NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

活動報告

2017年4月20日

東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.8
『ニーベルングの指環』第3日《神々のたそがれ》

 

指揮を執ったマレク・ヤノフスキ ©東京・春・音楽祭実行委員会/青柳聡

指揮を執ったマレク・ヤノフスキ ©東京・春・音楽祭実行委員会/青柳聡


ワーグナー『ニーベルングの指環』第3日《楽劇「神々のたそがれ」》(演奏会形式/字幕・映像付)(2017年4月1日、4日:東京文化会館) ©東京・春・音楽祭実行委員会/飯田耕治

ワーグナー『ニーベルングの指環』第3日《楽劇「神々のたそがれ」》(演奏会形式/字幕・映像付)(2017年4月1日、4日:東京文化会館) ©東京・春・音楽祭実行委員会/飯田耕治


拍手に応える出演者一同 ©東京・春・音楽祭実行委員会/青柳聡

拍手に応える出演者一同 ©東京・春・音楽祭実行委員会/青柳聡

 

N響は「東京・春・音楽祭」において、2010年より「東京春祭ワーグナー・シリーズ」と題するシリーズでの演奏を担当しています。今年は桜が満開となった4月1、4日、東京文化会館で開催された《神々のたそがれ》に出演しました。これは2014年から『ニーベルングの指環』4部作をマレク・ヤノフスキの指揮の下、4年がかりで毎年1作品ずつ演奏会形式で上演してきた企画の完結となります。

 

昨年のバイロイト音楽祭に満を持して初登場し大成功を収めたヤノフスキに、会場の期待は大きく高まります。N響ゲスト・コンサートマスターに就任したばかりのライナー・キュッヒル(元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスター)が今年もコンサートマスターを務めます。

 

燃える岩山を思わせるスクリーン映像が投影される中(映像:田尾下哲)、序幕が開始され、物語が歌唱と音楽で紡ぎ出されていきます。ブリュンヒルデ役はレベッカ・ティーム(1日)、クリスティアーネ・リボール(4日)で、全幕を通して強靭(きょうじん)な表現を歌い上げました。ジークフリート役はアーノルド・ベズイエンが務め、心ならずも罠(わな)にはまり愛を裏切る若さを表現します。

 

序幕に続いての第1幕では、グンター役のマルクス・アイヒェ、ハーゲン役のアイン・アンガーが登場し、悪巧みや野望といった暗黒の感情を深い声で表現します。オーケストラも惑い、不穏、威嚇の情感を存分に奏で、またホルンが舞台上手、そして下手に登場し、奥行きのある演奏で複雑なドラマを盛り立てます。エリーザベト・クールマンがワルトラウテ役で登場し切々と訴えると、その見事な歌唱に会場が唸(うな)りました。

 

第2幕ではトマス・コニエチュニーがアルベリヒ役で登場し、存在感ある歌声で圧倒します。オーケストラも、3本のシュティーアホルン(角笛)が吹き鳴らされる場面で大迫力を見せます。東京オペラシンガーズによる合唱も加わり、壮絶な悲劇の予兆が緊密に奏でられました。

 

第3幕ではホルン首席の福川伸陽が舞台上でオーケストラの前に立ってソロで演奏し、ワーグナー・テューバとの呼応を聴かせました。《ジークフリートの葬送行進曲》ではオーケストラ全体が厳粛かつ壮絶な音楽を響かせます。グートルーネ役のレジーネ・ハングラーは悲痛に満ちた声を聴かせ、ティーム(1日)、リボール(4日)の絶唱とともに《ブリュンヒルデの自己犠牲》の圧巻の演奏が会場に鳴り響きます。

 

ヤノフスキの明晰(めいせき)な指揮に、精緻(ちみつ)な演奏で応えたN響。4年間にわたる演奏によってこの両者の信頼関係は揺るぎがたいものになったと感じられます。それぞれの歌手への大喝采(かっさい)とともに、指揮者とオーケストラにも盛大なカーテンコールが贈られました。


東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.8『ニーベルングの指環』第3日《神々のたそがれ》

 

 

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