NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

Music Tomorrow 2018

1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学、英国王立音楽大学、タングルウッド音楽センターで学ぶ。現代作品を得意としており、O.ナッセン、S.ライヒ、W.リーム、J.アダムスなどから信頼を得ている。これまでにボストン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロサンゼルス・フィル、アンサンブル・モデルン、ロンドン・シンフォニエッタ、アンサンブル・アンテルコンタンポランなどに客演し、好評を得ている。ケルンWDR交響楽団を指揮したCD『グリゼイ《音響空間》』はドイツ・シャルプラッテン賞を受賞。N響とは初共演となる。

 

※6:30pmより尾高賞授賞式・プレトークがございます

 

聴きどころ

組み合わされた風景 — 日本とイギリス、2つの国からの多様な音の風景

第66回尾高賞が坂田直樹の《組み合わされた風景》(2016)に決定した。昨年の武満徹作曲賞で審査員のハインツ・ホリガーが第1位に選んだ作品である。そして〈Music Tomorrow2018〉で演奏される他3曲は、NHK交響楽団委嘱作品が鈴木純明の《リューベックのためのインヴェンションⅢ「夏」》、日本初演作品がイギリスのジェームズ・マクミランの《オーボエ協奏曲》(2010)とコリン・マシューズの《ターニング・ポイント》(2006)。4人の作曲家はいわゆる前衛的な抽象性に留まるのではなく、過去の形式や様式、調性、実験音楽、さらにはジャンルすら超え、自由に自己の音楽に取り組みながら創作するポストモダン世代の作曲家である。イギリスのマクミランやマシューズはエルガーやホルスト、ヴォーン・ウィリアムズ、ブリテンなどイギリスの保守的な伝統を持ち、時代の流れのなかで多様式的なポストモダンと結びついて今に至る。マクミランの《オーボエ協奏曲》は伝統的な枠組みの協奏曲の体裁を取りながら、さまざまな仕掛けをもつ音の祭典であり、風景の色鮮やかな変転が繰り広げられる。名手ルルーのオーボエ独奏も注目だ。マシューズの《ターニング・ポイント》は、素早い音のモザイク状から持続的なものへと変化し、強度を増していく。終盤、2つの多層化によって1つに結び付けられる。一方、鈴木は2016年の《テューバと管弦楽のための「1920」》(2016)が見事で、私はその年の演奏会のベスト5に選んだ。今回の《リューベックのためのインヴェンションⅢ「夏」》では、リューベックという都市にちなんで、引用を含め意味の変容を促す優れた作品が聴けるだろう。そして坂田の《組み合わされた風景》は時空が重層的に通り過ぎて行くように出会っていく。それは現実的な音(日常耳にするノイズや鳥の声などの模倣)と器楽的な抽象音による組織化であり、「写実と抽象」の境界を超えたコラージュの風景へと誘ってくれる。〈Music Tomorrow2018〉は、日本とイギリス、2つの国からの多様な音の風景が組み合わされた、発見と想像を喚起するコンサートになるだろう。

三橋圭介(音楽評論家)

作曲家プロフィール

作曲:鈴木純明

 

1970年生まれ。東京藝術大学大学院修士課程作曲専攻修了。パリ国立高等音楽院作曲科で学ぶ。宍戸睦郎、原博、野田暉行、廣瀬量平、一柳慧、野平一郎、G.グリゼー、M.ストロッパ、P.ルルーに師事。1999年~2001年、文化庁派遣芸術家在外研修員。2002年~2003年IRCAM研修員。第64回日本音楽コンクール、第18回日本交響楽振興財団作曲賞、ガウデアムス国際音楽週間’99、第31回ブールジュ国際電子音楽コンクール等に入選。《ラ・ロマネスカII ― ペトルッチの遍歴》(2013)で第24回芥川作曲賞受賞。近年は中世から近代までの既存の西洋音楽作品を参照しつつ、創作活動を続けている。東京藝術大学音楽学部作曲科准教授、桐朋学園大学講師

作曲:坂田直樹

 

1981年生まれ。愛知県立芸術大学、パリ・エコール・ノルマル音楽院を卒業。パリ国立高等音楽院でS.ジェルヴァゾーニに師事。フランス音楽著作権協会賞、第36回入野賞、武満徹作曲賞第1位など受賞。武生国際音楽祭、リマ国際音楽祭などで作品が演奏され、アンサンブル2E2M、ディヴェルティメント・アンサンブル、東京シンフォニエッタ、東京フィルハーモニー交響楽団などでも演奏されている。現在、パリを中心に活動を行っており、フランス・ミュージック、フランス文化省などから委嘱を受けている。2016年、京都市立芸術大学招聘講師、2010、2011年度ローム奨学生。2018年、自身の作品《組み合わされた風景》が第66回尾高賞を受賞。

作曲:ジェームズ・マクミラン

 

1959年イギリス生まれ。エディンバラ大学、ダラム大学で音楽を学ぶ。J.カスケンに師事。国際的な知名度を上げたのが、1990年の《The Confession of Isobel Gowdie》で、1992年にはE.グレニーの独奏で打楽器協奏曲《Veni, Veni, Emmanuel》 が初演され、以降、この曲は世界で500回を超える演奏が行われている。2000年以降、2004年にニューヨーク・シティ・バレエによって《ピアノ協奏曲第2番》が上演、2008年にはロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ボストン交響楽団などの共同委嘱により《St. John Passion》がコリン・デーヴィスの指揮で上演されている。2015年のBBCプロムスでは《交響曲第4番》が初演され好評を博した。この年、ナイトの爵位を授与された。

作曲:コリン・マシューズ

 

1946年イギリス生まれ。ノッティンガム大学で古典を学び、その後作曲をA.ウィットールとN.モーに師事。B.ブリテンのアシスタントを務め、I.ホルストとも数年にわたり仕事をした。ピアノ曲から多くのアンサンブル、オーケストラ作品を作曲し、1992年から1999年までロンドン交響楽団の提携作曲家としてロストロポーヴィチのために《チェロ協奏曲》などを作曲。2000年以降、サンフランシスコ交響楽団のために《Reflected Images》(2003)やBBC交響楽団のために《Traces Remain》(2014)、ロンドン・フィルのために《The Pied Piper》(2015)などを作曲している。また、ハレ管弦楽団でドビュッシーの《24の前奏曲》の管弦楽編曲なども行っている。

 
PC

チケット情報

発売開始日
2018年4月3日(火)10:00am [定期会員先行発売日:2018年3月27日(火)10:00am]

  S席 A席 B席
一般 3,500円 2,500円 1,500円
  S席 A席 B席
WEBチケットN響 特別料金 3,000円 2,000円 1,000円

座席表   

※N響定期会員先行発売の取り扱いは、N響ガイドおよびWEBチケットN響のみとなります
※東京オペラシティArts友の会先行発売(3月27日[火]10:00am)の取り扱いは東京オペラシティ チケットセンターのみとなります

主催:NHK / NHK交響楽団

 

共催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団

 

助成:芸術文化振興基金 / 公益財団法人 三菱UFJ信託芸術文化財団 / 公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション

 

※曲目・出演者・曲順等の変更の場合があります。あらかじめご了承ください。

※未就学児のご入場はお断りしています。

コンサート

資料請求

コンサートスケジュールや、定期会員のご案内をご覧いただけるパンフレットを、無料でお送りします。