NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

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2013年8月27日

ヨーロッパ・ツアー速報(2) ザルツブルク音楽祭

8月25日、N響が日本の常設オーケストラとして初めて「ザルツブルク音楽祭」に出演しました。世界の名だたる音楽家・オーケストラが出演することで知られる世界最高峰の音楽祭、「ザルツブルク音楽祭」への招聘を受けて実現したもの。会場のフェルゼンライトシューレは舞台の周囲が岩壁に囲まれていて、映画『サウンド・オブ・ミュージック』でも知られる由緒ある劇場です。世界中から訪れた数多くの聴衆の中には、この日のマチネ公演で演奏したベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者、サイモン・ラトルや、樫本大進の顔も見られました。

 

華やいだ会場の雰囲気が、柿堺香の尺八の音で緊迫感みなぎるものに一変。中村鶴城の琵琶、そしてオーケストラによる武満徹《ノヴェンバー・ステップス》の演奏は、音楽の聖地に捧げるプロローグとして響いたようでした。

 

次に演奏されたのは《ソプラノとオーケストラのための「嘆き」》。ザルツブルク音楽祭から委嘱された細川俊夫さんの作品の世界初演です。ソプラノのアンナ・プロハスカが、ザルツブルク生まれの詩人、ゲオルク・トラークルの詩と手紙からなる歌詞を、ときに穏やかにときに慟哭(どうこく)するかのように歌い上げました。「東日本大震災の津波で子どもを失った母親の写真を見て、深い悲しみが歌うことで癒されてゆくような音楽を書きたかった」との細川氏の想いが会場に伝わっていきました。細川氏も壇上に招かれて熱い喝采を受け、喜びの表情を見せました。

 

後半のベルリオーズ《幻想交響曲》では、シャルル・デュトワがオーケストラから鮮やかな色彩を引き出し、最後の音が鳴り止むか止まない間に「ブラヴォー!」がわき起こりました。この日のアンコールはビゼー《「アルルの女」組曲 第2番》から〈ファランドール〉。軽快な響きが会場に弾み、何度も喝采に応えるオーケストラの姿が誇らしげに見えます。

 

N響の歴史にまた輝かしい1ページが刻まれた、記念すべき一夜となりました。

 

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日本経済新聞電子版でも紹介されました(外部リンク)
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写真撮影:Wolfgang Lienbacher

 

 

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