NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

楽員インタビュー

西山真二

西山真二

コントラバス

にしやま・しんじ

長野県出身。13歳よりコントラバスを始める。東京藝術大学卒。第9回宝塚ベガ音楽コンクール弦楽器部門第3位受賞。第71回読売新人演奏会出演。これまでに永島義男、西田直文、石川滋の各氏に師事。2003年4月1日入団。コントラバス首席代行。双子の兄・健一とのデュオ「Duo Twins(デュオ・ツインズ)」や、室内オーケストラ「ARCUS(アルクス)」のメンバーとしても活躍中。

 

コントラバスは森のような存在。でも一本一本の樹は個性的なんです

岩槻

チェロ・セクションの西山健一さんと双子のご兄弟でいらっしゃいます。N響楽員としても、音楽界でも、珍しいですよね?

 

西山

そうでしょうね。N響では初めてだと聞いています。

 

岩槻

入団も同時にされたということですが、楽器をお始めになったのも同時ですか?

 

西山

いとこたちから、中学校の弦楽部に入らないかと誘われて。男子は大きな楽器を選ぶようにと言われ、健一はチェロを、僕はコントラバスを選びました。

 

岩槻

コントラバス、最初はどう思われましたか?

 

西山

すぐに響きの魅力にはまりましたね。思い起こしてみると、小学生の頃に音楽の合奏をするときにもバス・リコーダーをやりたいと手を挙げましたから、当時から既に低音好きだったのかもしれません(笑)。でもまさかプロになるとは夢にも思いませんでしたが。

 

岩槻

いつごろからプロになることを意識し始めましたか?

 

西山

中学3年の時、興味本位で参加した講習会で、東京藝大の附属高校を受験してみないかと声をかけていただいて、幸運なことに試験にも合格し入学することができました。それからは、毎日の生活の中に音楽が存在することが当たり前のようになった気がします。

 

岩槻

いつも兄弟一緒でやりにくい、ということはないのですか?

 

西山

むしろ心強いですね。二人とも親元から独立した今も、同じ駅の街に住んでいますから、時々はお互いの家を行き来して、チェロを遊びで弾いてみたり、練習でわからなかったところを確認しあ
ったり。一緒に釣りに行くこともあります。

 

岩槻

仲がいいんですね。釣りはどちらへ行かれるのですか?

 

西山

房総半島まで出かけます。3時や4時に早起きして、狙うのはクロダイなどです。

 

岩槻

早朝3時に起床となると、前の日の夜に演奏会があった日は、さすがに出掛けられませんよね。

 

西山

あまり関係ないですね、前の日の夜に仕事があってもなくても。釣りは別物です。子どもの頃から大好きなので。

 

岩槻

演奏同様、釣りもとことん手を抜かない西山さん。かっこいいです。かっこいいと言えば、指揮者のサンティさんのコントラバスの配置はかっこいいですよね。

 

西山

8人がずらりと横一列に並ぶ配置ですね。見た目は圧巻ですが、演奏を8人で揃えたり、タイミングを合わせるのは大変なんですよ。でも、実は個人的には気に入っています。サンティさんが来られる時だけの特別な並びなので、いつもと言われるとちょっと考えてしまいますが、たまにやるのは楽しいです。

 

岩槻

コントラバス・セクションのオーケストラでの役割はどういうところですか?

 

西山

最低音がしっかりすることによってオーケストラがきちんと響きます。逆に、揺らいでしまうと悪影響が出てしまいます。常にどっしりと冷静に落ち着いていなくてはいけない。オーケストラの中の「森」のような存在だと常々感じています。でも、一本一本の樹はそれぞれ個性をしっかり持って、静かに主張しているのです。

 

岩槻

冷静に燃えている西山さんに注目ですね。健一さんと、チェロ+コントラバスの珍しいデュオを組んで室内楽の活動もなさっていますが、子どもたちのためにサンタクロースの衣装で演奏されたことがあるそうですね。

 

西山

N響のメンバーと行ったクリスマス・コンサートで、リロイ・アンダソンの《プリンク・プレンク・ プランク》を振り付きで演奏して、子どもたちに喜んでもらいました。

 

岩槻

あの軽妙なピチカートの曲ですね。楽器をクルッと回したんでしょう?

 

西山

そうです。楽器の裏側の板を手でこすったりするときに、自分もくるりと回りながらね。

 

岩槻

楽しそうですね、見てみたかった。再演のご予定は?

 

西山

残念ながら、今のところはありません(笑)。

 

文― 猪上杉子/ 写真撮影― 松井伴実
「フィルハーモニー」2011年6月号掲載 ※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

 

N響ライブラリー

岩槻里子

聞き手

岩槻里子

いわつき・さとこ

NHKアナウンサー。愛知県出身。津田塾大学卒業、上智大学大学院博士前期課程修了。1998年NHK入局。2007年6月~2008年3月までメインキャスターを務めた「お元気ですか日本列島」では気さくな人柄が人気を呼んだ。2008年7月から「COOL JAPAN―発掘!かっこいいニッポン」のナレーションを担当。2008年4月から2011年3月まで「N響アワー」に出演。趣味はヴァイオリン。