NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

Music Tomorrow 2019

1957年、スペインのバルゲダ生まれ。モンセラート修道院聖歌隊で音楽をはじめ、後に指揮を学んだ。1985年にバルセロナ・リウル劇場室内オーケストラを創設。1994年グラナダ市管弦楽団首席指揮者、2003年スペイン国立管弦楽団の首席指揮者。2012年、リセウ劇場音楽監督に就任。国外ではゲヴァントハウス管弦楽団、パリ管弦楽団などに客演している。1999年、20世紀作品の優れた演奏によりスペイン国家音楽賞を受賞。N響とは初共演となる。

 

※6:30pmより尾高賞授賞式・プレトークがございます

 

聴きどころ

4人の作曲家の創造的幻視

N響〈Music Tomorrow〉は尾高賞受賞作、委嘱作品世界初演、そして海外の作品で構成される。今年は藤倉大の《Glorious Clouds》(2016/17)が尾高賞を受賞。委嘱作に薮田翔一の《祈りの歌》。そして海外作品にイギリスのG.ベンジャミン(1960~)の出世作となった《冬の心》(1981)とスペインのカサブランカス(1956~)の《いにしえの響き-管弦楽のための即興曲》(2007/日本初演)である。すべての作品に共通するのは、4人の作曲家たちによる創造的幻視と言えるだろう。
 藤倉は2009年、2015年に続いて3度目の受賞であり、今回は師のひとりであるベンジャミンの作品と並ぶ。《Glorious Clouds》は微生物の世界を音で表現した作品であり、さまざまな音(微生物)が煌きながら雲のように流動し、生成を繰り返していく。音に映像を合わせたディズニー映画『ファンタジア』のように、その音楽は視覚的なイメージを喚起させる。一方薮田は現代の音楽からポップスまでジャンルを超えた活動を繰り広げている作曲家だ。現代的な手法を用いながらもある種のわかりやすさをもつ彼の作風は、《祈りの歌》でどのような声を届けてくれるだろうか。
 海外の2作品は、今回N響初共演となるJ.ポンスが提案したもので、共に詩と絵画のある種の読み替えないしは創造的な注釈として作曲されている。まず、ベンジャミンの《冬の心》はアメリカの詩人W.スティーヴンスの『スノー・マン(雪だるま)』に基づく作品で、人間の心にある深淵をひとつの冬の幻視として音風景へと変換する。雪降り積もるニューイングランド、木々が凍てつく自然のなかに佇む孤独なスノー・マンというヴィジョンであり、研ぎ澄まされた静寂の深さが声とオーケストラによって表現される。一方、ポンスが世界初演を行ったカサブランカスの《いにしえの響き》はクレーの同名の絵画にインスピレーションを得た作品。グリッド上に四角形の色彩を重ね、それぞれの色彩の響きあいが独自の調和を生み出すクレー、それに対しカサブランカスは古代風の旋律的断片や色彩(和声)の重ねあわせとそのグラデーション、そしてリズムの躍動など、作曲者ならではの創造的フィードバックを聴くことができるだろう。現代作品を得意とするポンスがこの4人の幻視にどのような光と影を与えてくれるか、とても楽しみだ。

三橋圭介(音楽評論家)

作曲家プロフィール

作曲:薮田翔一

 

1983年生まれ。東京音楽大学、同大学院修了。飯塚邦彦、有馬礼子、藤原豊、糀場富美子、西村朗、池辺晋一郎、細川俊夫に学ぶ。ジュネーヴ国際音楽コンクール作曲部門で日本人初となる第1位を、ウィーン・コンツェルトハウス100周年作曲賞で最優秀作品賞などを受賞。「短い音の集積」をテーマにした楽曲を数多く発表しており、近年では小倉百人一首で歌曲集(100曲)を完成させた。現代の音楽だけでなく、ポップスなど多ジャンルにわたって活躍している。

作曲:藤倉 大

 

1977年生まれ。15歳で渡英、E.ロックスバラ、D.ランズウィック、G. ベンジャミンに師事。1998年セロツキ国際作曲コンクールで最年少優勝。これまでにロイヤル・フィルハーモニック作曲賞、国際ウィーン作曲賞、パウル・ヒンデミット賞、第19回芥川作曲賞、2017年ヴェネツィア・ビエンナーレ音楽部門銀獅子賞などを受賞。2020年は3作目のオペラ世界初演等が控えている。イギリス在住。藤倉作品が尾高賞を受賞するのは2009年、2015年に続き3度目。

作曲:ジョージ・ベンジャミン

 

1960年イギリス生まれ。パリ国立高等音楽院でメシアンに、その後ケンブリッジ大学のキングス・カレッジでA.ゲールに師事。20歳で《平らな地平線に囲まれて》のプロムス世界初演を経験し、2年後にはラトル指揮ロンドン・シンフォニエッタで《曙光》が取り上げられ、評価を世界的なものにした。オペラでは2012年初演の《リトゥン・オン・スキン》が早くも20の歌劇場で上演されることが決まっている。N響が彼の作品を取り上げるのは今回が初めて。

作曲:ベネト・カサブランカス

 

1956年スペイン、サバディ生まれ。バルセロナとウィーンで作曲を学び、F.ツェルハ、K.-H.フュッスルに師事。バルセロナ自治大学で哲学と音楽学を修める。G.リゲティ、E.カーター、M.カーゲル、G. ベンジャミンなどのマスタークラスを受講。作品はアルディッティ四重奏団、アンサンブル13、BBC交響楽団、スペイン国立管弦楽団など世界で演奏されている。N響が彼の作品を取り上げるのは初めてとなる。

 
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チケット情報

  S席 A席 B席
一般 3,500円 2,500円 1,500円
  S席 A席 B席
WEBチケットN響 特別料金 3,000円 2,000円 1,000円

座席表   

※N響定期会員先行発売の取り扱いは、N響ガイドおよびWEBチケットN響のみとなります
※東京オペラシティArts友の会先行発売(2月28日[木]10:00am)の取り扱いは東京オペラシティ チケットセンターのみとなります

主催:NHK / NHK交響楽団

 

共催:公益財団法人東京オペラシティ文化財団

 

助成:芸術文化振興基金 / 公益財団法人 三菱UFJ信託芸術文化財団 / 公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション

 

※曲目・出演者・曲順等の変更の場合があります。あらかじめご了承ください。

※未就学児のご入場はお断りしています。

コンサート

このコンサートの放送予定