NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

N響が贈る芳醇なひととき

クラシック・コンサートのマナー(2)

~演奏会場についたら編~

 クラシック・コンサートのマナー、前回は「演奏会に行くまで編」をお届けしました。コンサートの情報を手に入れチケットをゲット、いよいよコンサート当日。服装もきめてオシャレをして、さあ、ホールに到着。「クラシックのコンサートって、特別な決まりごとがあるの?」「知らずにマナー違反をして、他のお客さんににらまれたら……」。初めてコンサートに行くときは、誰しもそんな心配をしがちなもの。でも大丈夫。今回は、リラックスしてコンサートを楽しむコツをお教えしましょう。題して「演奏会場についたら編」です。

 

演奏会場へのスマートな入り方

 「ええっ?コンサート・ホールって入り方にもマナーがあるの?!」と思ってしまいましたか?いえいえ、そうではありません。ここで重要なのは、何時頃に会場に入ればいいのか、ということです。通常、コンサート・ホールの開場時刻は、開演の30分から1時間ほど前に設定されています。初めてホールに行く場合、できれば開演時刻ギリギリではなく、すこし余裕をもって到着しておくことをオススメします。とはいうものの、開場時刻の前からエントランスの前に行列を作ると、季節によっては汗をかいたり寒さに震えたりしますので、開場時刻を少し過ぎたあたりで到着するのが、もっとも快適な入り方でしょう。

 

何はともあれ座席を確認

 エントランスでチケット係(レセプショニストと呼ばれることもあります)にチケットを渡すと、半券を返してくれます。これは、途中で外に出る時に必要なので必ずとっておいて下さい。チケット係は、あなたの座席番号を確認して、「○○番扉です」とか「まっすぐ進んで左手の扉からお入り下さい」などと教えてくれます。そう、ホールには扉がたくさんあり、自分の座席になるべく近い扉から入らないと、広いホールの中で座席を探してさまよい歩くことになります。とはいっても、エントランスを通るのはほとんど一瞬ですから、チケット係の言葉を聞き逃してしまうこともあります。その場合には、扉付近にいる係員にチケットを見せて「どこから入ればいいですか」と聞いてください。係員は親切に教えてくれますし、頼めば、席まで連れていってくれます。

 季節が冬でコートを着ている場合、あるいは大きな荷物がある場合は、座席に着く前にクロークに預けてしまいましょう。劇場の座席はそれほど広いスペースではありませんから、大きな荷物やコートはとても邪魔になります。

 

開演前にしておくこと

 さて、自分の座席を確認したら、その後は開演まで自由な時間です。必要な用件はすませておきましょう。クラシックのコンサートはいったん始まると、休憩時間まで席を立つことはマナー違反です。他のお客さんの迷惑にもなるので、充分注意してください。

 開演前には、ぜひプログラムをご覧ください。予習をしてこなかった時はプログラムが大いに役立ちますし、また、後になって当日のコンサートを復習したくなった時にも手助けになります。プログラムには当日出演する指揮者やソリストのプロフィール、曲目解説、また曲にまつわるエッセイなどが掲載されています。

 

ホワイエの楽しみ方

 劇場ロビーのことを「ホワイエ」といいます。ホワイエには飲み物やちょっとしたスナックを売るカウンターがあります。よく休憩時間になっても席に座ったままの人を見かけますが、これはとてももったいないと思います。最近では、シャンパンやワイン、ビールなどのアルコール類が販売されていることも多いので、お好きな方はどうぞ楽しんでください。シャンパングラスを片手に、ホールに来た人たちを眺めるのもまた楽しいもの。思わぬ有名人が歩いているのを見かけたりするかもしれません。ただし、アルコールは酔わない程度に留めておきましょう。

 最近では、ホワイエはほとんどが禁煙です。どうしても煙草を吸いたい場合はいったん外に出なければならない場合もありますが、この時は半券を持っていくのを忘れずに。

 ホワイエで売られているのどあめは、包み紙の音が出にくいものが主流。コンサートの最中にせき込みそうになって、慌ててあめを出したら紙の音がガサガサ、というのでは周りのお客さんにも迷惑がかかります。またタブレットケースに入ったものなら、包み紙の音を気にせず口にいれることができますね。せきが出そうだな、と思ったらぜひ買っておきましょう。

 当日の演目を収録したCDや、アーティストのCDが売られていることもあります。聴く前にはピンとこなくても、演奏に感動してもういちど聴いてみたい!と思ったら、ぜひ買って帰って家で聴いてみてください。会場では気づかなかった思わぬ発見があったりして、クラシック音楽の楽しみがぐっと広がることでしょう。

 

(室田尚子/音楽評論家)

 

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