NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

活動報告

2017年6月27日

Music Tomorrow 2017

 

現代作品を特集する「Music Tomorrow 2017」が、6月9日に東京オペラシティ コンサートホールで開かれました。例年このコンサートでは、専任指揮者だった故・尾高尚忠の遺志を継ぎ、N響が1952年に創設した「尾高賞」の受賞作品が演奏されます。前年のコンサートや放送で初演された、日本人作曲家によるオーケストラ作品から選ばれる受賞作。65回目を迎えた今年は25作品のノミネートがあり、その中から一柳慧《交響曲第10番―さまざまな想い出の中に―岩城宏之の追憶に》と、池辺晋一郎《シンフォニーX「次の時代のために」》の2作品が選ばれました。どちらも作曲家にとって10番目の交響曲。コンサートに先立って授賞式が行われ、長年にわたり日本の作曲界を牽引(けんいん)している両氏はともに「一緒に受賞できたことをうれしく思います」と喜びを語りました。

 

プレトーク風景。左から、白石美雪(司会、音楽評論家)、岸野末利加、池辺晋一郎、一柳慧

プレトーク風景。左から、白石美雪(司会、音楽評論家)、岸野末利加、池辺晋一郎、一柳慧

 

コンサートは、オランダの指揮者ローレンス・レネスを迎えて行われました。幕開けはN響の委嘱作品、岸野末利加《オーケストラのための「シェイズ・オブ・オーカー」》の世界初演。南仏のオーカーという土の層に触発されて書かれたこの作品は、オーケストラのあちらこちらから楽器のさまざまな発音・持続音が提示され、会場は生き生きとした絵画的な響きに包まれました。

 

指揮を務めたローレンス・レネス

指揮を務めたローレンス・レネス

《オーケストラのための「シェイズ・オブ・オーカー」》(2017)の作曲者、岸野末利加

《オーケストラのための「シェイズ・オブ・オーカー」》(2017)の作曲者、岸野末利加

続いてはイギリスの作曲家マーク・アントニー・ターネイジによる《ピアノ協奏曲》。現代的で複雑な響きの中に、ジャズの語法が極めて自然に取り入れられた作品です。ピアノ独奏を務めた反田恭平の圧巻のパフォーマンスと、精巧かつ勢いに満ちたオーケストラとのアンサンブルに、熱い拍手が送られました。

 

ターネイジ《ピアノ協奏曲》(2013)でソロを務めた反田恭平

ターネイジ《ピアノ協奏曲》(2013)でソロを務めた反田恭平

 

後半は尾高賞受賞作品の演奏です。一柳慧《交響曲第10番》はオーケストラが厚みをもって積み重ねる数々のエピソードとともに、マリンバやティンパニなどの打楽器が効果的な活躍を見せる作品。副題が示すとおり、作曲家の親しい友人であった指揮者、そして打楽器奏者でもあった岩城宏之その人を思わせる内容。作曲された2016年は岩城の没後10周年でした。

 

「尾高賞」を受賞した一柳慧

「尾高賞」を受賞した一柳慧

 

一柳慧《交響曲第10番―さまざまな想い出の中に―岩城宏之の追憶に》(2016)(2017年6月9日:東京オペラシティ コンサートホール)

一柳慧《交響曲第10番―さまざまな想い出の中に―岩城宏之の追憶に》(2016)(2017年6月9日:東京オペラシティ コンサートホール)

 

最後に演奏されたのは池辺晋一郎の《シンフォニーX》。武満徹没後20年を振り返るコンサートのために書かれたこの曲では、ところどころに故人を彷彿(ほうふつ)とさせる上行型の旋律的なモチーフが現れます。音圧のひだを見事にコントロールしたオーケストラの響きからは、作曲者が気負わずとも自然と力を込めた作品であることが伝えられました。

 

「尾高賞」を受賞した池辺晋一郎

「尾高賞」を受賞した池辺晋一郎

 

池辺晋一郎《シンフォニーX「次の時代のために」》(2015)(2017年6月9日:東京オペラシティ コンサートホール)

池辺晋一郎《シンフォニーX「次の時代のために」》(2015)(2017年6月9日:東京オペラシティ コンサートホール)

 

Music Tomorrow 2017

 

 

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