NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

楽員インタビュー

丹羽洋輔

丹羽洋輔

ヴァイオリン

にわ・ようすけ

東京都出身。7歳よりヴァイオリンを始める。東京都立芸術高等学校卒業。東京藝術大学在学中にN響のオーディションに合格。ヴァイオリンを堀正文、佐藤素子、安井領子、岡山潔、エドワード・ツェンコフスキー、篠崎史紀の各氏に師事。2007年5月1日入団。第2ヴァイオリン奏者。N響メンバーによる弦楽アンサンブル、弦楽四重奏のコンサートにも参加し、活動の幅を広げている。

 

「最若手」は卒業しましたが、まだまだこれからです

黒崎

お父様(丹羽経彦さん。2003年卒団)もN響のチェロ奏者でいらしたんですよね。アドヴァイスはよくあるのですか?

 

丹羽

父からはよく昔のN響の話を聞きますが、昔は今よりももっと厳しかったと言いますね。今は僕のような若手も増えて、自由になってきたようです。父から厳しい所だと脅されていたのですが、気さくに話しかけてくださる方が何人もいらして、ほっとしました(笑)。ただし、普段は親しくしてくださる方でも仕事となると厳しい表情になり、とても話しかける雰囲気ではなくなることもあります。

 

黒崎

たしかに皆さんがステージに勢揃いすると、緊張感がみなぎっていますよね。

 

丹羽

もっと皆、にこにこして弾けばいいのにと思ったこともあったのですが、「オーケストラは皆が互いに切磋琢磨して質を高めていく場なのだから、そんなことでは駄目だ」と言われて、やはり昔の伝統は息づいているのだな、と覚悟しました。

 

黒崎

入団5年目というと、最若手に入るのでは?

 

丹羽

いや、僕より若い人ももう何人も入っています。舞台上で「これを弾いてみて」なんて突然に振られることもあったのですが、最近ようやく矛先がこちらに向かなくなってきて、ほっとしています(笑)。

 

黒崎

役割が変わってきているんですね。今は何をやってみたいですか?

 

丹羽

この5年間で何かできるようになったかと言われるとまだ全然だと思います。もっとたくさんの曲を知らなくてはなりません。

 

黒崎

5年の中で印象に残った指揮者は?

 

丹羽

もう、たくさんいます。大感銘を受けたのはデュトワさんの指揮での《ドン・キホーテ》。このときのゴーティエ・カプソンさんのチェロの音色が素晴らしくて印象に残っています。

 

黒崎

お父様の音を小さい頃から聴いていたんですものね。

 

丹羽

そうですね、寝るときはいつも聞こえていました。ある意味、ヴァイオリンよりも親しみがあったといえる楽器です。音色が大好きなんです。

 

黒崎

ヴァイオリンはいつ頃から?

 

丹羽

初めは身体が小さかったので7歳から始めたのですが、ぐんぐん背が伸びて150センチくらいになってしまい、楽器もすぐに成人用に切り替えました。中学生のときにすでに180センチあって、もうヴィオラのほうが身体にしっくりくるくらいでした(笑)。

 

黒崎

どうしてチェロではなくヴァイオリンだったのですか?

 

丹羽

姉にピアノを、僕にヴァイオリンをやらせて、トリオを組みたいという父の希望があったんです。途中で姉が脱落してしまいましたが。

 

黒崎

お父様とのデュオはいかがですか?

 

丹羽

楽しいですよ。遠慮なくなんでも言い合えるのでくつろいで演奏できます。

 

黒崎

お父様の影響は大きいのですね?

 

丹羽

そもそも父の出ているN響の演奏会でフランク・ペーター・ツィンマーマンさんのヴァイオリンに感動したのが、ヴァイオリニストを目指そうと決心するきっかけでしたからね。

 

黒崎

ノリントンさんのノン・ヴィブラート奏法は体験されていかがでしたか?

 

丹羽

生のままの音で勝負するというのはやはりすごいことですよね。右手のコントロールについて細かく指示してくださったので勉強になりました。ヴィブラートをかけないほうがむしろ楽なので、翌月の演奏会のときに今度は「歌わせよう」と思ってもなかなかヴィブラートがかからなくなってしまって苦労しましたが(笑)。とてもいい経験ができましたから、来年4月の定期も楽しみです。

 

文 ― 猪上杉子/ 写真撮影 ― 松井伴実
「フィルハーモニー」2011年11月号掲載 ※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

 

N響ライブラリー

黒崎めぐみ

聞き手

黒崎めぐみ

くろさき・めぐみ

NHKアナウンサー。神奈川県横浜市出身。東京大学卒業。1991年NHK入局。これまでに「紅白歌合戦」、「生活ほっとモーニング」、「世界びっくり旅行社」などの番組を担当。2006年、2007年、2009年にNHKホールで行われた「N響ほっとコンサート」では司会を務めた。2011年4月から2012年3月まで「N響アワー」に出演。趣味は舞台芸術鑑賞。