NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

Music Tomorrow 2016

1969年生まれ。2000年東京国際音楽コンクール優勝と齋藤秀雄賞受賞、2001年ブザンソン国際指揮者コンクールの優勝以降、国際的な活動を展開。国内の主要オーケストラだけでなくローマ聖チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、シュトゥットガルト放送交響楽団などと共演。2006年読売日本交響楽団の初代正指揮者(2013年より首席客演指揮者)、2011年より広島ウインドオーケストラ音楽監督。2014年京都市交響楽団の常任客演指揮者に就任。2017年度より広島交響楽団音楽総監督に就任予定。また、出光音楽賞、第17回新日鉄音楽賞・フレッシュアーティスト賞、第63回芸術選奨文部科学大臣賞、第44回東燃ゼネラル音楽賞奨励賞など、数々の賞を受賞。

 

※6:30pmより尾高賞授賞式・プレトークがございます

 

聴きどころ

対立を超え、しなやかなシステムを希求する音楽たち

第64回尾高賞受賞作が決定した。2015年7月18日にオーケストラ・アンサンブル金沢によって世界初演された権代敦彦の《Vice Versa―逆も真なり―》である。さまざまな音のパラメーター(長短、緩急、高低、動静、明暗など)の二項対立を、時間の経過と共に融和に向かって押し進めていく作品。それらのパラメーターは一見すると、排他的な対応関係を示しているが、同時に音楽の全体システムを形成するために不可欠な対立要素でもある。対立は「逆も真なり」として、見方を変えれば対立ですらないのかもしれない。権代の俯瞰した視点のなかには、二項に対するしなやかなシステムへの希求が呼び覚まされている。そこに音楽そのものを聴くか、世界への祈りを聴くかは自由だ。

NHK交響楽団委嘱作品世界初演は、2014年に武満徹作曲賞で第1位となり、注目を集めた大胡恵の《「何を育てているの?」「白いヒヤシンス」》(2016)。いつもながら奇妙なタイトルだが、それだけにどのような音の対話を聴かせてくれるか今から楽しみだ。海外作品はエストニアの作曲家エイノ・タンベルクの《トランペット協奏曲第1番》(1972)。多くのトランペット奏者によって演奏されている彼の代表作の1つで、ショスタコーヴィチから決して遠いものではない。今回のMusic Tomorrowの目玉ともいえるセルゲイ・ナカリャコフのパフォーマンスも期待したい。演奏会の最後を飾るのは第49回尾高賞を受賞した北爪道夫の《地の風景》(2000)の再演である。久野和洋の連作絵画に影響を受けて書かれており、その絵が天(空)との印象深いコントラストを生んでいるように、自然との共振が生み出す地の律動のなかに天も描かれているのではないだろうか。新旧尾高賞作品に聴く二項対立はどのような対照を描いてくれるだろうか。

三橋圭介(音楽評論家)

作曲家プロフィール

作曲:権代敦彦

 

1965年生まれ。桐朋学園大学で作曲を学び、フライブルク音楽大学に留学。文化庁芸術家在外研修員としてパリのIRCAMで学ぶ。1991年、ローマのブッキ国際作曲コンクール第1位、1992年、ワルシャワのセロツキ記念国際作曲家コンペティション第2位をはじめ、1996年第6回芥川作曲賞、2002年芸術選奨文部科学大臣新人賞、2016年に尾高賞など数々を受賞。また、2010年ロンドンではフィルハーモニア管弦楽団による「ミュージック・オブ・トゥディ」で特集作曲家に選ばれ、2013年サントリー芸術財団により「作曲家の個展〈権代敦彦〉」が開催。2014年、初のオペラ《桜の記憶》がリトアニア・カウナス国立劇場で世界初演されるなど、めざましい活動を続けている。

作曲:大胡 恵

 

1979年生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業後、日本の伝統音楽を独学。一連の研究を経て、或る地域の音楽文化を特徴づける素材(ペンタトニックや三和音など)を、被写体/モチーフとして定義する独自の作曲法を考案。その実践をライフワークとしている。2009年に《親和性によるグラデイション》で、全日本吹奏楽連盟作曲コンクールで第2位。同年、《お早うコンプレックス》で日本音楽コンクール作曲部門第2位。2011年《さよなら、わたしたちのキレイだったところ 其之一》でJFC作曲賞、2013年には《親和性によるグラデイション第4番》で芥川作曲賞にそれぞれノミネートされる。2014年には《北之椿―親和性によるグラデイション第2番》で武満徹作曲賞第1位(審査員:ペーテル・エトヴェシュ)を受賞。

作曲:エイノ・タンベルク

 

エストニアのタリンに1930年に生まれ、2010年没。タリン音楽院で学び、1953年から1959年まで、エストニア放送のサウンド・エンジニアとして働き、1960年から1969年まではエストニア作曲ユニオンの顧問を務める。1968年以降、エストニア芸術アカデミーで作曲を教える。1999年エストニア国立文化賞を受賞。彼の名声を決定づけたのは1956年の《コンチェルト・グロッソ》で、エストニアの新しい音楽を国際的に認知させた。明快な形式に拡張された調性と無調を結合した独自の書法を持ち、特に4つの交響曲やトランペット、ヴァイオリン、サクソフォンなどの協奏曲が知られている。

作曲:北爪道夫

 

1948年生まれ。東京藝術大学及び同大学院修了。矢代秋雄、松村禎三などに作曲を師事。1977年、アンサンブル・ヴァン・ドリアン結成に参画、内外の現代作品紹介に努め、1983年同団体として第1回中島健蔵音楽賞受賞。1979年文化庁派遣芸術家として渡仏。以降、多くの委嘱を受け、国際的に高い評価を得る。1994年《映照》で尾高賞を受賞。同作品は1995年ユネスコ国際作曲家審議会の最優秀作品に選出。2001年《地の風景》で再び尾高賞を受賞。2004年、長年にわたる作曲活動に対して、第22回中島健蔵音楽賞を受賞。2015年、ミュージック・フロム・ジャパン40周年記念委嘱作品がニューヨーク、東京で初演され、ニューヨーク・タイムズ紙で高い評価を得た。

 
PC

チケット情報

  S席 A席 B席
一般 3,500円 2,500円 1,500円
  S席 A席 B席
WEBチケットN響 特別料金 3,000円 2,000円 1,000円

座席表   

※会員先行発売の取り扱いは、N響ガイドおよびWEBチケットN響のみとなります

主催:NHK / NHK交響楽団

 

助成:芸術文化振興基金 / 公益財団法人 三菱UFJ信託芸術文化財団 / 公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション

 

協賛:株式会社東芝

 

※曲目・出演者・曲順等の変更の場合があります。あらかじめご了承ください。

※未就学児のご入場はお断りしています。

コンサート

このコンサートの放送予定

 

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