ベートーヴェン (1770 - 1827)

「プロメテウスの創造物」序曲(約5分)

 ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェンによるオペラ作品は《フィデリオ》1作(しかも3種の版が存在する)、バレエ作品は《騎士のバレエ》と《プロメテウスの創造物》を数えるのみであり、いずれも比較的若い時期に書かれたものである。
 振付家サルヴァトーレ・ヴィガノーとベートーヴェンが、ナポレオンに比すべき啓蒙主義時代の英雄として人間に芸術と学問を与えるプロメテウスを描く《プロメテウスの創造物》全曲は、《序曲》とそれに続く導入部、16曲の情景から成る。序曲の冒頭、ハ長調の主和音ではなく、不安定な「属七の和音」から始まるのは、《交響曲第1番》第1楽章の冒頭を思い起こさせ、新たな音楽様式の誕生を宣言する。

作曲年代:1800~1801年
初演:1801年3月、ウィーン、ホーフブルク劇場

(広瀬大介)