ストラヴィンスキー (1882 - 1971)

幻想的スケルツォ 作品3 (約12分)

 《花火》と双子の関係にある作品が、これと同日に初演された《幻想的スケルツォ》である。作曲のはじまりが《花火》よりも1年ほど早いからなのか、リズム面ではこちらのほうがずっとおとなしい。しかし、オーケストラの変幻自在の扱いは人を驚かせるに充分である。実際、ストラヴィンスキー自身、この曲におけるリムスキー・コルサコフやチャイコフスキーを介したメンデルスゾーンの影響を語りながらも、後年までこのスケルツォに愛着をもっていた。後にバレエに仕立てられたときにメーテルリンクの『蜜蜂の生活』が台本のベースとなったため、この曲にも蜂の飛翔や闘争のイメージが重ねられるようになったが、もともとは純粋な器楽曲として着想されたという。

作曲年代:1907年6月~1908年3月
初演:1909年2月6日、サンクトペテルブルク、指揮者アレクサンドル・ジロティの主宰するジロティ演奏会にて

(藤田 茂)