

- ブルックナーやマーラーの交響曲で数多くの名演を残しているヘルベルト・ブロムシュテット。近年では、N響に登場するたびに、必ずブルックナーの交響曲を聴かせてくれます。今回は、ブルックナーが作曲家として名声を確立した《交響曲第7番》。第2楽章は、作曲中に死の知らせを受けた、敬愛する大作曲家ワーグナーへの葬送音楽となっています。前半は、第2楽章までしか完成されていないにもかかわらず、名曲中の名曲として知られるシューベルト《交響曲第7番「未完成」》です。10月定期は、アンドレ・プレヴィンならではの、豊潤なサウンドが堪能できるプログラムになっています。モーツァルト《交響曲第36番「リンツ」》やR.シュトラウス《歌劇「ばらの騎士」組曲》は、プレヴィンが得意とする作品です。ショスタコーヴィチ《ヴァイオリン協奏曲第1番》では、韓国の若手チェ・イェウンをソリストに迎えます。ヨーロッパ各地の音楽祭や東京の「ラ・フォル・ジュルネ」にも招かれている期待のヴァイオリニストです。11月定期では、イルジー・コウトが祖国の大作曲家ドヴォルザークを中心にしたプログラムで登場。《交響曲第7番》では、コウトの祖国愛に満ちた演奏が聴けることでしょう。また、ベートーヴェンの《ヴァイオリン協奏曲》のソリストは、ドイツの名ヴァイオリン奏者フランク・ペーター・ツィンマーマンの子息セルゲです。セルゲは20歳ながら、すでにヨーロッパで大活躍。期待が高まります。


- 幅広いレパートリーをもつシャルル・デュトワが、今シーズンのBプログラムではドイツ、ロシア、ハンガリーの20世紀の作曲家の作品によるプログラムをお贈りします。プロコフィエフ《ピアノ協奏曲第3番》のソリストは、ニコライ・ルガンスキー。「ロシア・ピアニズムの継承者」と評されるルガンスキーのプロコフィエフは、聴き逃せません。1月定期の指揮者はレナード・スラットキンです。ショスタコーヴィチ《交響曲第10番》は、《第9番》の完成後、8年という彼の交響曲創作において異例の長さの中断を経て世に送り出された作品です。また、20世紀のポーランドの作曲家ルトスワフスキ《チェロ協奏曲》では、バッハから現代までの音楽を驚くべき技巧と音楽性で奏でるチェロの貴公子ジャン・ギアン・ケラスがソリストを務めます。2月定期は、イタリア生まれのジャナンドレア・ノセダによるショスタコーヴィチとラフマニノフ、2人のロシアの作曲家によるプログラムです。ロシアのマリインスキー劇場芸術監督ゲルギエフに大抜擢され、1997年にデビューからわずか3年で同劇場首席客演指揮者に就任したこともあって、ノセダのレパートリーのなかで、「ロシアもの」は重要な位置を占めています。ショスタコーヴィチの《チェロ協奏曲第2番》のソリストは、2008年10月定期でノセダと《同第1番》を聴かせてくれたイタリアのチェロ奏者エンリコ・ディンドです。ラフマニノフ《交響曲第3番》では、心を癒してくれるようなサウンドをご堪能ください。


- N響のレパートリーのなかで、創立以来、ベートーヴェンはつねに中心的な位置にありました。その重要なレパートリーに新たなページとして記されるノリントンとの「ベートーヴェン・シリーズ」。この記念碑的なシリーズに、ドイツを拠点に世界で大活躍して絶賛の絶えない若きピアニスト河村尚子が登場し、《ピアノ協奏曲第4番》を演奏します。後半は、ブラームスの「田園交響曲」とも呼ばれる《交響曲第2番》です。5月定期を指揮する準・メルクルは、2005年にフランスのリヨン管弦楽団音楽監督に就任してから、「ドビュッシー管弦楽作品全集」の録音を始めるなど「フランスもの」に精力的に取り組み、高く評価されています。そのメルクルが、2012年に生誕150年を迎えるドビュッシーの、なかなか演奏されない作品を採り上げます。《サクソフォンとオーケストラのための狂詩曲》のソリストは、日本を代表するサクソフォーン奏者の須川展也です。6月定期は、ウラディーミル・アシュケナージによるシューマン・プログラム。シューマンの死後80年以上も経ってから初演された《ヴァイオリン協奏曲》では、イタリア生まれのアナ・チュマチェンコがソリストを務めます。チュマチェンコは、ソリストとしての活動のかたわらミュンヘン音楽大学教授として、数多くの国際的に活躍するヴァイオリニストを育てています。今シーズンのN響定期に出演するソリストでは、イェウン・チェ、リサ・バティアシュヴィリ、ヴェロニカ・エーベルレが彼女に師事しています。







