NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

 

活動報告

2016年9月23日

N響90周年記念特別演奏会|マーラー「一千人の交響曲」

 

2016年、NHK交響楽団は創立90周年を迎えました。そのメモリアル・イヤーの「記念企画」の一環として、9月8日に「N響90周年記念特別演奏会 マーラー『一千人の交響曲』」が開催されました。

指揮は、この日がN響首席指揮者として2年目のスタートとなるパーヴォ・ヤルヴィ。巨大編成のオーケストラに加えて、7人の独唱者、混声合唱、児童合唱が居並ぶ中、〈第1部 賛歌「来たれ、創造主である聖霊よ」〉が始まりました。パイプオルガンの重厚な響きに続いて、ラテン語による混声合唱の力強い歌声が響きます。そこにソプラノのエリン・ウォールの清冽(せいれつ)な声が奥行きを与え、パーヴォの的確なタクトにより、推進力をもって展開されていきました。華々しい金管と大合唱の高揚感に圧倒されて第1部は壮絶に終わりました。

〈第2部 『ファウスト』の終幕の場〉が穏やかな描写で始まり、ヴァイオリンのピチカートとゲーテによるドイツ語の歌詞が深淵(しんえん)なテーマを表現していきます。独唱者たち全員が見事な歌唱でドラマを浮き彫りにします。テノールのミヒャエル・シャーデは伸びやかな高音を響かせ、バリトンのミヒャエル・ナジ、バスのアイン・アンガーは気迫あふれる深い声で説得力のある言葉を聴かせました。ソプラノのウォール、アンジェラ・ミード、アルトのカタリーナ・ダライマン、アンネリー・ペーボが女性たちの感情を絶唱します。さらに2階バルコニーには、クラウディア・ボイル(ソプラノ)が初めて登場して清らかな声を降らせ、2階客席奥からバンダが響き、会場全体が豊潤で濃密な音楽に包まれました。最後はすべての合唱と演奏によって永遠の愛の完成が歓喜をもって描かれ、万雷の拍手が沸き起こります。熱狂的なカーテンコールに応え、パーヴォ・ヤルヴィと独唱者たちは幾度もステージに登場。壮大かつ緊密なマーラーの集大成の音楽を存分に描ききることで、首席指揮者とオーケストラの信頼関係が証明された演奏会となりました。

 

N響90周年記念特別演奏会 マーラー「一千人の交響曲」

 

 

指揮を務めたパーヴォ・ヤルヴィ

指揮を務めたパーヴォ・ヤルヴィ


右から、エリン・ウォール(ソプラノ1)、アンジェラ・ミード(ソプラノ2)、カタリーナ・ダライマン(アルト1)、アンネリー・ペーボ(アルト2)

右から、エリン・ウォール(ソプラノ1)、アンジェラ・ミード(ソプラノ2)、カタリーナ・ダライマン(アルト1)、アンネリー・ペーボ(アルト2)


2階バルコニーに登場したクラウディア・ボイル(ソプラノ3)

2階バルコニーに登場したクラウディア・ボイル(ソプラノ3)


左から、ミヒャエル・シャーデ(テノール)、ミヒャエル・ナジ(バリトン)、アイン・アンガー(バス)

左から、ミヒャエル・シャーデ(テノール)、ミヒャエル・ナジ(バリトン)、アイン・アンガー(バス)


新国立劇場合唱団、栗友会合唱団、NHK東京児童合唱団による混声合唱と児童合唱

新国立劇場合唱団、栗友会合唱団、NHK東京児童合唱団による混声合唱と児童合唱


マーラー《交響曲第8番変ホ長調「一千人の交響曲」》(2016年9月8日:NHKホール)

マーラー《交響曲第8番変ホ長調「一千人の交響曲」》(2016年9月8日:NHKホール)

 

 

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