デュリュフレ (1902~1986)

3つの舞曲 作品6 (約21分)

 モーリス・デュリュフレはフランスのオルガン奏者・作曲家。1927年、舞台の付随音楽を依頼されたデュリュフレは、これに応じ〈タンブーラン〉を書き上げるが、独創性あふれるこの曲は依頼者の意には添わず、物別れに終わった。その後デュリュフレは、作曲の師であるポール・デュカスにこの曲を見せ、師の助言を得て更に2曲を書き加え、《3つの舞曲》として完成させた。

 第1曲〈ディヴェルティスマン〉は変則的なロンド形式で、3回のリフレインと2つのエピソードからなる。フルートの透明感のある旋律で始まる序奏から一転して、リフレインでは軽快なテンポで小気味よい旋律が奏される。第1エピソードの悠々とした旋律は木管楽器を中心に繰り広げられ、2回目、3回目のリフレインでは対旋律として用いられている。第2エピソードの気だるげな旋律は、次第に雄大な展開をみせる。3回目のリフレインで高揚感が最高潮に達し、第2エピソードが短く再現した後、序奏が再現されてひっそりと曲が閉じられる。
 第2曲〈ゆったりとした踊り〉は自由な形式で、巧みに音色を変化させていくオルガンの即興演奏を想起させる。序奏でクラリネット、フルートが奏でる幻想的な旋律の後、主部でオーボエが提示した妖艶(ようえん)な旋律は、他の楽器に受け渡されて変奏される。弦楽器が別の旋律を提示して展開した後、第1曲第1エピソードの旋律が変奏されて新しい旋律へと姿を変えてクライマックスを迎える。その後次第に落ち着きを取り戻し、終結部では序奏の旋律が回帰し、室内楽風の弦楽合奏で静かに終わる。
 第3曲〈タンブーラン〉は、3部形式からなり、田園風の踊りを表現しているとも言われる。タンブーラン(太鼓)がほぼ全体にわたり拍を刻むリズムを打ち、冒頭ファゴットが提示した主旋律が各楽器へと受け渡されるかたわら、第1曲リフレインのモチーフに基づく対旋律が奏され、活気を生み出す。中間部ではタンブーランがしばし鳴り止み、サクソフォーンが第1曲第2エピソードの旋律を奏で情熱的な盛り上がりを誘発する。再現部では主旋律が無窮動に発展して勢いを増すが、徐々に声部を減らし、タンブーランの刻むリズムが一層印象づけられる。

作曲年代:1927~1932年
初演:1936年1月18日、シャトレ座、パリ、ポール・パレー指揮、コロンヌ管弦楽団

(成田麗奈)