

- 9月定期では、幅広いレパートリーを持つマリナーが、ベルリオーズ、シベリウス、ベートーヴェンを指揮します。シベリウス《ヴァイオリン協奏曲》には、ロシアの若手ミハイル・シモニアンを迎えます。2005年にプーチン大統領にクレムリン宮殿に招かれ、さらにモスクワ市制記念日にモスクワ国立交響楽団とともに「赤の広場」で演奏しています。今、ロシアで最も期待されるヴァイオリニストの1人です。「ベト7」の愛称で知られるベートーヴェン《交響曲第7番》も聴き逃せません。10月定期では、ネルロ・サンティがメンデルスゾーン《交響曲第4番「イタリア」》とドヴォルザーク《チェロ協奏曲》、2つの名曲をお贈りします。ドヴォルザーク《チェロ協奏曲》では、日本の重鎮・堤剛による円熟の演奏をお楽しみください。11月定期は、生誕150年を記念して昨シーズンからスタートした「マーラー・シリーズ」。N響初登場となるドイツの指揮者マルクス・シュテンツが《交響曲第2番「復活」》を振ります。シュテンツは、マーラー交響曲全集を録音中で、注目を集めています。ソリストのクリスティアーネ・リボーアとアンネ・フォンドゥングは、いずれもドイツを中心に世界各地の歌劇場で活躍している歌手で、N響初登場となります。《交響曲第2番》の醍醐味は合唱が加わる終楽章で、その盛り上りはCDでは味わえないホールならではの感動をもたらしてくれます。


- 名誉音楽監督シャルル・デュトワのプログラミングには、つねに“こだわり”を感じます。ブリテン《戦争レクイエム》という選曲もその現れです。ブリテンの代表作にもかかわらず、なかなか演奏機会に恵まれないこの作品は、N響でも1979年5月(指揮はサヴァリッシュ)にしか採り上げられていません。レクイエムの典礼文とイギリスの詩人W. オーウェンの反戦詩を組み合わせたテクストによるこの作品では、第2次世界大戦への哀悼の意だけではなく、平和への祈りが歌われます。1月定期はイオン・マリン。ムソルグスキーの曲を両端に置いたプログラムです。前半の《交響詩「はげ山の一夜」》は、一般的なリムスキー・コルサコフ版をベースにして、部分的に原典版を使って演奏されます。《展覧会の絵》では、華やかなオーケストラ・サウンドをご堪能ください。2月定期はカリスマ指揮者チョン・ミョンフンです。2010年の生誕150年に引き続き2011年は没後100年とメモリアル・イヤーが続くマーラーは、チョンの得意としている作曲家の1人。前回登場した2008年2月定期では、《交響曲第9番》を演奏、その年の「もっとも心に残るコンサート」にベスト10入りしています。今回は《交響曲第3番》を採り上げます。ソリストは、ドイツやオーストリアの歌劇場で活躍する日本を代表する歌手の藤村実穂子。オペラにとどまらず、コンサートでも世界的な指揮者やメジャー・オーケストラとたびたび共演している実力派です。


- 4月定期のロジャー・ノリントン指揮によるマーラー・プログラムは、《交響曲第1番「巨人」》に関わる作品を並べた興味深いものとなっています。最初に演奏される《花の章》は、当初はこの交響曲の第2楽章として置かれていたものの、最終的に削除された曲。《さすらう若者の歌》の第2曲は第1楽章で、終曲は第3楽章で用いられています。《さすらう若者の歌》のソリストはディートリヒ・ヘンシェル。ドイツ生まれのヘンシェルは、往年の名歌手ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウに師事し、彼の後継者とも呼ばれています。5月定期を指揮するのは尾高忠明。近年の尾高の活躍は目覚しく、札幌交響楽団音楽監督として活躍する一方で、2010年1月からN響正指揮者とメルボルン交響楽団首席客演指揮者に同時に就任し、今シーズンからは新国立劇場オペラ部門芸術監督となることも決まっています。尾高のプログラムは、得意のイギリス音楽からウォルトン《チェロ協奏曲》とエルガー《交響曲第3番》を採り上げます。N響初演奏のウォルトン《チェロ協奏曲》では、イギリスの鬼才スティーヴン・イッサーリスがソロを務めます。6月定期ではウラディーミル・アシュケナージが、フィンランドの作曲家シベリウスを中心にしたプログラムを指揮します。アメリカで初演された《交響詩「大洋の女神」》と最後の交響曲《第7番》が演奏されます。







