

- 2011/12シーズンは、名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットで幕を開けます。ブロムシュテットは、1981年にN響に初登場して以来30年にわたる長い関係のなかで、意外にもドヴォルザークの交響曲を採り上げてきませんでした。実は、マエストロが2009年にチェコ・フィルハーモニー管弦楽団と来日した時は、ドヴォルザーク《交響曲第8番》と《第9番「新世界から」》を演奏し、高く評価されているのです。ですから、今回、N響で《「新世界」交響曲》を聴かせてくれるのが大変期待されます。またギリシャ生まれの名ヴァイオリニスト、レオニダス・カヴァコスとのシベリウスの名曲《ヴァイオリン協奏曲》も楽しみです。10月定期は、死者への「慰め」を主眼に置いた、人間への深い慈愛にあふれたブラームスの傑作《ドイツ・レクイエム》を、首席客演指揮者アンドレ・プレヴィンと、ソプラノの中嶋彰子、バリトンのデーヴィッド・ウィルソン・ジョンソン、二期会合唱団でお贈りします。2011年はマーラーの没後100年。2010年の生誕150年から始まった「マーラー・シリーズ」として、チェコの巨匠イルジー・コウトが、フランクフルト歌劇場などで大活躍のソプラノ歌手ダニエレ・ハルプヴァクスをソリストに《リュッケルトによる5つの歌》と《交響曲第4番》をお届けします。美しい歌声のハルプヴァクスとどのようなマーラーの世界を聴かせてくれるでしょうか。


- 8人のソリストに合唱を要し、マーラーの交響曲のなかでも最大規模を誇る《交響曲第8番「一千人の交響曲」》。N響では1992年の若杉弘以来となるこの壮大な交響曲で、名誉音楽監督デュトワがマーラー没後100年の掉尾を飾ります。ソリストには、ソプラノのクリスティーネ・ブリューワー、テノールのポール・グローヴズ、バスのジョナサン・レマルをはじめ、世界の超一流歌手を迎えます。1月定期は、アメリカの巨匠レナード・スラットキンです。2008年の「第9」演奏会で8年ぶりに登場し、元気な姿をみせてくれました。今回は、円熟の域に達したナージャ・サレルノ・ソネンバーグを迎えてのバーバー《ヴァイオリン協奏曲》やチャイコフスキー《交響曲第6番「悲愴」》ほかを聴かせてくれます。「ナージャ」と呼ばれて親しまれているサレルノ・ソネンバーグはイタリア生まれですが、8歳の時にアメリカに移住。その個性的な演奏が高く評価されています。2月定期には、フランスの指揮者ベルトラン・ド・ビリーがN響に初登場。ド・ビリーは2002年から2010年までウィーン放送交響楽団首席指揮者を務め、ウィーンで最も人気のある指揮者とも言われました。同楽団との録音でも高く評価されているシューベルト《交響曲第8番「ザ・グレート」》をメインにしたプログラムは楽しみです。プロコフィエフ《ヴァイオリン協奏曲第1番》のソリストは、ドイツの実力派イザベル・ファウストです。


- 前シーズンから、ロジャー・ノリントンとの「ベートーヴェン・シリーズ」がスタートしました。4月定期では、中期の最高傑作《交響曲第3番「英雄」》ほかによるプログラムが楽しみです。ヨーロッパを中心に活躍し、世界的に注目されている3人の若手をソリストに迎えた《三重協奏曲》も聴き逃せません。ピアノのマルティン・ヘルムヒェンは「ベートーヴェン・シリーズ」で《ピアノ協奏曲第5番「皇帝」》に続いて、チェロの石坂団十郎は2006年の「NHK音楽祭」でのエルガー《チェロ協奏曲》に続いて、ノリントンと共演します。ヴァイオリンのヴェロニカ・エーベルレは昨シーズンの11月定期でも、ブラームス《ヴァイオリン協奏曲》で素晴らしい演奏を聴かせてくれました。5月定期では、正指揮者の尾高忠明が、オネゲルとデュリュフレという2人のフランスの作曲家の作品を演奏します。ショパン《ピアノ協奏曲第2番》のソリストは、1970年の「ショパン国際ピアノコンクール」の覇者ギャリック・オールソンです。デュリュフレ《レクイエム》はグレゴリオ聖歌のメロディーを使った透明感あふれるサウンドの作品です。6月定期は、桂冠指揮者ウラディーミル・アシュケナージによる「ロシアもの」。チェコに生まれベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で活躍する現在最高峰のホルン奏者ラデク・バボラークがグリエール《ホルン協奏曲》をどのように聴かせてくれるのか、期待が大いに高まります。後半は、チャイコフスキーの名曲《交響曲第4番》です。







