NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

Music Tomorrow 2017

1970年生まれのオランダの指揮者。スウェーリンク音楽院、ハーグ王立音楽院で学ぶ。1995年、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮し、国際的な評価を得る。翌年、オランダ放送管弦楽団の首席客演指揮者、1998年から2002年までアーネム・フィルの首席指揮者を務め、2012年にはスウェーデン王立オペラの音楽監督となる。レネスは同時代の音楽に情熱を傾け、タン・ドゥン《TEA》のアメリカ初演、ジョージ・ベンジャミン《リトゥン・オン・スキン》のスウェーデン初演を行う。特にジョン・アダムスの作品(《ドクター・アトミック》《中国のニクソン》)は評価が高く、作曲者の厚い信頼を得ている。N響とは初共演となる。

 

※6:30pmより尾高賞授賞式・プレトークがございます

 

聴きどころ

世代のラグタイム(不揃いの時間)の今を聴く

〈Music Tomorrow 2017〉、第65回尾高賞に決定したのは、5回目となる一柳慧(1933-)と3回目となる池辺晋一郎(1943-)の作品。しかも共に「交響曲第10番」。それぞれベートーヴェン以降の「第9」の呪いを乗り越えての受賞となった。一柳は《交響曲第10番「さまざまな想い出の中に」》、池辺が《シンフォニーX「次の時代のために」》。そして海外の作品から英国を代表する作曲家M.-A.ターネイジ(1960-)の《ピアノ協奏曲》(日本初演)。委嘱世界初演は岸野末利加(1971-)による《シェイズ・オブ・オーカー》の4作品。

2人の《10番》響宴から。まず一柳の交響曲は、没後10年を迎えた名指揮者、岩城宏之の想い出に捧げられている。瞑想のように立ち上る音から管楽器が戯れるように響き(序奏)、続く楽章ではマリンバ奏者として一柳の《パガニーニ・パーソナル》に奮闘する岩城の姿が想起される。一方、池辺の交響曲は、日本や世界で頻発するテロや自然災害への危惧や未来への希望をテーマとする。荒涼とした風景から意志が立ち上り、終楽章では「幸福とは何か」を問いかけ、来るべき未来に向けて光に満ちた鐘を打ち鳴らす。

ターネイジの《ピアノ協奏曲》(2013)も一柳同様、過去と対峙した現在の実りだ。かれは古典的な協奏曲への敬意から、「ピアノ協奏曲を書きたくなかった」という。それゆえ作品は「サード・ストリーム」(ジャズとクラシックを融合した〈第3の流れ〉)運動の指導者G.シュラーの弟子にふさわしく、ジャズ・ピアニストを想定している。中心となる第3楽章〈ハンスのための最後の子守唄〉では、ターネイジをオペラへと導いたH.W.ヘンツェへのオマージュが刻まれているという。反田恭平(ピアノ)の新しい感性がいかにこの作品を料理するか、とても楽しみだ。そして委嘱世界初演は、尾高賞の2人の年齢差と同じく、ターネイジとほぼ10歳差でもある岸野末利加の《シェイズ・オブ・オーカー》。フランスで学び、ヨーロッパを中心に活躍する、この日本の未来を担う作曲家の作品が、「協奏曲」や2つの《10番》のなかでどのように響くか。音楽の現在とは世代の「ラグタイム(不揃いの時間)」ともいえる。四世代を代表する作曲家たちが何を経験し、今何を発信するか?それは〈Music Tomorrow 2017〉の大きな聴き所のひとつだろう。

三橋圭介(音楽評論家)

作曲家プロフィール

作曲:岸野末利加

 

1971年京都生まれ。同志社大学法学部を卒業後、1995年に渡仏。パリのエコール・ノルマル、国立リヨン高等音楽院で作曲を学び、2004年から2005年までIRCAM研究員を務める。作曲を平義久、R.パスカル、P.ルルーに師事。2006年よりケルンを拠点に活動している。リヨン・ビエンナーレ、オスロ・ウルティマ音楽祭、ザクレブ・ビエンナーレ、西ドイツ放送局など、ヨーロッパを中心に多くの委嘱作品を生み出している。近年ではラジオ・フランス委嘱の《箏コンチェルト》がフランス国立放送フィルで、またフランス文化省委嘱による《散華》がストラスブール・パーカッション・グループによって世界初演されている。

作曲:マーク・アントニー・ターネイジ

 

1960年生まれの英国を代表する作曲家。O.ナッセン、J.ランバート、ジャズのG.シュラーに作曲を師事。1988年、最初のオペラ《グリーク》がミュンヘン・ビエンナーレで初演され、国際的な名声を得る。1989年から1993年までS.ラトル、バーミンガム市交響楽団の委嘱を継続的に受け、特に《3人の叫ぶ教皇》(1989)が重要な作品。以降、アンサンブル・モデルン、イギリス・ナショナル・オペラ、BBC交響楽団、ベルリン・フィル、ロンドン・フィルなどから数多くの委嘱を受け、国際的に高い評価を得ている。ジャズ・イディオムも含め、明快な旋律に基づきながら色彩的な管弦楽法を特徴とする。

作曲:一柳 慧

 

1933年生まれ。作曲家、ピアニスト。ジュリアード音楽院で学び、ジョン・ケージのグループで前衛的な音楽活動を展開。帰国後は偶然性や図形楽譜を用いた作品を発表しながら、同時代の新しい音楽の紹介者としても活躍。ロックフェラー財団の招聘により再度渡米。日本の伝統楽器のための創作も含め、作品はオペラ、10曲の交響曲をはじめとする管弦楽作品、室内楽、雅楽、声明など多岐にわたり、音楽の空間性や時間を追求した独自の創造が展開されている。フランス芸術文化勲章、京都音楽賞、サントリー音楽賞、紫綬褒章、旭日小綬章、文化功労者など受賞多数。自作が尾高賞を受賞するのは今回が5回目。

作曲:池辺晋一郎

 

1943年生まれ。東京藝術大学大学院修了。日本音楽コンクール第1位。ザルツブルクTVオペラ祭優秀賞、イタリア放送協会賞3度、芸術祭優秀賞4度、日本アカデミー賞音楽賞9度など受賞多数。2004年には紫綬褒章を受章。作品は10番までの交響曲を筆頭に、協奏曲、オペラ、合唱、室内楽、邦楽、映画、TV、演劇音楽など、膨大な数にのぼる。現在、東京音楽大学客員教授、東京オペラシティ文化財団ミュージック・ディレクター、横浜みなとみらいホール館長、石川県立音楽堂洋楽監督などを務める。2009年3月まで13年間、NHKの「N響アワー」で解説者として人気を博す。自作が尾高賞を受賞するのは今回が3度目。

 
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チケット情報

  S席 A席 B席
一般 3,500円 2,500円 1,500円
  S席 A席 B席
WEBチケットN響 特別料金 3,000円 2,000円 1,000円

座席表   

※N響定期会員先行発売の取り扱いは、N響ガイドおよびWEBチケットN響のみとなります
※東京オペラシティArts友の会先行発売(3月28日[火]10:00am)の取り扱いは東京オペラシティ チケットセンターのみとなります

主催:NHK / NHK交響楽団

 

共催:公益財団法人東京オペラシティ文化財団

 

助成:芸術文化振興基金 / 公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団 / 公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション

 

協賛:株式会社東芝

 

※曲目・出演者・曲順等の変更の場合があります。あらかじめご了承ください。

※未就学児のご入場はお断りしています。

コンサート

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