続き4度目となる。
チケット情報
発売開始日
2020年1月28日(火)10:00am [定期会員先行発売日:2020年1月24日(金)10:00am]
S席 | A席 | B席 | |
---|---|---|---|
一般 | 3,500円 | 2,500円 | 1,500円 |
WEBチケットN響 特別料金 | 3,000円 | 2,000円 | 1,000円 |
- ※N響定期会員先行発売は、N響ガイドおよびWEBチケットN響のみの取り扱い
- ※東京オペラシティArts友の会先行発売(1月24日[金]10:00am)の取り扱いは東京オペラシティ チケットセンターのみ
- 東京オペラシティ チケットセンターTEL:03-5353-9999
- チケットぴあTEL:0570-02-9999
- イープラス
- ローソンチケットTEL:0570-000-407
主催:NHK / NHK交響楽団
共催:公益財団法人東京オペラシティ文化財団
助成:公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団
- ※曲目・出演者・曲順等の変更の場合があります。あらかじめご了承ください。
- ※未就学児のご入場はお断りしています。